「専業主婦から社長へ」−GRiP’S山川紀子社長の人の強みを見つけて伸ばすリーダーシップ。


Chapter2.これまでの私

2-1:学生時代-就職

ー学生時代から社長を目指していたの?
学生時代から社長になりたいと思っていたわけでは全くありませんでした。大学生の頃は、特に積極的に勉強したり何かの活動をしていたわけでもなく、大学を卒業し、百貨店につとめて接客業を経験しました。当時は百貨店も好景気で、様々なお仕事を経験させていただきましたが、3〜4年で退職。その後「はやく実家を出たい」という気持ちがあったので、お見合いがきっかけで現会長と結婚をしました。結婚後は3人の子どもを出産し、育児中心、専業主婦になりました。子どもには「自分の人生を生きてほしい」という思いで育ててきました。

2-2:最初の転機

ーなぜ今の会社に入社することに?
もともとは専業主婦でしたが、当時社長だった夫から「仕事を手伝ってくれないか」と言われました。その頃は、「会社にいけば夫と長くいられるなー」と、そんな軽い気持ちで始めたのが正直なところ。時短勤務で働いていたのですが、今考えると、子育ても一段落してそろそろ社会との関わりを持ちたいと思っていたのかもしれません。ただ最初は軽い気持ちで勤務をするようになったとはいえ、次第に会社の課題が見えてくるようになりました。実は当社は最初は自動車電話を扱う事業をしていたんです。
その後ドコモさんと取引をはじめて、携帯市場が急成長するようになり、その頃私は総務部長として、裏方の仕事を全て任されるようになっていました。事業拡大のため、人も増えていっていたので、人材育成の必要性も痛感し、一つ一つ改善をしていきました。私は性格的には「現状に満足せず、より良い環境を目指す性格」なのですが、「自分を知り、役割として活かし、組織をより良くする仕事」に夢中になっていきました。

ー専業主婦から時短勤務を経て社長。社長って正直大変そう…
社長に限らず、どんな役職でも大変ですよ。社長としては「社員一人一人をどう活かすか」についてこだわっています。特に、一人一人の強みを活かすことに焦点を当てていて、当社では社員全員がストレングスファインダーテストを受けています。これは自分の強みを知るためのツールで、強みを活かして仕事をすることは自信にも繋がり、個々人の成長、そして組織への貢献にも繋がります。私はストレングスコーチという資格を持っているので、それを活かして一人一人の強みを理解した上で、どのような環境を整えれば、その社員が最大限の力を発揮できるのかを考えています。
逆に弱みについてはあまり重要視していませんね。弱みは自分の強みでカバーすればよいと思っています。それに、他の社員とコミュニケーションをとって力を借り、補完することも重要だと考えています。

2-3:さらなる転機

ー会社の社名を変えたのはなぜ?
数年前に設立20周年を機に社名を変更しましたが、それは、社員のみんなに自分たちで立ち、自分たちで歩いていることを自覚してほしかったから。以前の社名は株式会社ヤマカワでしたが、「株式会社ヤマカワ」のままでは、どうしても私たちに依存しているという印象があるように感じました。そこで、リーダークラスをメンバーにしたミッション委員会を立ち上げ、株式会社GRiP’Sという社名に変更しました。この社名変更に合わせて会社の軸となるものも、新たに作り直しましたが、それらも全て社員みんなで考えたんです。
自分たち(会社)の強みは何か、自分たち(会社)が求められていることは何か、自分たち(会社)の使命は何かをひたすら1年間考え続けました。最初は全く意見が出てこなかったのですが、自分たちの当たり前が強みだと気づいてからはたくさん見つけ出すことができました。店舗の広さや、チームワークがあること、それぞれの強みを知っていることなどがあげられます。
ミッションを明確にしたことで採用では、当社のミッションを理解する人が入社してくれるようになりました。また入社後もミッションを基に、様々なことを考え行動することを心がけていますので、ブレないですね。

ー自分たちの使命を知った上で、これからの時代に必要なものは何?
コミュニケーション力だと思います。自分が何を話すかではなく、本当に相手に伝わっているのかどうか確認することもコミュニケーションにおいて重要ですよね。今、様々な職業がAIに取って代わられるのではないかとも言われていますが、まだAIには、自分の目の前にいる相手が本当に何を求めているのか、どうすれば喜んで頂けるのかといった心の通ったコミュニケーションは難しいと思います。
私たちも普段からお客様と温かい交流を心がけていて、せっかく私たちの店舗を選んでお客様は来てくださっているのだから、何かいい思いをして帰ってもらいたいと考えています。ただそれには、日頃からチームや店舗で上手くコミュニケーションがとれているかどうかも、重要なポイントだと思います。

→山川社長が描く未来とは?


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