だてにはげてない対談−巻き込み力の達人浅野千賀子さんにみる周囲から応援される生き方


Chapter3.プライベートの私

3-1:育児と仕事の両立

ー両親から教わったことは、自分の育児にも影響している?
浅野:影響していますね。私は両親が共働きの家庭で育ったので、子どもながらに「私もお父さんとお母さんに協力したい」と思っていました。子どもは、子どもなりにそういった気持をしっかり持っているもの。ですから、例えば朝急いでいる時子どもに「遅刻するから早くして!」と言うのではなく、「ママは仕事に行かないといけないから、協力してもらえたら嬉しいな」という風に伝えています。すると子どもも「うん!ママに協力したいから早くする!」と素直に行動してくれます。忙しい時は、つい乱暴な言葉を使ってしまいがちですが、表現ひとつ、伝え方ひとつで大きく変わるので、言い方については常に意識するようにしています。
お陰様で今、子どもたちは、私たち両親が働いていることが本当に嬉しいみたいです。以前子どもと言い争いになった時、少し意地悪なことを言ってみたことがありました。「わかった。お兄ちゃんのこと見てないというなら、これからはママが仕事をやめて、専業主婦になるよ」と。すると息子は急に背筋を伸ばして「いや、ママは仕事やめないで!ママが働いているのはいいことだから、僕は頑張る!」と言ってくれました(笑)

杉浦:お子さん、大変素直で素晴らしいですね。きっとお子さんの自立もはやいでしょうね。

浅野:そうだと嬉しいですね。娘も「ママが頑張って働いているから、私も頑張る」とよく言ってくれます。子どもはしっかり見ているんですね。働いていることで一緒にいる時間は短いですが、その短い時間で子どもたちとしっかり接したいと常に思っています。また、パパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃん、常に誰かが子どもの側にいる状態にして、子どもに寂しさを感じさせないようにはしているつもりです。

ーうちはママっ子過ぎて頭を悩ませ中…
浅野:お母さんが働いていると、ママっ子になってしまうこともありますよね。私の場合は、夫と協力して子育てができるように、子どもがママっ子にならないように工夫はしてきたつもりです。今は日曜日は夫が朝ごはんを作ってくれたり、学童のお弁当、自分のお弁当、保育園の遠足のお弁当まで、全部夫が作ってくれています。また抱っこ癖もつけないことも意識していましたね。ママっ子になるとパパが見ていて可哀想になりますよね…(笑)

3-2:夫との家事分担

ーどのようにして旦那様が弁当づくりを?
浅野:私はご飯を作るのは嫌いではないのですが…お弁当作りが苦手です。そこで、子どもが生まれた時からずっと「お弁当は、パパ担当で作ってほしいなぁ」「小学校に行ったら、お弁当はパパが作ってくれるかなぁ」と、ずーっと口に出して言っていました。すると子どもが小学校になる前に、夫がお弁当作りの本を買って勉強するようになり、今ではしっかりお弁当を作ってくれるようになりました。そして、これがまたとても美味しいんですよ。娘も園に行くと「パパがお弁当作ってくれてるんだよ!」と周りによく言っているようなので、先生や友達から「●●ちゃんのパパってすごいね!羨ましい!」と言われることも多く、夫のモチベーションにも繋がっているようですね。
その分、私も夫には感謝の気持ちを日々伝えるように意識しています。毎日仕事で疲れている中、日曜日は子どもといっぱい遊んでくれるので、私は晩ご飯をしっかり作るようにしたり、平日はママ担当で頑張ったりと、自分なりにできることはしようと思っています。

杉浦:夫婦で役割分担がうまくできているんですね!

浅野:はい。お互いに苦手なことをやり続けるとストレスが溜まってしまいますし、逆に苦手なことを相手がしてくれると感謝の気持ちが倍増しますよね。以前、妊娠中でお腹が大きい時にお風呂掃除をしていた時、お腹が重すぎてバスタブに転げ落ちそうになったことがありました。それからはお風呂掃除は夫にお願いしています。また義理の両親の家が駅前にあり、出勤時に実家の駐車スペースを借りさせてもらっているので、出社するときは「おはようございます」や帰宅時には「ただいま」と必ず挨拶をしてコミュニケーションをとるようにしています。

杉浦:すばらしい!

浅野:おかげさまで、夫が自分の両親に伝えると喧嘩になることでも、私が伝えることで聞いてもらえることも増えてきました(笑)実は、以前は私が子どもを保育園に預けて働くことについて、義理の両親は反対していました。昔の保育園のイメージがあまり良くなかったようなんですね。そこで「一度保育園に行ってみて、もしも息子にとって良くないと思ったら私は仕事をやめるので、一度やらせてください」と両親に伝えて納得してもらいました。
そして、一緒に送り迎えに行ったりしているうちに、保育園の先生がとても良い方々であることが分かり、また子どもが笑顔で楽しんでいる姿を肌で感じてもらうことができ、義理の両親も安心したようです。それ以来一度も、働くことを反対されたことはありません。相手に理解をしてもらうという行動は本当に大切だと思っています。

3-3:今後の目標

ーこれからやっていきたいことは?
浅野:以前、高野さんから紹介頂き、ある企業の女性社員さんに向けて講演をさせて頂いたことがありました。自分の経験をお伝えすることが、働く女性の皆さんに少しでもお役に立てたということが、大変嬉しかったです。ですので現在は、通常の仕事をしっかり行うことはもちろんですが、ライフワークとして働く女性を応援する活動もはじめていけたらいいなと思っています。これからますます頑張ります!

ー働く女性に伝えたいメッセージは?
女性は働きながらも、妻となり母となっても、社会と企業に必要とされる存在に誰もがなれると思っています。女性だから出来る対応の必要性を「自分の強み」に出来た時、誰もが楽しく仕事ができるのではないでしょうか。女性の「笑顔」は、企業のチカラとなります。前向きな発想と行動をこれからも起こして、女性らしく凛としたビジネスライフを過ごしていきましょう‼

【インタビュワー所感】
浅野さんの印象は、「巻き込み力の達人」。言い方ひとつ、伝え方ひとつを意識され、周りの皆さんが気持よく応援したくなり、快くサポートしたくなる状況を自ら作っておられます。浅野さんの素敵な笑顔と気さくなお人柄に、みなが一瞬のうちに「浅野ファン」になってしまうことも納得です。私も、浅野さんのような素敵な女性に、母に、なっていきたいと思いました。浅野さん、ありがとうございました!

【浅野千賀子さんプロフィール】
お名前:浅野千賀子(40)勤務先:株式会社エムズプランニング
短大卒業後、大手銀行に入行。休日を活用してウェディングプランナー養成スクールで勉強を続けた後、ブライダル会社に転職。その後は、不動産を勉強するべく不動産管理会社で5年半勤め、娘が2歳になったことを機に、最後にしたかった営業職を求めて現職へ。プライベートでは2人の子どもを持つ母として、仕事に育児に奮闘している。(年齢、プロフィールはインタビュー当時のもの)

作成日:2018年2月25日
インタビュー/ライティング:高野美菜子

浅野千賀子さんが働くエムズプランニングは、スーパーや飲食店のフランチャイズ本部システムサポートと加盟店開発、業務スーパーさんの新規出店などを行っておられます。お仕事を頼みたい方は下記からお問合わせ下さい。

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