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天職を見つけた働く女性に編集長が突撃取材!〜FAITH 小川由佳さん〜

働く女性の皆さんこんにちは。転職を重ねる度にステップアップされ、外資系企業のマネージャーも経験。現在は働く女性をサポートするコーチングや企業研修をされながらも一児の母である小川由佳さん。Woo!のネタリストとしても活躍中です。その華々しい経歴の裏には、働く女性がぶつかる壁を1つずつ乗り越えてこられた経験と、その中でも自分らしさを貫いてこられた軌跡がありました。

1.20代は、答えの出ない自分探しの道のりだった。

ー小川:小学生の頃。周りの友達は「保育士さんになりたい」っていう子が多かったんです。でも私は、当時ちっちゃい子が苦手で、自分が小学生なのに「中学の先生になりたい!」と言うような子どもでした。自分自身まだ子どもなのに…笑。

英語が好きだったので、大学は英文科に入学し、英米文学を学びました。大学時代に読んだ中で、今でも心に残る本があります。

それはアメリカのある小説だったのですが「物事をどう感じるかは、全て自分の捉え方次第」ということが描かれていました。起こった出来事は1つでも、人によって色々な捉え方があるという”発見”に感動し、その考え方にとても興味を持ちました。

今思えば、そのときの興味と、現在の『人の可能性をサポートするコーチや講師』という仕事は、ちゃんと繋がっている。若い頃は、「何をやりたいのか」頭で色々考え過ぎて答えが出せずに悩んだりましたが、結局自分の直感は嘘をつかない。心の奥底はちゃんとわかっているのだと常々思います。

ー高野:結局巡り巡って最初の答えに戻ってくること、私も多いです。直感は正しいことが多いですよね。そもそも大学卒業後の進路はどうやって決められたのですか?

ー小川:「中学の先生になりたい」と言っていましたが、大学在学中に教職免許を取ることにはあまり興味がありませんでした(笑)英文科で勉強した人は結構教職免許取る人が多いんですけどね…。
ですので私は普通に就職活動をしました。

「一生仕事したい!」という気持ちがあったので、結婚しても子どもを産んでも働き続けている女性が多かった日系のメーカーに就職しました。

ー高野:日系で、女性が結婚出産しても働き続けられるなんて、当時としては珍しいほうですよね。

ー小川:そうなんです。ですからとても惹かれました。希望通り海外営業部に配属されたのですが、実際に担当になったのは、海外の工場へ部品を供給したり、逆に、日本の工場へ部品を調達したりする、物流(ロジスティクス)関係の仕事でした。

居心地のいい職場でしたが、ただ少し物足りなさもありました。

「20代のうちに『自分はこれだ!』と言えるものを見つけたい、キャリアを積みたい」と思っていましたし、自分がどこまでいけるのかもっと試してみたかった。

そこで転職を決意し、外資系のメーカーに就職しました。前職の経験を活かし、その転職先では業務プロセスを作ったり、物流業務の立ち上げを担当しました。

ただやはり日系企業とは全然違いましたね。ある日突然上司がクビになっていなくなってしまうこともありました…!「外資系って本当にそんなことあるんだ!」と衝撃でしたね。仕事自体はとても面白かったです。

ー高野:180度違う会社に転職された感じですね。すごいステップアップ!

ー小川:そうですね、順風満帆に見えるかもしれませんが、20代半ば以降はずっと自分探しをしていました。たまたま最初の会社でロジスティクスに携わることになり、自分なりに一生懸命やってきたし、仕事も面白かった。でも、ロジスティクスが好きでずっとこれをやりたいかと問われると違う気がするし、かといって「何がやりたいの?」と言われればそれも明確には答えられない

「20代半ばを過ぎて30歳が迫ってくるのに、このままでいいのか!?」という焦りがありました。するといてもたってもいられなくなって、休日はひたすら自分探しをしていました。セミナーにも行き、本もたくさん読みました。

