皆さんこんにちは。アーチ・キャリアが提供している、働く女性向けに社外メンターを紹介する「メンターmikke」。
メンターmikkeのコンセプトや想いに大変共感したWoo!では、メンターmikkeで社外メンターによる面談を体験した働く女性の皆さんのインタビューを、定期的に掲載させていただいています。ぜひ、ご覧ください。
今回インタビューさせていただいたDさんのプロフィール
■業種:IT
■職種:総務・事務
■年代:40代
■プライベート:既婚、お子さん1人
(1)Dさんのお仕事や経歴について
これまでのお仕事遍歴を教えていただけますか?
学生時代に飲食店で接客販売のアルバイトをしていたこともあって、まずは直接人と接することができる営業の仕事につきました。 求人誌の法人営業で、そこそこ成績を残すことができましたが、妊娠を機に、20代半ばで退職。
その後、専業主婦になりました。
子育てが少し落ち着いた頃、コールセンターのパートとして復職しましたが、手に職をつけたいと思い、介護職に転職。 結局、体力的な理由で退職し、その後は、IT企業のカスタマーセンターに入社して、 電話業務や営業事務の仕事に携わりました。
そこから、現在の会社とのご縁があり、事務、総務の仕事を経て、現在は総務リーダーとして働いています。
様々なお仕事を経験して来られたのですね
はい。子どもの頃から「バリキャリ」な女性に憧れを持っていましたが、自分が想像していたキャリアの築き方とは全然違いました(笑)
私の社会人人生は営業からスタートしましたが、当時は重たい求人雑誌を何冊もカバンにいれて1件1件新規訪問するというスタイルが、結構大変でしたね。
毎日門前払いをくらいながら、なんとか成績を残そうと頑張りましたが、結局妊娠を機に退職しました。
今思えば、その苦労を乗り越えた先に、仕事の面白さや醍醐味を味わえたのかなとも思いますが、当時はノルマがきつくて結構大変でした。
その後、今につながる転機はいつ頃訪れたのでしょうか?
35歳頃ですね。「IT企業でカスタマーセンターを立ち上げるから、来てくれないか」と声をかけていただき、パートで働くことになりました。 それまでは、既に出来上がった組織で働いた経験しかなかったので、ゼロから作り上げる仕事は初めてでした。
最初は戸惑いもありましたが、自ら考えて提案し、それらを形にしていく仕事に、とてもやりがいを感じました。 ただその後、会社の体制が変わり、カスタマーセンターから離れて総務で営業事務の仕事をすることになりました。
小さな会社だったので、総務での仕事を通して、会社全体を見ることができたことはすごく良い経験になりました。
ただ、来る日も来る日もエクセルで請求書を発行する仕事がメインで、おまけに私が休むと請求書発行業務が完全に止まってしまうという状況で…。 会社からは「申し訳ないけれど、もう一人雇う余裕は無いので、一人でやってください」と言われてしまい、次第に家庭のこともおろそかになっていきました。
そしてある時、義母が怪我をして入院する事態が起きたのですが、私は仕事が忙しく、何もすることができませんでした。
その時に、
「家族が大変な時に、私は仕事が忙しく、駆けつけたり助けたりすることができないなんて、そこまでして働く意味がどこにあるのだろうか…」
と強く感じ、その会社を退職。今度は、短時間勤務で、正社員ほど責任が重くないパートとして働こうと転職活動をした結果、今の会社に巡り合いました。
37歳のときでした。
では、現在のように総務リーダーになるなんて、当初は全く想像していなかったですか?
はい、全く(笑)
親会社のIT会社の子会社として、親会社の総務部門を一手に引き受けている会社なのですが、最初は昔流行ったドラマ、「ショムニ」のような仕事をしていましたね。
その支店で事務は私一人で、1日6時間勤務。オフィスの掃除をしたり、エンジニアの方のお世話をしたり、必要なものがあれば買いに走ったり…。 結構、楽しかったです。
ただその後、親会社が急成長し、それにあわせて私のいる会社でも「カスタマーセンター」「請求書発行業務」「オフィス清掃チーム」などの立ち上げが急務となりました。
不思議なことに、それらは私が前職で携わってきた内容ばかり! そこで、自分の経験をもとに提案し、様々な業務やチームを作り上げていくうちに、総務リーダーのポジションを任されるようになりました。
まぁ、人がいなかったというのもあるんですが…(笑) また、現在は「障害者雇用率」への取り組みを実施していますが、ここにも、私が34歳の時介護職の職業訓練で学んだり、実際に介護の現場で働いた経験が、生かされています。
当時は「こんなこと、意味はあるのかな…」と思うこともありましたが、今ではそれらが、一本の線になり、繋がりました。
そして気づけば、子どもの頃に思い描いていた「バリキャリ」のポジションにつくことができていました。 人生には、無駄なことなど何一つないんだと改めて思います。
(2)メンターmikkeのメンタリングを受けるきっかけ
順調なキャリア、なぜその中でメンタリングを受けようと思ったのですか?
