だてにはげてない対談−世界で活躍するビジネスコーチ・木村元子さん


Chapter3.自分探しとコーチングとの出逢い

3-1:このままではダメだという想い

ー木村さんは、CA時代から「人の育成」に興味がおありだった?
木村:前職での勤務の後半は、「新人教育」や「国内線から国際線に移行して来るスタッフへの教育」に携わっていました。その時に、「人が動く」「人が成長する」ということに興味を持ち始めました。ただ次第に、これ以上この会社にいてはいけないと思うようになっていったんです。当時「人が腐るときは見えない根っこから腐るんだよ。それに本人は気づいていないんだよ。」と教わったことがあり、とても怖くなりました。このまま「上の言うことは絶対、こんな大きな会社は所詮変わらない」と諦めて働き続けたら、自分が腐りきってしまうと思いました。

杉浦:久しぶりにお会いした方で「あれ?この人、以前はこんなこと言う人じゃなかったのにな」と思うことがたまにあります。現場に行かなくなり、チャレンジしなくなった時、人間は一気に変わってしまうものですね。

木村:そうですね。でも会社を辞めてから、気づきました。「私はすごいところにいたんだな。1人で出来ることって本当に少ないのだな」と。企業に属して、仲間がいるというのは、決して当たり前ではなく実はすごいことです。会社の看板や信頼の土台の上で仕事ができていたこと、お給料が毎月決まった日に振り込まれること、何かしよう!と言えばみんなで一致団結して取り組めること…全てのことが「当たり前ではなかった」と気付きました。
もし私が勤めている時に「会社や組織とは何か」がもっと分かっていれば、全く違う気持ちで働いていたように思います。私が何故今、「企業」と「経営者の方」に対してお仕事をさせて頂いているかというと、「企業が良くなれば、日本が良くなる」と信じているから。また、私は前職で仕事を通して成長させてもらい、仕事に磨いてもらったので、これからも「仕事」という部分に自分が関わっていきたいと思っています。

ー杉浦さんも独立して初めてわかったことあった?
杉浦:そうですね。自分の努力だけではなく、周りが引き上げて下さった部分が大きかったと気づきましたね。僕の場合は、仕事のスタンスの土台はキーエンスで培われましたが、その上で様々な職場でお仕事をさせて頂き、どの環境でも得難い経験ができました。

3-2:コーチングに出逢うまで

ー木村さんがコーチングに出会ったのはいつ?
木村:前職を退職してからです。女性は人生に迷ったとき占いに行く方が多いと思うのですが、私も例に漏れず占いに行ってみました(笑)ただそこで「あなたはこうだよ」と言われても、それによって自分の心は動かなかった。「やっぱり答えは自分の中にあるんだろうな」と思っていたある日、日経新聞を読んでいると、コーチングの記事が目に飛び込んできました。そこにはなんと「答えは自分の中にある」と書いてあって!そのフレーズにビビッときて、コーチングを勉強したいと思うようになりました。前職でも「人が何によって動かされ、成長するのか」という部分には興味がありましたが、コーチングについては、まずは自分を理解したいという思いの方が強かったですね。本当に自分がしたいことは何なのだろうと。

ー人はどんなタイミングで変わると思う?
木村:私は、コーチングが皆さんに機能するかといえばそうではないと思います。やはり本人が「変わりたい」という思いを持ち、自分に正直になることが第一です。

杉浦:そうですよね、本人の中に欲求がないと変わらないと思います。また人には、精神的に深く潜っていく時期があると思いますが、その時にいい方向にスイッチが入ると、人生は好転していくように思います。逆に、違う方向に行くとどんどん逸れてしまいますよね。

木村:ぐ〜と潜って行く時に、「誰と出逢うか」がものすごく大事ですね。

ーその時の自分が誰と出逢うかは、必然だと思う?
杉浦:僕が思うになので「これが正解!」ということではありませんが、「出逢いはご先祖さんが引き寄せてくれている」ように感じます。僕は月に1回はご先祖さんのお墓に報告に行くようにしていますが、行くようになってから流れが変わった気がします。

木村うまくいっている方は、表向きに「僕は先祖を大切にしている」とはあえて言われませんが、ご先祖を大切にされている方が多いですよね。お墓参りは、何かきっかけがあってのことですか?

杉浦:いえ、大きなきっかけがあったわけではないのですが、若い頃に働いていた職場から車で5分のところにお墓があったので、一度行ってみたんですね。「こんなに近所にお墓があるなら、行かない手は無いなぁ」と思い、そこから習慣化するようになりました。

木村:素晴らしい!私は、人が引き合うのは、エネルギーの周波数が全てだと思っています。良い人の周りには、素敵な人がたくさんおられる。だから私は、自分のエネルギーを常に綺麗にしておこうと常々意識していますし、今自分の周りにどんな方がいるかが、自分自身がこれでOKかどうかのバロメーターになるんです。

杉浦:本当にそのとおりだと思います!だてはげはこれからも木村さんを微力ながら応援させて頂きます!

【インタビュワー所感】
事前に木村さんの経歴を拝見し「すごい方だな…」と怖気づいていた私ですが、お会いした瞬間木村ファンになってしまいました。穏やかな空気と、凛とした美しさと、全てを包み込む優しさ。「木村さんのような素敵な働く女性になりたい!」と、終始思い続けたインタビューでした。どんな苦労も、つらい経験も、全てご自身の魅力にして進み続けておられる木村さん。これからのご活躍からも、目が離せません!

【木村元子(きむらもとこ)さんプロフィール】
お名前:木村元子(48)勤務先:オフィスブリエ
日本航空株式会社、国際線客室乗務員として15年間乗務。在職中は新入社員訓練の指導、CSプロジェクト、増収プロジェクトなど乗務以外の戦略部門業務も担当し、乗務員の指導や日本航空の接遇講師として数多く講演を行う。現在は人材教育コンサルティング『オフィス ブリエ』代表。
企業ではマネージャーや幹部を中心にリーダーシップ研修やストレングスファインダー研修、ダイバーシティ研修等を行う。ホテル、病院、大学、医療従事者にはコーチングコミュニケーション研修の講師として指導を行う。
2010年より世界No1コーチ・アンソニーロビンズに師事し、人を動かす究極のパワーを学び、心理学、NLP(潜在能力開発)を進化させたNACコーチングをベースに企業経営者、エグゼクティブを中心にパーソナルコーチングを展開している。クライアントが持つ才能を見極め、自分らしい在り方、潜在能力を引き出すことを得意としビジネスだけでなく、人間関係、お金、恋愛、自己実現など、どんな問題も障害を乗り越え、望む未来を自分で創造する力を手に入れるサポートを行っている。日本に5人しかいないアンソニーロビンズが認めたシニアリーダーでもある。(年齢、プロフィールはインタビュー当時のもの)

作成日:2016年9月5日
インタビュー/ライティング:高野美菜子

木村元子さんは、経営者の方やエグゼクティブの方に対する個別コーチング、企業の人材育成コンサルティングを行っておられます。木村さんにお仕事を頼みたい方は下記からお問合わせ下さい。

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