働く女性の皆さんこんにちは。Woo!のネタリストとして、情報発信をされている高橋紀子さん。新卒で入社した会社ではバリバリの営業として活躍され、結婚後は英会話教室の立ち上げ、主婦と、様々な経験を経て、現在はキャリア開発や企画系の仕事でひっぱりだこ。またプライベートでは2人のお子さんの母親という素敵なキャリアをお持ちの高橋紀子さんに、『「好き」を大切に、短い時間で効率よく、楽しく働く秘訣』について伺いました。
1.高橋紀子さんについてご紹介
MNキャリア 代表。2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格)、産業カウンセラー、CDA、ジョブカード作成アドバイザー、交流分析士1級等の資格を活かし、キャリアコンサルタント、キャリアカウンセラーとして活動。企業や行政に対しては「採用▶人材開発」を軸に、仕組み作りから実際の運営にまで幅広く関わっている。また大学や専門学校ではキャリデザインや就活関連の授業を担当しており、10代から60代それぞれのステージに応じたキャリア支援を行っている。プライベートでは夫と2人の子ども、義母との5人暮らし。
主な研修テーマ:キャリアデザイン、自己理解、コミュニケーション、若年者の採用と育成、ロジカルシンキング、ロジカルライティング、メンタルヘルス対策、カウンセリングのポイント、女性のキャリアアップ、子育てママのステップアップ など
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2.「変化」こそが原動力。
ー高野:高橋さんと出会ってはや5年。お会いする度に発見や気づきを頂くので、本日のインタビューをとても楽しみにしていました。素朴な疑問なのですが…高橋さんはなぜいつもそんなにイキイキされているのですか?
ー高橋:ありがとうございます。実は私、飽き性なんです(笑)ずっと同じ場所にいて、同じ仕事をしているのが苦手で、逆に変化が大好き。「変化すること」が私の原動力になっています。
ー高野:「変化すること」が原動力…!高橋さんは、もとからそのような性格でいらっしゃったのですか?
ー高橋:そうですね。幼稚園、小学校の頃まで遡り、仲の良い親友が全員転校したことが影響していると思います。いつも一緒にいて「この子がいれば他に友達なんていらない」とまで思っていた大親友がみんな引っ越しをしてしまい、大変寂しい思いをしました。
そのうち「人間関係も変わる。1つのところにずっと所属していてはだめだ」と思うようになりました。
そこで色々な子と仲良くしたり、1つのことだけではなく複数のことしていることがリスクヘッジになると無意識のうちに考えるようになったのだと思います。ですから小さい頃から、人間関係や時代が変化することについてはとても敏感でした。また「みんなはそう言うけれど、本当にそうなんだろうか?」と疑問を持ち、自分で考えて納得したい性格でした。
授業でみんなが笑っていても、自分は面白く無ければ絶対笑わないとか…(笑)
変わった子どもと言えばそれまでですが、とにかく「なぜなんだろう?」という好奇心が強かったですね。
ー高野:なるほど…そういった土台の考え方が、子どもの頃に形成されたのですね。
ー高橋:はい、そして新卒で入社したリクルートは変化を良しとする風土があり、「自ら機会を創りだし機会によって自らを変えよ」という理念が、働く上での私の考え方の土台となりました。私は考えることが大好きで、自分で考えることでエンジンがかかるんです。何によってエンジンがかかるかも、人それぞれですけどね。
ー高野:なるほど。私は何によってエンジンがかかるんだろう…気になってきました。後で考えてみます(笑)
ー高橋:「自分が何によってエンジンがかかるか」は知っておくと良いですね。私の場合は、考えないまま、わからないまま日々が過ぎて忙殺されてしまうと調子が狂ってしまいます。ですから、どんなに忙しくても考える時間を意識して持つようにしています。人によっては「体を動かさないとだめ」「人と会っていないとだめ」など色々あります
また私の場合は、考える時間を持ちつつ、人と話す時間も大切です。「知りたい!」という好奇心があるので、学生さんにカウンセリングしていても「なるほど、そういう考え方もあるのか!」と発見や学ぶポイントがたくさんあって本当に面白い。
年齢や経験は関係なく、誰とでもフラットな関係性を築いていくのは楽しいですね。
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3.ロジカルと感性のハイブリット型。
ー高野:少し話は変わりますが、高橋さんは、考えることがお好きだということですが、何かを決断する時も考え抜いて答えを出されるタイプですか?
