ワーママ営業としての決意−ワコールキャリアサービス山口恵美さんが語る女性が長くキャリアを繋ぐコツ


皆さんこんにちは。Woo!編集長の高野(こうの)美菜子です。本日インタビューさせて頂いた素敵な女性は、現在、2人目のお子さんの育休中で、とても充実したワーママライフを送っておられる山口恵美さん。努力家で、いつもシンプルに考え、変化を柔軟に受け入れて 進んでいかれる姿勢には、ワーママだけに関わらず働く女性にとってもヒントがたくさん。本日はそんな山口さんにお話を伺いました。

Chapter1.学生の頃から新入社員時代まで

1-1:就活ー若手時代

ー新卒で入社した会社はどのように選んだの?
小さい頃から「将来はバリバリ働きたい」と思っていたので、総合職を中心に就職活動をしました。いくつかの企業に内定を頂いたのですが、結果的に旅行会社に就職することを決めました。理由は「旅行が好きだから」という単純なものでしたね。

ー入社後はどのようなお仕事を?
入社後は営業に配属になり、大変鍛えられました。私が配属されたのは、大きな数字を担っている支店だったので営業担当が扱う額も大きく、その分上司は厳しかったですね。新人はテレアポや飛び込み営業を行う、ゼロからお客様を開拓していくのですが、ビルの上から下まで飛び込み営業する日もざらにありました。ただ、営業に配属になり3ヶ月間は全く成果が出ず…。
毎日上司に日報で数字や現状の報告をするのですが、その度に「この見込みで達成できるのか?」 「この商談はなぜうまくいかなかったのか、今後どうするのか?」とつめられかなり怖かったです(笑)当時は大変でしたが、先輩も数字にコミットする方ばかりで、今思えばそこで 「数字の意識」を叩きこんでもらえたのだと思います。

ー辛くて辞めたいとは思わなかった?
今のようにSNSでみんなが繋がっていて情報を得る時代ではなかったので、「辞める」「転職する」という概念が当時の自分には全くありませんでした。また、私はその支店の新規担当営業としては女性初で、周りは「女性に営業なんて、ろく数字も作れないだろう」とあまり期待していなかったんです。それがとても悔しくて…そのことが「今に見てろよ」と頑張る原動力になりました。「とにかくこの状況で頑張らねば」と思い、必死で働いていた結果、1年後、年間目標を達成することができました。そして「女性でも成果が作れる」と社内の認識が変わり、それ以来会社は継続して女性営業を採用するようになっていきました。

1-2:ー仕事と家庭の両立ができる環境を求めて

ーその時はこの会社でずっと働こうと思っていた?
私は以前から「役職についてどんどん上を目指したい!」というよりも「長く働き続けたい」と考えていました。そういった点で、当時の会社では「子どもを産んで復帰し働き続けるイメージが沸かない」と思うようになりました。今思えば、時代が変わり「女性活躍」の機運が高まってきたので、その会社で働き続けていても道はできていたかなと思ったり…でも当時はこんな世の中になるとは想像もできなかったので、3年で転職しました。

ーどういう軸で転職活動を?
営業が好きだったことと、私には営業は向いているのではないかという前職の経験、また 「どんな業種に行っても営業として通用する人になりたい」という思いから、営業職で探し始めました。加えて女性も長く働き続けられそうな会社を探して転職活動した結果、現在の会社との御縁を頂き、入社を決意。転職先は「人材系」だったので、「旅行業界」とは全く違い戸惑いはありましたが、どんな業種に行っても「営業」として通用する人になるんだという気持ちがあったので、成果を出すことに集中して頑張ることができましたね。

→育児と仕事の両立はいかに?…

Chapter2.育児と仕事の両立が始まって

2-1:現在の会社に入社して

ー結婚や出産はいつごろのこと?
30歳で結婚し、32歳で出産しました。「4月に出産したら、1年育休をとって0歳児で保育園に預けられるから復帰しやすいかな」と計画し考えた結果、運良くその通りに妊娠することが出来ました。社内には、育休から復帰した内勤の先輩がいらっしゃったので「育休から復帰して働く」イメージはありましたが、営業で復帰した方がおられなかったんですね。
だから、自分が営業として復帰するリアルなイメージはあまり湧いていませんでした。それでも営業で復帰する気持ちは変わらなかった。それは、純粋に営業の仕事が好きだから。周囲が「山口さんは、当然営業で復帰するんでしょ?」という雰囲気だったというのもありますが…(笑)ただ「果たしてこの先どうなるか」は未知数のままですし、出産前まで全力で仕事して作ってきた数字を、復帰後は果たしてどの程度作っていけるのかなど、不安でいっぱいでしたね。

ー産休育休中はどのように過ごした?
出産し育休に入りましたが、育休中は、うつになりそうでした(笑)働いていた時は、営業で成果が出れば、周囲からも評価して頂きましたし、達成感もありました。またお客様や周囲の役に立つ喜びをリアルに実感できていましたが、育児は違います。1日が自分の思い通りに進まず、子どもが泣けばそちらが優先になり、毎日達成感なんてものはない。また夫がはやく帰宅する職種ではなかったので、1日中子どもと二人だけという閉塞感。この生活がずっと続くのかと思うと、辛くてたまらなくなり、1日もはやく復帰したいと思っていました。

2-2:ー育休から復帰して働き方が大きく変化

ーいつ頃復帰したの?
保育園が運良く見つかり、1年後に復帰しました。復帰後1ヶ月は私も手探りで、仕事モードへの切り替えにも時間がかかりました。その間はきっと戦力になっていなかったのでは…(笑)また、新設された部署に営業として復帰したので、「0」から業務を覚える大変さもありました。
ただそれより何より今までとの大きな違いは「残業もできないし、休日出勤でもできない」こと。どうしたものかと考え「今までのやり方に固執しても仕方ないし、長時間働けないことを嘆いても仕方ない。それなら、過去の自分のやり方は捨てよう!」とその時覚悟しました。それ以来、限られた時間で、短時間で成果を出すにはどうすれば良いかを必死で考えるようになりました。

ー例えばどんな工夫をしたの?
2点あげるとすると、まず営業の資料を以前よりしっかり作りこむようになりました。資料を作りこめば、たとえ一回の面会で自分の説明が足りなかったとしても、帰った後に資料が私の代わりに説明を補ってくれる。2点目は、シミュレーションすることです。「プランBを常に用意しておく」というイメージでしょうか。シミュレーションをする中で、「もしこうなった場合は、こう対応しよう」というリスクヘッジをするようになりました。
例えば、クライアントのニーズにはAの提案がベストだと思っても、提案が通らない時を見越して別の案を用意し、成果がゼロにならないようにするなどですね。もちろん、すぐにできるようになったわけではなく、試行錯誤の繰り返しで少しずつやり方がわかってきました。シミュレーションに関しては、育児しているしていないに関わらず、本当に大事なことだと今実感しています。

→女性が長くキャリアを築くために大切なことは?…


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