子どもの頃ものを作ることが好きだったからと、ペインティングの講座に参加したこともあります。また、たまたま目を通した雑誌に「天職を見つけた女性」か何かのインタビューで素敵な女性が取り上げられていて、「この人に会って話を聞きたい!」と思い、早速雑誌社に電話で問い合わせをすると、なんとその女性とコンタクトをとってくださって、お会いすることができました。

今であれば個人情報関係で無理だったと思いますが、その当時だからこそできたことなんでしょうね。

靴職人に興味を持つ、週末に1ヶ月靴屋に修行にいったりもしました。 「あの頃は若かったな〜」と今思い返せば笑えるんですが、当時は本当に必死で、自分探しのために色々やっていました。

ー高野:私も自分探しで、バーテンやりたいと思って本を買ったり、書道家になりたいと思ってユーキャンに申し込んだり(結局開封すらしてない)色々していました(笑)

ー小川:そういう時期ってありますよね(笑)。それでも自分が何がしたいのか分からない。

ただ「コンサルタントという仕事をやってみたい」という気持ちがずっと心のどこかにありました。

でも「自分とは遠い世界のこと」「知識もいるし、今からなれるかわらない」「本当にやりたいかも分からないし」と見て見ぬふりをしていました。

するとある時、「SCM(サプライチェーンマネジメント)のコンサルタント募集がある」と声をかけていただきました。「せっかくのご縁だったらやってみたい!」と思い、その会社に転職することに決めました。

2.転職で見えた。私が本当にやりたいこととは。

ー:小川その会社は、クライアント企業に対して物流現場でのSCMソフトウェアの導入や、それに伴う業務改革のコンサルティングを実施するIT系の会社でした。
ただ、私はものすごくアナログ人間で、ITなんて全くの素人なわけです。

案の定入社しても、最初は全然ITのことが分からず、研修をして頂いたり勉強する中で少しずつわかってきて、コンサルティングの現場にも携わらせて頂くことになりました。

するとそれがすごく面白かった。

ITの素人とはいえ、ロジスティクスにはずっと携わってきたのでその部分での知識や経験はありました。ですからお客様が困っていることに対して、業務の目線で「こうすれば解決できますよ」と提案することができ、結果それですごく喜んでいただきました。

今までの仕事は、お客様との直接の関わりがなかった。一方コンサルタントの仕事は、お客様に実際に会って、ダイレクトに反応がわかる。そしてお客様や部下の変化・成長に関われる。「これだ!」と思いましたね。

そこではプロジェクトマネージャーまで任せて頂きました。

ー高野:パズルのピースが噛み合った瞬間だったんですね。

ー小川:そうなんです…!と言いたいのですが、これはまだきっかけに過ぎず、ここから色々ありました(笑)。ITの世界は、日々新しいものが世の中に生まれてくるので、常に新しい技術や最新の知識を取り入れ続けなければいけません。

ただ私は、そこまでITに情熱があるわけでもないし、また別にSCMをずっとやっていきたいわけじゃない…。そして私の年齢はもうすぐ30代半ば…。

既に20代で結婚はしていたので、子どもを作ることを真剣に考えはじめました。

夫とは夫の転勤の関係で別居婚だったんですが、「果たしてこのままでいいのかな?」と思うようになり…。

6年務めたそのITコンサルティング会社をからの転職を決意しました。次は大手外資系メーカーへ、SCM分野のマネージャーとしての転職でした。今までITコンサルとしてマネージャーを経験してきたので、次はメーカーで現場のマネージャーとしての経験を積んでみたいと思ったからです。また、大手企業であれば、育休や産休制度が整っていて、きっと出産した時にも何かと良いという気持ちもありました。

転職先の会社では、10年ほど前にM&Aがあり、2社が統合された形だったのですが、10年たっても両社のシステムや業務フローに違いがありうまく機能していなかったので、その業務改革をしてほしいといわれました。チーム運営から部下育成からチーム運営から業務改善まで、壁もたくさんでしたが勉強になりましたね。

そしてようやく…今までの経験を経て、『やっぱり私は人の変化や成長に直接関わる仕事がしたい』と思うようになりました。

人が自分の可能性に気づくための“触媒”でありたい』というのが今仕事をしている中で根底にある想いなのですが、メーカーで「企業の根本は人」「人は関わり方次第で大きく変わる」ということを実感し、やはり人に関わる仕事がしたいと思うようになったんです。

そしてそこからまた転職しました!

