働く女性の皆さんこんにちは。神野沙樹です。インターネットやニュースなどで「女性が働きやすい環境を作りましょう」「女性の働き方を見直しましょう」と目にしたり、耳にすることがあります。
さて、女性の皆さん!これらの言葉を聞いてどう思われますか?
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1.女性はそんなに特殊?
確かに、女性は男性では経験できないことをたくさん経験する機会があります。
典型的なもので言えば、妊娠、出産、育児。
さらに、これは女性だけに限られませんが、どちらかといえば女性が働く上で問題となっている「介護」も。
そのほか、「女性」と「男性」の考え方や感覚の違いは生物的特徴としてありますよね。
例えば育児という切り口一つとってみても、会社さんの中には、
・学校行事には休める制度
・家族のための会社参観日
・子供のバースデー休暇
・3歳まで育児休業取得可能
など、様々な背策をとっている企業もあります。また、それを「企業のウリ」としているケースもあります。
そのほか、休みまではいかなくても「時短勤務」が法律にうたわれたり、「短時間正社員」という制度もよく聞かれるようになりました。
私は「社会保険労務士」という仕事に加え、自分自身が一児の母です。
いくら自営業とはいえ、実質「時短勤務」で働いているいま、「女性の働き方」を考えない日はありません。そして、子育てをしながら確かに「あれもこれも大変だな」と感じることもあります。
しかし、
「女性が働きやすい環境を作りましょう」
「女性の働き方を見直しましょう」
という言葉には、どうも違和感を覚えることがあるのです。
2.違和感を覚える2つの理由
なぜ違和感を感じるのだろうと考えた時、2つの理由が思い浮かびました。
1つは「特別視しなければならないほど、女性だけが負わなくてはならないものなの?」
ということ。
もう1つは「その言葉が生み出す弊害」
です。
まず1つめ。
「女性の働く環境を良くしよう」というと、「女性は色々と大変、だから環境を整えよう」であるとか「女性はキャリアが途絶えやすい、だから働き続けられるよう考えよう」と受け取ることもできます。
前述したように、確かに女性は大変ですね。さらに、昔は「女性は家で、男性は外で働いて」という概念があったことも大きな理由でしょう。
しかし、今この「自由な」時代にもかかわらず、なぜ「女性だけ」が特別視されるのでしょうか。
・男性は?
・夫は?
もっと言えば、
・子育てを終えた世代の方は?
・子供のいない女性は?
置かれた立場のちがいはあれど、「お互いを思いやり、みんなで生活をしていく」という意味ではそこに違いはないのではないでしょうか。
そして、もっとフラットに、もっと「一個人」として一人一人を尊重することができれば、「女性」「女性」と言わなくてもいい時代が来るように思います。
「お母さんが育てる」
「奥さんが(親の)面倒を見る」のではなく、
「家族全員でみる」
「地域で育てる」時代へ。
私は、一歩進めたいなと思っています。
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3.女性の労働環境改善という言葉の弊害〜「ピンクの象」理論
もう1つは、女性を特別扱いすることが生み出す、いらぬ感情です。
例えばこう言われたらどうでしょうか。
「いいですか、絶対にピンク色の象を思い出さないでください」と。
多くの方は真っ先に「ピンク色の象」を思い浮かべたと思います。
人の思考はとても不思議。言われなければピンク色の象なんておもい浮かべることがなかったのに、「ピンク色の象」と言われただけでそれをイメージしてしまいます。
実は女性活躍の議論にはこの要素が多分に入っているように感じます。つまり、「女性の働き方」とか「女性の労働環境」と言われると、より意識してしまうというわけです。
これまで、特に不思議に思わなかったことも、さりげなく「相手を思いやる気持ち」から行っていた行動も、あえて「女性の働きやすい環境を作るべきだ」という議論が始まると、「そうだ、そうだ、私たちは大変なんだ!」という思いが高まるように思うのです。
誤解のないように言うと、もちろん女性には大変なこともあります。ここでは、「女性は保護しなくてもいい」と言っているのではなく、いらぬ議論を巻き起こす種になっている、ということです。
だからこそ、「女性」「女性」と声高に叫ばなくてもいいのではないかと感じるのです。
4.違いは強み
子供って本当に不思議です。
教えていなくても、お手伝いをするようになり、
教えていなくても、親の真似をして挨拶(はじめは会釈だけですが…)をしたりします。
しかし、その方法は子供それぞれ。
そして、スピードも子供それぞれ。
でも、根本で「どうした方が目の前の人が笑顔になってくれるか」は知っています。
それと同じで、大人も「人それぞれ」でいいと思います。
人と比べると、「違いばかり」に目が行きます。「あの人と私はここが違う」「あの人より私はここがしんどい」という違いです。
そして多くはそれが不満につながります。
しかし、裏を返せば「人と違うことをしている=強み」だと思います。
子供と同じで、心の根っこでは「どうした方が目の前の人が笑顔になってくれるか」は知っているはずです。
かくいう私も、人と比べてどうだ、人からの評価はどうだ、ということをすごく気にして生きてきましたし、まだそれが完全に払拭できたわけではありません。
でも、ひとつ自分に言い聞かせていることは、
今の歩んでいる人生は、自分が選択し続けてきた結果だということ。
くよくよしても仕方ないし、「違っていいじゃない!」と思えるようになれば、自然と相手のおかれている環境も理解できるようになるんじゃないかな、と思います。
もちろんそれは男性も、女性も、みんなが、です。
私もまだまだ実験中です。さて、みなさん、一緒に実験しませんか?
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