ー高橋:直感で決めることが多いんですね。先ほどとは言っていることが真逆ですが(笑)
その勘は大体あたっていて、後から振り返ると今の仕事に繋がる大きな「チャンス」だったということがたくさんあります。
日頃から多くの方の話を聞いたり、時代の流れを感じたり、好奇心旺盛でアンテナをはっているからこそ「今はこれがきてる!」と感じることができるのだと思います。そういうものには絶対チャレンジしますし、チャレンジの理由は後付でいい。
もちろん、やってみたけどそうでもなかったという場合もありますが、それも経験になります。また、経験と知識の積み重ねで今では、コンサルティング先の状況を少し見ただけで、「この会社はきっとこういうニーズがあるはずだ」と分かるようになりました。
ー高野:ロジックと同時に、経験に裏付けられた勘も両方大切なのですね。
ー高橋:はい、効率と確率をあげるには、どちらかだけではだめで、両方大切だと思います。ただ、どちらが得意か、苦手かは人それぞれありますから、「私はどちらが強くて、どちらが弱いか、じゃあこちらは人に任せるのか」という風に自分で知っておくといいですよね。
それがわかってくると、何が必要で、何は不必要で、何をするべきかが見えてくるので、仕事の効率もあがります。年齢を重ねたからわかることではあるかなぁとは思いますが。
ー高野:なるほど…そういったチャンスを掴む高橋さんの瞬発力、行動力を羨ましく思う方は多いだろうなと思います。
ー高橋:好奇心旺盛なのと、あと負けず嫌いですから(笑)「チャンスは絶対掴みたい!」と常々思っています。あと先日10歳以上年上の方に、「高橋さんは見た目は女性っぽく見えるけど、中身は男よね」と言われて「あたってますー!」という話をしました(笑)
ー高野:(笑)高橋さんのお話を聞いていると、常にご自分のことをしっかり把握されていると思うのですが、高橋さんでも悩まれることはあるのでしょうか?
ー高橋:もちろんあります!今でも日々悩んでいます。また、はたから見るとすごいキャリアを築いている方でも「自信が無い」と悩んでおられて驚くことも多いですね。あのドリカムの吉田美和さんでも、コンサートが始まる前は未だに「私には無理、できない」とおっしゃっているそうなんです。あそこまでのキャリアを築かれた吉田さんでもそうなのであれば、私たちが悩むことは当たり前ですよね。
でもそれが自然ですし、それでいいと思います。逆に「私はもうこれで大丈夫!」なんて思えてしまった方が怖いですよね。
キャリアの仕事を始めてから、人に対する母性のようなものがより湧き出てきました。みんな一生懸命ですし、それぞれの状況の中で頑張っています。キャリアは人の支援なので、自分は黒子。みんなを主人公にしてあげることが大事です。
20代の営業のときは自分のことだけ考えていましたが、今は人のために何かしたいという気持ちが強いです。それをどういう形であらわすのかは人によって違うので、地域へのボランティア、母親として、仕事、何でもいいと思います。私の場合は、仕事として相手のためにするのが一番フィットしますね。やっぱり仕事が大好きなんです!
4.効率よく、楽しく、働く秘訣とは?
ー高野:ここでキャリアカウンセラーである高橋さんにお聞きしたいのですが、読者の働く女性の皆さんが簡単にできる自己分析の方法を教えて頂けますか?
ー高橋:そうですね…「自分がどんなときにがっかりするか、どんなときに楽しいかを細かく考えてみること」ですね。
何となくではなく、細かくというのがポイントです。仲間がいない時なのか、いる時なのか?お金が無いときなのか、ある時なのか…。
細かく考えてみることで、自分の気持ちがどんなときにどのように動くかの変化が分かり、共通点が見えてきます。「では、そうなるのは何故なんだろう」とまた掘り下げてみる。これを繰り返していくと、自分の考え方の癖や行動パターンがわかり、楽になると思います。
ー高野:早速やってみます!ただ、1人で自問自答するのも難しそうですが、いかがでしょうか?