次のページ>>> 転職先で待ち受けていたまさかの試練とは…

3.経営コンサルティングという仕事とは

ー高野:すごい!30代での転職はパワーも勇気が必要ですよね…!

ー小川:はい、本当に。SCM系から人材系とある意味異分野への転職で、すごく大変な部分もありましたがご縁があり、経営コンサルティング会社に入社しました。念願の人材育成に関われる業界。嬉しかったです。ただ、そこでまた試練が待ち受けていました。

私は、過去何度か「小川さんってとても論理的だね」と言われたことがあったので、自分はロジックに強い方だと思っていたんです。でも違いました。「小川さん、ロジカルが甘いね」とダメ出しされることが多く…

頭をガツンと殴られた感じがしました。

「人の変化や成長をサポートするのが好きだからこの業界に…」と思ったのに、経営コンサルティングの仕事はそんな甘いもんじゃなかったんだなと。でもやっていく中で、自分は戦略コンサル面では苦手な部分もあるけれど、「人材育成面で、人のやる気を引き出す、成果を出してもらう」ということ自体は得意で、やっていて楽しいこと気づきました。

例えば研修ってね、化学反応がおこるんですよ。自分が発したことで参加者の表情や場の空気が変わる。それがダイレクトに感じられて、本当にやりがいのある素晴らしい仕事だとその時から思うようになりました。

おかげ様で講師としても、受講者満足度ナンバー1を頂くことができました

ー高野:すごいです!色々大変でも諦めずに取り組まれて、しかも受講者満足度ナンバー1の講師になられるなんて…!

4.40歳で出産を決意、そして今に至る

ー小川:その頃プライベートではコーチングを勉強し、コーチングセッションもしていました。ただ、40歳を過ぎて、「本当にちゃんと出産のことを考えないといけない」と思うようになりました。今までは仕事が楽しくて、夫も私も仕事優先でしたが、高齢出産にもなってきているので産むならもう今しかないと。

おかげ様で妊娠ができ、それを機に、41歳で関西に帰ってくることになりました。私は大学から東京で生活していたので、20年以上もいた東京という土地から戻る決心がつかなかったのですが、「もうここまで頑張ったし、やりきったし、ちょっと休みたいな〜」という気持ちも正直ありました。

そして出産して5ヶ月後に仕事復帰したのですが、転機は急におとずれました。仕事復帰して働くとなると「子どもが熱出した」「保育園のお迎えはどっちがいくんだ」といったこどが夫婦間で色々でてきます。

私はその時は雇用形態をフル社員から契約に変えていて、夫は「自分が大黒柱として稼ぐから仕事の融通を効かせづらい。急なお迎えなどはそちらで対応してほしい」というスタンスでした。これはもっとちゃんと自分の足でたっていかないといけないとその時強く思いました。

ちょうどコーチの資格を持っていたこともあり、前職の経験も活かしてコーチとして独立していくことにしました。「さて、どうやってお客様を見つけるんだろう?」とコーチで既に独立されている方に話を聞いてみると、ブログで発信することでクライアントさんと出会われているようだったので「じゃあ私もブログをやろう!」とブログを始めました。

そこから毎日ブログを更新し続けて1年後。なんと自分の目標とするクライアント数を獲得することができました。ただそうなると欲が出てきて…もっともっとクライアントを増やしたいと思うようになりました。

ただ、そこからがうまくいかなかった。

集客のコンサルタントの方にもついて頂いたんですが、セオリに―にとらわれ過ぎてしまい、ブログにも自分らしさが出なくなり、結局集客という点で前よりも状況が悪くなってしまいました。

実際その集客コンサルタントの方のクライアントさんには、すごく成果を出している人もいたので、「他の人はうまくいくのに、私ってなんてダメなんだろう」とずっと自分を責め続ける日々が続きました。すごく辛かったですね。

