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今年の新入社員「サイバー世代」を戦力に育てる3つのコツ。

働く女性の皆さんこんにちは。渡邉優子です。2016年の新入社員研修も一段落しました。
企業研修講師として様々な企業様でお会いした新入社員さんの傾向と、
受け入れる側の対策をご紹介します。
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1.サイバー世代


2010年ごろからしばらく、ゆとり世代が世に出てくるぞ!大変だ!!と騒がれたことは皆様の記憶にも新しいことと存じます。
その世代の方たちは「怒られることに慣れていない」「自主性がない」
「飲み会などの付き合いをしない」「リアクションが少ない」などと言われていましたが、
私個人の感覚として、新入社員さんはいつの時代もそんなタイプの方がいらっしゃるもの。

ここ数年が特別だったわけではないと思います。

逆に彼らは学生時代、先輩たちが就職氷河期を戦っているのを見ているので、就活の準備をしっかりとする真面目な方が多かったように思います。
しかし!少々のことでは動じない私が、今年は驚きました!私たちバブル入社組には想像も出来ない方が社会に出ていらっしゃったのです。
それは、スマホがないと何も出来ない、裏を返せばスマホの中に全てがあると信じている、そんな世代。私の独断で名づけてみました「サイバー世代」と。

2.サイバー世代を象徴する事件


5~6年前だったと思いますが「リア充」(ネットの中ではなくリアルな生活が充実している)という言葉を初めて伺ったときに衝撃を受けたのですが、まさに今年、社会に出てこられた方たちはスマホの中にリアルとは別のもう一つの世界を持っているように感じます。

高校3年間、または大学4年間、起きている間ずっと片手にスマホを持ち、その中で仲間と連絡を取り合い、情報を収集・発信し、時にはもう一つの人格を持っている方も多いと思います。

そんな世代を象徴する事件が起きたのは2016年4月某日のことでした。
ある企業さんの新入社員研修の講師をしていたのですが、お一人が連絡なしで30分ほど遅刻してこられました。
研修会場は会社ではなく、会社近くの貸し会議室。
遅刻の理由を伺うと「道に迷った」とのこと。
さらに何故迷ったのかと伺うと「スマホのバッテリーが切れた。近くまでは研修開始の30分前に来ていた。このあたりを1時間彷徨っていた。」とのこと。
しかもその方、電源が切れたときのバックアップとして2台のスマホをお持ちだったのですが、その日は偶然2台とも電源が切れてしまったそうです。

さらに質問してみました。再発防止のために何をしたら良いと思いますか?
当然返ってきた答えは「いつも充電しておく」でした。もちろんそうですね。
他には?と訊くと、ここからがビックリ回答!
な、なんと「スマホをもう一台持つ」とおっしゃったのです!
オバサン、もう、ドン引きです 笑

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3.スマホがなければ何も出来ない


いやいや、ちょっと待ってください。さすがに3台は必要ないでしょ!と言いたいのをグッとこらえて、私は申し上げました。
スマホを使う以外の解決策も考えてみましょう、と。

まず、どんな事情であれ約束の時間に遅れるならば、何とかして相手に一報入れなければなりません。
さらに、分からないことはググる(インターネットで検索する)以外に誰かに訊くという方法もあるのです。
そこに気がつかないのは「スマホがなければ何も出来ない」という前提(思い込み)があるからに他なりません。

例えば公衆電話を探す、道行く人にお願いして携帯やスマホを借りる、その土地に詳しそうな人に会場の場所を尋ねる、
電話番号が分からなければ104(電話番号案内)を使う、など知恵を働かせ、
知らない人ともコミュニケーションを取って何とか状況を好転させることが必要です。

携帯電話すらなかった時代を生きてきた私たちにとっては簡単なことも、
サイバー世代には思いつきもしないことなのですね。

4.どう付き合っていけば良い?


さて、私たちはそんな彼らとどう付き合っていけばよいのでしょうか。

1つ目は絶対に否定しないこと。
サイバー世代を創り出した責任は私たちの世代にあり、彼らが悪いのではありません。

2つ目は考える習慣をつけさせてあげること。
トラブルが起きたとき、起きそうな時、「どうしたら解決できると思う?」「何が足りなかった?」
「そうなった原因は何?」という具合に質問してください。
答えを押し付けるのではなく、一緒に考えて答えを導き出してあげることで考える習慣がつきます。

3つ目は人と人は心で繋がり、仕事はチームでしていると教えてあげること。
ググるよりエキスパートの先輩に訊くほうが早いし、活字や動画では伝わらないことがたくさんあるし、
人間は非言語のコミュニケーションを重要とする生き物です。

世代が変われば環境が変わり、考え方や習慣は変わるもの。
受け入れる側が肯定的に捉えたうえで、温かく育ててあげたいものです。


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