ー高橋:1人で自問自答するのが得意な方もいれば、1人でやるのは難しいという方もおられます。特に辛いことについては自己防衛が働くので、1人で掘り下げてもなかなか出てこないことが多いですね。ですので、やり方としては、
1.自分の中で考えを巡らす
2.人に話し
3.書いてみる
の3パターンをおすすめしています。
親しい人に話すのが良いのか、全く知らない人に話すのがいいのか、書くのがいいのか…個人差があるので、実際に試してみて、自分にはどのやり方が向いているかを見つけられるといいですね。
ー高野:なるほど…自己理解は、生きていく限り一生のテーマですね。
ー高橋:はい。私たちは日々変わりますし、上書きしていかないといかなければなりません。不安も、達成感も、何によって嬉しさや喜びを感じるかも変わります。変わらない前提で行くと、変わることを怖く感じてしまいますが、逆に「変わることが当たり前」という前提でいると、気持ちが楽になり、前に進みやすくなりますよね。
ー高野:変わることが自然。また成長の感じ方についても、20代と30代では大きく変わった気がします。
ー高橋:そうですよね。今の私は「新しい仕事をしたい。でも時間も限られているし増やし続けることはできない。その取捨選択を自分でコントロールできていればOK!」という風に考えて動いています。仕事の種類が増えて成長を感じる一方で、物理的に考えると削らざるを得ない仕事も出てきます。それを意識して、「これはできる、これはできない」と、自分の意思で決められている時は、しっかり成長していると感じますね。
ー高野:おぉ…なるほど!高橋さんのように、新しい仕事にチャレンジしつつ、取捨選択しつつ、効率良く楽しく働くには、何が大切だと思われますか?
ー高橋:「いかに労働時間を短くして、単価をあげられるか」を考えることですね。私は家が大好きで、できればずっと家にいたいくらい家の居心地がいいんです(笑)ただ、家にいる時間を一定時間確保しながらも仕事をするためには、仕組みを作らないといけません。
実は最近、企画のお仕事を頂くことがとても多いんです。戦略を練ったり企画を作ることは、どの企業やチームでも大切なことですが、苦手だと感じる人が多い領域でもあります。私は、企画系が得意で好きなので、この強みを活かすことで、結果的に単価の高い仕事を頂けるようになりました。
大好きな企画のお仕事をして、お金を頂けて、ありがとうと喜ばれて、家で仕事ができて…本当に幸せなことです。また一方で、現場のカウンセリングの仕事も大好きです。どちらの仕事もあるから、飽き性の私でも、楽しくお仕事を続けていられるんだと思います。
逆に「最近のらへんなー」と感じた時は、自分が力を発揮できる仕事をしてないからだということですね。
ー高野:なるほど…自分の好きなこと、得意なことが、周囲から求められていることと一致している状態を私も作っていきたいです。また高橋さんは、女性のキャリア支援や企業のコンサルティングをされていますが、最近の女性活躍についてのお考えを教えて頂けますか?
ー高橋:女性活躍推進法が施行され、制度を整えようとする企業が増えてきました。ただ、それだけでは不十分です。本来はまず「能力開発」から始めることが大切。制度を整えても、実際に力を発揮できる場や成長できる機会が無ければ、何も変わりません。
また、女性には、インポスター症候群(詐欺師症候群)の方が多いと言われています。何かを達成した時、その理由を男性に聞くと、男性は「自分が頑張ったから」と答える人が多い。一方で女性は「運が良かったし、周りのおかげだ」と答える人が多い傾向にあります。「自分にはそんな能力は無いし、達成できたのは運が良かったから。いつか自分の能力が無いことがばれるんじゃないかとビクビクしてしまう」というのが、インポスター症候群です。
ですから、この傾向が強い女性には「あなたがやってきたことは、あなたの力ですよ」としかり伝えてあげる必要がありますよね。
これからも、企業側の気持ちと女性側の気持ちの両方を知っている私だからこそ、その間を繋いでうまく橋渡ししていきたいと考えています。
ー高野:ありがとうございます!では最後に、高橋さんの今後の展望を教えて頂けますか?
ー高橋:奈良県の企業を紹介するネットワークを作りたいと考えています。私は奈良県在住で奈良が大好きなのですが、「娘達が奈良で就職したいと思った時、ピンとくる会社がない」ということに気づきました。
「これは解決しないといけない!」と意識するようになってから、奈良の経営者の方との出逢いがどんどん増えて、構想が具体化してきています。
こういった活動を通じて「奈良県で、キャリアと言えば、MNキャリアの高橋さんだよね!」と言われる存在になっていきたいですね!
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仕事ができる大人の女性は、いつも余裕があって、心が安定していて、器が大きくて、あたたかい。高橋さんはまさに、そんな女性です。相手を包み込む母性と、チャンスを必ず掴み取る男前な部分をどちらも持っておられて、お会いする度にどんどん活躍の場を広げておられます。高橋さんのお話には、「好き」を大切に、短い時間で効率よく、楽しく働きたい私たち働く女性にとっての気づきがたくさん!これからの高橋さんの変化と活躍から、目が離せません!