女性活躍企業の社長に編集長が突撃取材!〜シナジーマーケティング 谷井等さん〜


3.女性も活躍するシナジーマーケティングの舞台裏とは。

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(2人のお子さんを育てながら働く管理職の佐々木さんとの2ショット)

ー高野:ここからは、2人のお子さんの母親であり管理職の佐々木春奈さんにもインタビューに加わって頂きます。よろしくお願いいたします。

ー佐々木:よろしくお願いいたします。

ー高野:佐々木さんはいつ頃シナジーマーケティングに入社されたのですか?

ー佐々木:2004年の12月に面接に行き、その後です。面接に行ったらいきなり社長面接で、また当時の役員が穴あきジーパンとTシャツで登場して、とても驚きました。12月の真冬にですよ(笑)「これぞITベンチャー!」と思いましたね。私は宝塚歌劇団が好きなんですが、社長面接で谷井さんと意気投合するあまり、思わず宝塚の歌を歌ってしまいました。

ー谷井:当時は「変人採用」というものをしていました。スタートアップのベンチャー企業は、安定もない、短い勤務時間もない、手厚い福利厚生もない。そんな中、どうすればこの会社で働きたいと思ってもらえるかと考えた時「人の魅力で勝負する」しかないと思いました。当時の僕らは変わり者の集まりだったので、それを面白いと感じてくれる人に来てもらえたらいいなぁ〜と。あ、佐々木さんも変人採用?

ー佐々木:え、いや、もう私の時は「変人採用」は終わっていたので、私は変人採用ではないです(笑)

ー高野:佐々木さんはもとからIT業界に興味がおありだったんですか?

ー佐々木:ITに大きな興味があったわけではありませんでしたが、次の時代はITによって作られていくことを薄々感じていたので、「流れのはやいところ、時代の先端をいく会社に身をおきたい」と思っていました。そしてネットで「IT 関西」と検索したところ、当時のインデックスデジタルが出てきたので応募したのがきっかけです。

ここで働きたいと思ったのは、谷井さんとの面接の1時間がとても楽しかったからです。直感で一緒に働きたいと思いました。当時は「ITはうさんくさい、ちゃらい」と思われている時代でした。また、顧客接点も「ハガキや手紙を書くことが正しいこと」のような風潮もありました。

でも実際に谷井さんに会ってお話していると、とても真面目で地に足がついた社長だということがわかり…あ、でも飲み会では「裏の谷井さん」が顔を出すのですが、それもまた面白いですよ(笑)

ー高野:社長のことを「さん」で呼べるのも、素敵な社風ですよね。谷井社長と佐々木さんのやり取りを見ていると、シナジーマーケティングさんが風通しの良い社風であることが伝わってきます。また御社は、2007年に上場されましたが、谷井社長は創業の頃から上場を考えられていたのですか?

ー谷井:実は創業時は上場する気はありませんでした。ただ、2004〜5年あたりから「個人情報保護法」が出てきて、顧客データを扱うためには会社に社会的信用が必要とされるようになってきました。信用のない会社に、大事な顧客データは預けないですもんね。
社会的信用を得る手段として、上場を目指すことになり、2007年に上場したという経緯です。

ー佐々木:上場前後のタイミングで私は管理部に籍を置いていたので、上場することについては事前に聞いていました。上場に向けて社内の様々なことを整えたので「ベンチャーからちゃんとした会社になった」という感覚はありましたが、上場するからといって、社内が揺らいだりはしませんでした。

ー高野:ベンチャー企業の上場と言えば、パーティーを開いたり、お祭りムードなイメージを想像していましたが、全く違うのですね。

ー佐々木:私も上場にはそんなイメージがありましたが、当社では浮足立ったことは全くありませんでしたね。「一歩一歩丁寧に歩みを進めていった。そしたら今日は上場の日だった」という感じでした。

ー谷井:僕も、社員向けに「上場するぞー!エイエイオー!」なんて言ったことはありません。逆に上場が近づいてきた時期は「上場は通過点でしかない。上場前後変わらず、1件1件の仕事にしっかり向き合っていこう」というメッセージばかりを伝えていました。

ー佐々木:いい意味で、谷井さんは社長っぽくないですよね。地に足がついて、浮ついた感じがしない。ここが、谷井さんの大きな魅力だと思います。

ー高野:素敵ですね。また御社では女性社員さんの割合も増えてこられているのですね。

ー佐々木:割合としては…半分もいませんが、1/3か2/5くらいにはなってきましたね。

ー高野:よく、ベンチャー企業で女性が増えてくると「子どもを産んでも仕事をしている前例がなく女性がやめていく」という話を聞きますが、御社ではそういったことはなかったですか?

ー谷井:あまりないと思います。自分たちの会社をよく理解してくれている社員が離れるなんて、もったいなさ過ぎる。だから僕たちも「絶対戻ってきて欲しい」と常々思っています。

ー佐々木:最初から「結婚や出産だから辞めないといけない」という雰囲気はなく、戻ることは当然という感じでした。最近は常に誰かが育休に入っていたり、復帰したり…2人目を出産する女性も増えてきましたね。

ー谷井:当社の女性はみんなパワフルです。また出産して戻ってくるペースがものすごくはやい。最近は1年足らずで戻ってくる人が多いので、会社としては嬉しいのですが「体は大丈夫?」ってこっちが心配になるくらいです(笑)

ー佐々木:フルタイムで戻ってくる人もいます。当社がフレックス制を導入していることも大きいです。7時に出社して、16時に帰宅する社員もいますよ。勤務時間が9時〜18時という風に固定されていると、保育園事情があるのでフルタイムは難しいですよね。

