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30代の管理職女性に編集長が突撃取材!〜笠嶋彩子さん〜

“女性初の執行役員”と聞くと身構える方も多いかもしれませんが、実際は柔らかくて、くったくのない笑顔がまぶしい素敵な働く女性である笠嶋彩子さん。部下から慕われ、チームワークが向上するのも納得です。女性管理職が持つ部下育成の悩みをどうすれば解決でき、楽しく仕事ができるのか、そのコツを今回お聞きしてみました。

1.入社のきっかけは「今、暇?」と言われて。

私はもとから「役職になろう!」なんて全く思っておらず、入社のきっかけも、大学の先輩で現在の社長でもある河原から「今暇?」と誘われたことです。一旦働いて、また次の就職先を見つければいいかなーと思い、最初は軽い気持ちで入社しました。

それがまさか、こんなことになろうとは…。
もともと私は3人姉妹の真ん中という生まれながらの中間管理職なので、今の立場でも特に違和感なく仕事ができているのは、そのせいかもしれません(笑)

実はある時「そろそろ私、部下を持った方が良いですかね…?」と自分から上司にちらっと聞いてみたことがあります。仕事自体は面白かったのですが、当時は一人親方のように個人で仕事をする形でした。

チームで一緒に喜びを共有したり、目標に向かってみなで団結して進んでいるのをそばで見ながら、純粋に「私もチームで仕事がしたい!」と思うようになりました

あとから聞いた話によると、「いつの間にか役職戦法」という上司の育成手法にきれーいに乗っていたらしいですが(笑)

そういう意味では、キャリアアップのことに限らなくても、部下から上司に話しかけたり聞きに行くことはとても大事ですよね。

昔から分からないことや気になることがあれば、しつこく上司に相談や質問に行きました。「またかよー」と思われているだろうと感じたこともありますが、そこは優等生になろうとせず、「すみません!わからないんで・・・!」と遠慮せずつっこんでいましたね。

2.チーム力向上の秘訣その1.メンバーの性格・環境を理解する。

部署を任されてから、チームでみんながやる気を出して働けるように私が心がけていることの1つ目は、自分も含めて「メンバーの性格・環境を理解する」ことです。もともと一人親方だったところから役職についたので、これにはなかなか苦労しました。
特に環境の部分では、正論を振りかざしがちな独身の実家ぬくぬく女子だった当時の私では、想像つかないリアルがありました(笑)

勤続6年目までひとりだったところに、急に3名のチームになり最初は1日の業務を全うするだけでもあたふた。みんなのリズムもバラバラなので、進行はギリギリ、みんなでドタバタなスタートでしたね。

その中で、自分の頼りない部分などはメンバーがしっかりサポートしてくれるようになり、自分ができないことは、積極的に周りに頼ることや、自分も含め部下の強みを把握した上で、任せていくことがどれだけ大切かを知りました。現在は5名(1名育休中)のチームですが、お互いに理解し合って信頼関係を築いています。

今でも、朝礼や終礼、チャットを使ったコミュニケーションなどを大事にしています。
日々の小さなやりとりで個々の気持ちもよくわかりますし、相談しやすい空気を持つことは業務進行上とても大切だと思います。

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3.チーム力向上の秘訣その2.「スタッフ個人の希望と会社の希望の上手い落とし所」を考える。

2つ目は、「個人と会社のベストな落とし所を考える」です。役職についてからはいろいろな判断をすることが多くなったので、視点が変わり、物事の解決方法が変わりました。

どこが変わったかというと、スタッフ個人(わたし)の希望と、会社(みんな)の希望の上手い落とし所を考えるようになったところです。最初はその判断を間違え、スタッフに迷惑をかけることもありましたが、このバランス無くしてはチームが軌道に乗らずポジティブにならなかったはず。

ただ、小さな会社なので個々の努力は求められますが、「今いるスタッフの幸せが一番で、その結果会社が成長する」という軸で行くと、良いサイクルになると思います。

これから子育てや介護などと仕事を両立していくスタッフも多くなりますし、
直近では育休から復帰を予定しているスタッフもいるので、
ポジティブに仕事にも他のことにも向き合ってもらえるような業務の仕方なども考えていきたいです。

4.チーム力向上の秘訣その3.家族に応援される。

さらには「スタッフの家族(特に子供たち、配偶者)にもスタッフがアーキテクトタイタンで働いていることを理解してもらえるようにしたい」と考えるようになりました。

企画・デザイン業は勤務もハードですし実際何をしているのか目にみえにくい仕事だと思うので、家族に理解してもらって、応援してもらえれば、きっとスタッフももっと安心して働けると思ったからです。

そこで、家族の参加を募ってレクレーションを企画しました。取引先の新潟にある農業法人さんのところに泊まりがけで田植え・稲刈り体験をかれこれ3年続けています。きっかけは取引先からのお誘いと、スタッフが何気なく「子供たちに稲を触らせたい!」という一言から始まったのですが、子供たちは大変喜んでくれているみたいですし、大人同士も皆で温泉に入ったり、食事を共にして交流を深められていると思います。

今では、以前より自分の肩の力が抜け全体を見られるようになり、むしろ「役職の仕事は面白い!」と思えるようになりました。

ハンサムWoo!manプロフィール

有限会社アーキテクトタイタン(企画・デザイン業)
執行役員 笠嶋 彩子(かさしま あやこ)さん。

大学卒業後、一旦はフリーランスとして働き、有限会社アーキテクトタイタンに入社。入社以降は、大手企業のWEB制作開発や、店舗の企画設計など幅広い仕事に携わる。2010年に課長に就任し、2014年より現職。

笠嶋さんが働く有限会社アーキテクトタイタンのサイトはこちら