Woo!(ウー)

未来経営的ワーク・ライフ・バランスセミナーレポート@大阪

働く女性の皆さんこんにちは。2月9日(火)、『NPO法人同志社大学産官学連携支援ネットワーク』の未来経営塾セミナー「未来経営的ワーク・ライフ・バランス」に参加してまいりました。学術的に研究されていることやデータをもとに、企業の現状と照らし合わせた内容は説得力がありとても勉強になりました。やはり情報を常にインプットする、勉強するって本当に大切ですね。

1.同志社大学の中村艶子先生が今回の講師でした


今回講師を担当されたのは、
同志社大学グローバル・コミュニケーション学部 中村 艶子(なかむら つやこ)先生

==
同志社女子大学卒業後、ロータリー奨学生として米国モントレー国際大学院(Monterey Institute of International Studeies)へ留学(翻訳修士)。米国リゾートホテル管理職として勤務後、同志社大学アメリカ研究科(博士後期課程)にてアメリカ研究を専攻(社会学・女性動労)。会議通訳者、企業内翻訳者を経て2000年同志社大学入社。2009ー2010年フルブライト客員研究員(スタンド―ド大学およびハーバード大学社会学研究科)。専門は「にほんの女性労働とワーク・ライフ・バランス」。
==

華々しい経歴をお持ちで、グローバル・コミュニケーション学部というグローバルで凄そうな学部の大学教授の中村先生。ただ、経歴とは裏腹に、とても気さくで柔らかく、温かい雰囲気をお持ちの素敵な女性でした!

2.これからのワーク・ライフ・バランスは「未来経営的ワーク・ライフ・バランス」だ!


ワーク・ライフ・バランスという言葉の本当の意味を、皆さんはご存知でしょうか?

内閣府「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」については、

「仕事は、暮らしを支え、生きがいや喜びをもたらす。同時に、家事・育児、近隣との付き合いなどの生活も暮らしには欠かすことができないものであり、その充実があってこそ、人生の生きがい、喜びは倍増する。」

仕事もプラベートも充実させることで人生はより豊かになるという意味合いなのですが、最近では『ワークライフシナジー(仕事とプライベートの相乗効果)』ということもよく言われるようになってきました。

仕事とプライベートのバランスを無理に取ろうとするのではなく、プライベートでの経験や体験が、逆に仕事により良い効果をもたらす。
そして、プライベートもの経験や視点を仕事に活かして生産性高く働くことで、またプライベートを有効に活用することができる。

『ワーク・ライフ・バランス』という概念が日本に入ってきてからだいぶ時が経ち、「ワーク・ライフ・バランス」の意味合いが徐々に変わりつつあるんですね。

■第1ステージのワーク・ライフ・バランス=仕事と生活の調和(両立)
主に女性に対してのみ(仕事と育児の両立等)言われてきました。

■第2ステージワーク・ライフ・バランス=4Lの生活
・Work Life 職業生活
・Family Life 家庭生活
・PersonalLife 個人生活
・Sosial Life 社会生活
育児、介護、など、プライベートの変化やプライベートでの役割は男女ともに増えていく。だからこそ、仕事とプライベートをバランスよく協働することが大切である

*渡辺峻提唱

■第3ステージのワーク・ライフ・バランス=未来経営的ワーク・ライフ・バランス
・目標のみでなく、現状分析を伴う
・実現可能な計画や方策を伴う
・より現実的な生活面に即した内容である

このように、ワーク・ライフ・バランスの持つ意味も随分と変わってきたのですね。私は、第3ステージのワーク・ライフ・バランスが一番しっくりきました。

次のページ>>> では、未来経営的ワーク・ライフ・バランスを日本で進めていくには具体的に何が必要か?…

3.まずは意識改革から取り組んでいこう!


では具体的に、「未来経営的ワーク・ライフ・バランス」を日本で進めていくには何が必要なのでしょうか?セミナーでは、海外国内の豊富な事例を、中村先生が分かりやすく解説されました。その中でポイントとして挙げられていたのがやはり「意識改革」の部分。

日本の働き方の大きな課題は『(男性の)長時間労働』と言われていますが、「長時間働くk=評価が高い」風土が日本にはまだまだ根強いですね。また、「家事・育児は女性がするもの」という風土もまた根強く残っています。(女性が行う家事は、男性の3.5倍にものぼるそう!)

また男性が育休をとりたいと社内で提案しても
「じゃあおまえは昇格を諦めたんだな」
「仕事より家庭を優先するなんて何を考えているんだ?」と上司や同僚から言われてしまうので、男性が育休を取りづらい状況にあるのも事実です。

すると育児や家事は女性の役割になり、女性が育休から復帰しても、家事も育児も仕事も自分で抱え込まざるを得ず、最終的に仕事を退職してしまう女性が多い。

こうした負の連鎖をストップさせる鍵が「ワーク・ライフ・バランス」なのです。

さらに、北欧の女性活躍が進んでいる理由は、そもそも国の人口が少ないからだという指摘もありました。

「男性が働く、女性も働いて欲しいなんて悠長なことを言っている場合ではない。性別問わず国民みなが、働かなければならない!」という状況だからこそ、国策としてワーク・ライフ・バランスを推進してきました。日本もこれから北欧化せざるを得なくなるのは目に見えています。

いちはやく気づき、柔軟に変わっていく企業のみが、未来永劫生き残っていけるのだと感じました。

4.“ Out of your comfrot zone ”って知ってる?


もちろん、社会も会社も国も変わらなければなりませんが、「女性も変わらないといけない」という中村先生の言葉が印象的でした。

アメリカにセミナーに行くと、みながいう言葉があるといいます。それは、

“ Out of your comfrot zone ”

「居心地の良い状況から抜けだそう!」という意味です。

・私は補佐的な役割で十分だから。
・私は結婚したら仕事を辞めて家に入るから。

一昔前よりもそのように考える女性は減ってきたとは思います。またそういった道ももちろん素晴らしいのですが、せっかく大学までいって勉強して、教養を身につけて素地はあるのだから、一歩ずつ前に踏み出していこうよ!チャレンジしてみようよ!

そういう一人ひとりの女性の意識が世の中を変えていく。

「実はここが一番大きい」と中村先生はおっしゃっていました。

私も出産してから、自分の中で意識が大きく変わったと実感しています。現在娘は2歳なのですが、娘が社会人になる20年後には、今よりも女性が当たり前のように活躍できる世の中になっていてほしいと思います。

そのためにも、私もいち働く女性として、自分だけでなく後進の女性のためにも頑張ろう!と決意を新たにした1日でした。