朝はお父さんが送りに行って、夜はお母さんが迎えに行くという形で夫婦で保育園の送り迎えを分担している社員もいます。
時短なのかフルタイムなのか、自分でどういう働き方をするかが選べる。それも当社の魅力の1つです。

4.話は子育て論に及んで…

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(インタビュー当日は、ちょうど若手社員さんのフォローアップ研修の日。興味津々にその様子を覗き見される谷井社長)

ー高野:素晴らしいですね。その働き方の柔軟性はベンチャー企業ならではですね。またプライベートでは、谷井社長も3人のお子さんのお父さんでいらっしゃるのですね。

ー谷井:そうです。僕は25歳で結婚しました。NTTをやめて1年で結婚、今考えれば無謀ですよね。そういえばこの前経営者仲間と話していて「僕たちはいたって普通の人間だと思っていたけど、世の中的には超マイノリティなんだ」とようやく気付きました。あ、でもそういう意味では、当時の僕と結婚した妻が、一番無謀でベンチャー気質あふれる人種かも(笑)

ー高野:確かに奥さんがすごいですね…!肝っ玉が座っていなければそんなことできません。谷井家では、どのようにお子さんを育てておられるんですか?

ー谷井:習い事、受験、将来やりたいことについて「自分たちがやりたいこと」を自由にやればいいと思っています。本人の自主性や自発性を大事にしたいので、親が「やれ」とは言いません。ただ、普段から色々な世界を見せたり、体験させたりしています。新世界に行ってベタな大阪に触れたり、バックパックで息子と海外を2人旅したり…。

幅広く世の中を見て、様々な視点を持っておくことが、子どもが重要な意思決定をするときにとても重要だと考えているからです。

ー高野:素敵です…でも子育てというのは試行錯誤ですよね…佐々木さんは、2人のお子さんのお母さんですが、日々いかがでしょうか?

ー佐々木:本当に試行錯誤の連続です。まだ子どもが小さい時は「生きてくれているだけでいい」と思っていましたが、だんだん欲が出てくるんですよね。「他の子より早く字が書けた方がいいんじゃないか」「親がもっと手伝ってあげたほうがいいんじゃないか」と。

そして、「違う違う。悔しい思いをすることも大事だし、自分で解決して子どもは成長していくんだ」と思いなおし、自分の接し方の軌道修正をする。その自分のコントロールの方が大変だと最近感じています。

ー谷井:今度社内でも、子育て談義してみたいね。みんながどんな思いを持って子育てしているのか、聞いてみたいなぁ。

ー高野:皆さんの子育て論、気になりますね。私も、無意識のうちに、子どもを型にはめようとしている自分がいて、葛藤する日々です。子育てには正解がないですもんね。では最後に谷井社長、これからの展望をお聞きかせ頂けますでしょうか?

ー谷井:はい!…と言っても、これからのデジタルマーケティング…はなんて言っても面白く無いですよね(笑)

僕は会社を経営するにあたり「雇用責任は無い」と思っています。言い換えれば、「雇用責任ではなく、魅力創出責任がある」と考えています。

社員が優秀でどんどん成長していくから、僕はそんな社員が魅力的だと思える会社を作り続ける。そうすれば、彼らが他社から声をかけられても当社で働くことを選んでくれるだろうし、もし職を変える必要があった時にも、どこに行っても通用する人になっていられる。社員が成長することと、経営陣が魅力を作り続けることは、ある意味競争だと思っています。

ー高野:なるほど〜!!

ー谷井:会社は「ひとりひとりの成長の場」です。そうなれば、どこの会社でも活躍できる人材になれるし、一生職に困ることはなく幸せに生きていける。それを作り出せる会社でありたいし、これからもそうあり続けたいと思っています。偉そうに言ってどれだけ実現してるか分からないけど…。

ー佐々木:大丈夫ですよ!現場のみなもそう感じながら働いています!

ー谷井:ありがとう、良かった(笑)ただ、会社は人が増えれば権限委譲も増えますが、絶対にトップが手離しては行けない仕事があると思っています。それは、「ビジョンを提示すること」と「文化を創ること」

目的地への行き方は、頭の良い人が考えてくれればいい。ただし、どこに行くかはトップしか決められません。また、その会社の企業文化を作っていくことも、トップの大切な仕事です。ここさえしっかり押さえておければ、動き出した船は間違わずに進んでいくと思っています。

ー高野:谷井社長の人生は、まさに「マーケティング」ですね。いかにお客様から「欲しい」と言われるサービスを創るか、いかに社員さんが「ここで働きたい」と思える会社にするか。全て相手の立場にたって考えられた視点から出てきているので、とても自然でうまくいかれるのだと思いました。本当に本日はありがとうございました!

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「マーケティングというのは、相手の立場に立って考えることを言うんです」という谷井社長の言葉がとても印象に残りました。謙虚で、温かく、親しみやすい雰囲気でありながら、緻密な戦略性をあわせもち、常にビジネスの世界で勝ち続けている谷井社長。シナジーマーケティングが、男女問わず活躍できる会社である理由は、この谷井社長の「マーケティング精神にあり」と心の底から納得したインタビューでした。本当にありがとうございました!

シナジーマーケティング株式会社について

創業:1997年9月

事業内容:CRM関連製品ならびにサービスの企画・ソフト開発・提供、CRM戦略構築支援ならびに各種CRM業務の代行、広告、宣伝に関する企画、制作および広告代理店業

大阪本社:〒530-0003 大阪府大阪市北区堂島1-6-20 堂島アバンザ21F

代表者:谷井 等(たにい ひとし)

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Woo!編集部。運営会社である株式会社ナチュラルリンクは、”働く女性をHAPPYに 女性のチカラで企業を元気に”という思いのもと、Woo!の運営や、企業の女性活躍推進サポート事業を行っている会社です。

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