2020年の7月に、総務リーダーのポジションになったことで、これまでの自分の経験や知識では、壁を打開できないない状況に陥ったからです。 私の直属の上司は、社長であり、親会社の総務部長でもある方で、その上司とコミュニケーションがとれず、悩んでいました。
とても良い方なのですが、会話がロジカル、そして使う言葉も難しく、私には、何を言われているか全く理解ができませんでした。 現在はコロナ禍ということで、在宅で完全オンライン、チャットベースで仕事をしていますが、上司から伝えられる目標やその狙いが本当に分からなくて…。
基本的なコミュニケーションが取れないので、話が全く前に進まない状況でした。
また、そのことを誰かに相談したくても、上司と私の間には誰もいないので相談する人もおらず、色々と調べた結果、社外メンターサービスを行っているメンターmikkeにたどり着きました。
(3)メンターmikkeのメンタリングを受けてみて
ーメンターはどんな方でしたか?
ホテルの総支配人で、部下も多く様々な人を見てきた経験を持つ方でした。 そしてそのような経営者視点のある方に、上司からのチャットの文面について「一体何を言われているのか」「私は求められているのか」、とにかく教えてもらいたいと思いました。
具体的にメンタリングはどんなふうに進んでいったのですか?
上司から送られてきたチャットの文言について「これはどういうことなのでしょうか?」と一つ一つ聞いていきました。 それに対して、
「これは、経営者視点でこういうことを伝えたいのだと思いますよ」「○○さんには、こういう役割を期待されているのだと思いますよ」
と、赤ペン先生兼家庭教師のような形で、一つずつ丁寧に教えていただいたんです。
すると次第に、上司の求めることや言葉の意味がわかるようになり始めました。
同時にメンターさんからは、「自分の提案や考えをどのように上司に伝えるか」についてもお聞きし、表現の仕方を変えて上司に伝えると、次第に提案が通るようになっていきました。
これまでは、「おっしゃっているのはこういうことですか?」 「いや、ちょっと違うんだよね」 というやり取りが多く話が進まなかったのが、ちゃんと意思疎通できるようになったことで、次のステップに進めるようになりました。
それはすごいです!!!
そうなんです!この結果には私自身驚きました。 私の会社では、四半期ごとに上司との評価面談があり、事前に「目標に対して自分はどのように取り組むか」を記入した資料を提出します。 その書き方についてもメンターさんから、
「上司はできなかったという反省文ではなく、出来なかったことに対して、分析した上で、どうアクションするかが知りたいのだ」
と教わり、そのように書いてみました。 すると面談の席で上司から、「今回の資料はよくまとまっているね!」と褒めていただき、夏のボーナスにも、少しだけ色がつきました(笑)
実際に業務の成果がすぐに変わったわけではないですが、「○○さんはちゃんと分かっている」と感じられ、上司は安心してくれたのだと思います。
上司とコミュニケーションを取る上での目線や視野が大きく広がったのですね
はい。メンタリングを受けたことで、自分が今まで考えたことがなかった「社長や経営陣の目線から物事を見る」ことを教わりました。 その目線で見ていくことで、上司の伝えたいことやその意図が、よく理解できるようになりました。
この学びは大きかったですね。後で同僚に聞いて分かったことなのですが、私の上司の言う言葉は難しすぎて、みんな理解できていなかったみたいです。
私だけじゃなかったんだ…とちょっとホッとしました(笑)
(4)メンタリングは2クール目へ
3回のメンタリングが終わり、現在は2クール目なのですね!