そしてとうとう体に不調が出始めたので、そこでやっとブログを書くのをやめることにしました。今までは「ブログを毎日書かないと!」という強迫観念みたいなものがあって、大変だったけれど止められなかった。

「やらなきゃ!」と無理してでも続けていました。

でも、体が「もうやめとけ」と言っているのだから、やめようとそこで決心がつき、手放しました。

するとある時、かつて一緒に仕事をした方から「名古屋で研修があるけど僕はいけないから、小川さんがかわりに研修してくれない?」と話が来て、聞いてみると面白そうだったので、夫にも何とか都合をつけてもらって、平日に研修をしに名古屋に行きました。

するとその研修体験がすごく良くて、「あ〜やっぱり私は研修が好きなんだ!」と思いました。

手放したら入ってくるってホントだなと思います。両手にものを持っていては絶対に入ってこなかったきっかけだったなと。そこからは、研修やコーチングを続けていて、今に至ります。

ー高野:なるほど…。深い。ちょっとここで素朴な疑問なのですが、コーチングで人は変わるんでしょうか?

ー小川:はい。コーチングの過程で、自分自身や周りの状況に対して認識を新たにしたり、気づきに対して心が動いたりすることで、クライアントさんは変化していきます。

あるクライアントさんで、自分に自信がなく、仕事でも萎縮してしまっている方がおられました。その方は、何事にも慎重で心配症な方で、自分のそんな面も嫌いだとおっしゃっていました。私が「でも、それって、リクスマネジメントができるということですよね。」と伝えても「いや、そんなことないです。」と受け取ってもらえない。

それがある時、その方が、「その慎重さゆえに気づいたことが、結局お客様のダメージを防いだ…」という出来事をお話されたんです。

今までは、ダメなところだと思っていた「慎重さや心配性」が、逆に強みとして活かされ会社に認めてもらえたという成功体験をきっかけに、どんどん行動されるようになって、自信がついて、180度変わられました。

「人ってこんなに変わるんだ!」と私も驚きました。

ー高野:すごいです!人はどんなきっかけで変わるかわからないですもんね

ー小川:人には可能性がたくさんある。だから私はその人の可能性をどんどん引き出すお手伝いがしたい。この思いは、コーチングや研修を重ねる度に強くなっています。

そうそう、私実は以前は人見知りだったんですよ。

ー高野:嘘でしょ!こんな気さくな小川さんが・・・!

ー小川:いえ、本当にそうだったんです。人と話すのが苦手だったし自分に自信がなかった。また「こうあるべき」という枠にしばられていました。それで自分を追い詰めてしまっていたことも多々ありました。

でも、人ってもっと自由でいいと思うんですよね。あるがままを受け入れることがものすごく大切。

キャリアも、「こう築いていかないといけない!」なんてありません。キャリアは人それぞれ違いますし、私も色々悩んで迷って、振り返ればそれが自分のキャリアになっていました。無駄なことなんて1つもありません。

たくさんの転職経験を経て、今そう思うようになりました。働く女性がHAPPYに働くために大切なのは「自分のあるがまま」を受け入れることだったり「捉え方」を少し変えてみることだったりと、とてもシンプルなんです。

物事がどうがではなく、その物事ををどう捉えるかで人生は大きく変わっていく。

周囲や働く女性のクライアントさんの可能性を引き出せるように、そして私もいち働く女性として楽しく生きていけるように、これからも頑張りたいです。

ハンサムWoo!manプロフィール

大学卒業後、メーカーやIT系コンサルティング会社に勤務し、ロジスティックスやSCM(サプライチェーンマネジメント)の分野に携わる。このときの経験を通じて「企業の根本は人だ」という想いに至り、人材育成分野に転身。コーチングや研修を通じて企業の変革や個人の成長をサポートする。
その後、娘の出産を機に、今後の人生のあり方について見つめ直し、会社員を辞めて独立。現在は、主に、企業研修の企画・運営、パーソナルコーチングを行っている。

■HPはこちら→ http://office-faith.jp/
■ブログはこちら→ http://ameblo.jp/createyourownlife/