はい。1クール目の時のメンターさんがとても良かったので、その方には今後は女性としてのキャリアアップの相談を継続しながら、並行して、別のメンターさんに総務の仕事のスキルアップの相談をお願いすることにしました。
というのも、現在会社で、総務や事務部門のキャリアパス制度を作っていくことになり、私がその構築を任されたんです。
IT会社なので、エンジニアであれば「この言語やこのプログラミンができるようになったら昇格する」といったキャリアパスがありますが、バックオフィスメンバーのものはありませんでした。
ただ会社の成長に応じて、バックオフィスのキャリアパスも必要になったので、メンターさんに相談し、模索しながらゼロから作っている最中です。
1クールからの継続+新しいメンターさんと別テーマでのメンタリングなんですね。2クール目はいかがですか?
2クール目のまだ初回を終えたばかりですが、自分が今の立場で何をしていくべきなのかが、だんだんと見えてきました。
結局、会社によって状況は大きく違うので、他社の状況を集め過ぎても意味がない。最終的に大切なのは、「自分がどうしたいか」なんですよね。 初回のメンタリング時にメンターさんから、
「上司の方の希望は分かりました。でも、○○さんは、どうしたいですか?」
と聞かれたときに、ハッとしました。
上司の希望に合わせすぎるあまり、「自分がどうしたいか」という視点が抜け落ちていたと…。
私たち事務方は、特に資格や特別なスキルを持っているわけではないので、お給料が上がりづらい現状にあります。でもそんな私たちでも、チームとして結束すれば、付加価値の高い仕事ができ、評価され、お給料も上がり、今よりもっと誇りを持って働けるようになる。
「そういうチームを目指そう!」とビジョンを伝え、チームが一致団結して働く風土を作ってきたことを評価してもらい、私はリーダーになった。
そのことを思い出しました。
上司からは「このような資格取得をキャリアパスに取り入れてはどうか」と言われていることがありますが、実際は、私たちのチームに合っていないものもあります。
ですから、「私たちがどうしたいのか」「メンバーに対してどのようなことを期待をしているのか」に立ち返り、上司が不要だと考える資格でさえも、必要であればいれて組み立ててみようと考えるようになりました。
自分たちが納得する、自分たちにあうキャリアパスを提案してみたらいい。 そう気づいたときに、目の前の霧が晴れました。
「自分がどうしたいか…」大切なことですが、見失いがちですね。
そうなんです。渦中にいると必死になるあまり気づけないことも多々あります。また、身近な人にアドバイスをもらっても「私の仕事を知らないくせに!」と素直に受け取れないこともありますよね。
だからこそ第三者に話を聞いていただき、客観的に見た上でアドバイスを頂くことはとても大切だと今回実感しました。
思えば1クール目の時からメンターさんは 「○○さんはどう思いますか?」「○○さんはどうしたいですか?」 と常に投げかけてくださっていました。
そして、私の良いところや強みを、たくさん伝えて下さいました。 当時は、上司の言っている言葉が理解できず、自信を無くしていて、すごく苦しかったので、メンターさんが、私の強みや良い点を、面談後の振り返りシートに一つ一つ細かく書いて伝えてくださったことが本当に嬉しかったですね。
今でも、挫けそうになった時にはそれを読み返し、原点に立ち返らせてもらっています。
(5)働く女性に伝えたい社外メンタリングの価値
最後に、メンタリングについて、働く女性の皆さんにお伝えしたいことはありますか?
私は、メンタリングを通じて、自分の価値を再確認することができました。
女性は、特に結婚や出産をすると、夫や子どもや相手に合わせる生活が当たり前になってしまいます。 そして次第に、自分がどうしたいのか、自分が何者かがわからなくなってしまうと思うんです。
そんな時、メンターさんとお話することで、自分の価値に気付つことができたのは、大きかったですね。
直接「ここが○○さんの良さだ」と伝えてくださるだけではなく、投げかけられた質問に答えていくうちに、だんだんと自分の中で、「自分」というものが見えてくるんです。
そして「あ、私はこんなことを考えていた、こんなことをしたかったんだ…」と気付かされる瞬間がたくさんあって。
組織の中である程度のポジションになると、弱音をはきづらかったり、今さらこんなこと聞けないと思うあまり、誰にも相談できなくなっている人も多いのではないかと思います。
そんな方には、「全くの第三者であるメンターさんに話すと、すごく楽になれるし、解決策が見つかることも往々にしてある。一人で抱え込まず、相談してみましょう!」と伝えたいですね。
【メンターmikkeのサイトはこちら、ご興味ある方は、ぜひのぞいてみてください。】
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