働く女性の皆さんこんにちは。Woo!ネタリストの湯本理絵です。(Woo!では定期的に働く女性にオススメな映画ネタをご紹介しています。)ノルウェー国立バレエ団で東洋人初のプリンシパルとして活躍する日本人女性西野麻衣子さん。ダンサーという職業は出産後やめてしまう人も多い中、妊娠・出産を経て現在も第一線で踊り続ける彼女のドキュメンタリー映画「Maiko ふたたびの白鳥」が全国で公開されています。ワーキングマザーにはおすすめ!特に娘を持つワーママに見てほしい!この映画の見どころを今回は3つに絞ってご紹介いたします。
1.主演の西野麻衣子さんってどんな人?
西野麻衣子さんは15歳の時に親元を離れてバレエの名門、英国ロイヤルバレエスクール留学後、19歳でノルウェー国立バレエ団へ。25歳で東洋人初のプリンシパルとなり、オペラハウスで芸術監督をつとめるノルウェーの男性と結婚・・・
と、ここまでの紹介だと華やかな経歴で遠い存在のように思うかもしれませんが、彼女は大阪出身。映画でもお母さんとの会話シーンではバリバリの大阪弁でテンポよく話しておられ、関西女性としては一気に親近感を持ちました。
この映画では働く女性として、母として色々な想いに揺らぎながらも向き合いバレエの中でも難関とされる「白鳥の湖」の主演での育休復帰に挑戦します。
夢のためには周りの応援を感じ、その応援に報いたい!という思いが込められているようでとても印象的です。
ちなみに主演の西野麻衣子さんは日経DUALでもインタビューが紹介されています。
http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=7959
2.見どころ①「母になりたい」と「キャリアを継続したい」の間で揺れる女性
麻衣子さんは「いつかは子どもを持ち、母になりたい」と思っているし、遠く離れる日本の母親からも子どもを持ち家族を作ることを勧められるのですが、1年先の公演予定も決まっている、第一線で活躍するバレリーナとしてはキャリアを積み、もっと踊りたい!という思いも強い。
・・・どちらも大切、でもいつがベストタイミングなんだろう…?
また思いがけず妊娠が分かり、一旦舞台を離れた時の麻衣子さんの表情。代役がやってきて自分が出演するはずだった舞台を見て「・・・今は出演できない」わかっているけれど感じるモヤモヤ。
こんな揺れ動く思いに思わず共感する方も多いのでは?
また時折出てくる、麻衣子さんの母、伊津栄さんの言葉は自分の母と重なるところや娘を持つ母として、自分はどうなんだろうか?と母娘関係やコミュニケーションについても考えさせられました。
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3.見どころ②「美しくも厳しいバレエの世界」
バレリーナである麻衣子さんの美しいバレエシーンももちろん、登場します!
彼女が育休復帰作として取り組んだ「白鳥の湖」は一人の踊り手が性格の全く違う白鳥と黒鳥を踊りで演じ分けることや高い技術が求められる32回転・・・とクラシックバレエ中でも難関と言われる作品。
クラシックバレエと言えば、多くの人が思い浮かべ、見る人を魅了する名作に主役として立つプレッシャー、麻衣子さんが復帰までの限られた時間の中で妊娠・出産で変化した身体を元のコンディションに戻すために努力する姿、それでも監督から「場合によっては代役を立てる」と言われるシーンは少しでも気を抜くと他の人に譲らざるを得ない厳しい世界であることも垣間見られます。
それでも「I keep going on.(続けるだけよ)」と力強く語る麻衣子さんの熱い情熱やラストシーンの一言は世界が違っても同じ働く女性としてわたしも深くうなずいてしまいました。
4.見どころ③「ノルウェーの社会環境」
欧米の中でも女性や子供に関する制度の充実であげられる国の一つだけあって、映画でもその充実ぶりが感じられます。
一番印象的だったシーンは麻衣子さんがバレエ団のトップに妊娠したことを伝えた時の反応!
そして産後復帰に向けてレッスンする麻衣子さんをお子さんに見せながらあやす仲間や夫であるニコライさんにダンサーとしてこれからもキャリアを積みたいと伝えた時の反応・・・
所々にノルウェーが働き続ける女性や子育てへの支援や捉え方が表れている気がしました。
パンフレットに掲載されたインタビューによると、ノルウェーでは税金がとても高いけれども妊娠・出産に関する費用はもちろん、子どもが14歳くらいまでの医療費は完全無料だそう。
麻衣子さんも「ヘルスケアには恵まれている」と語るくらい、名実ともに福祉の国なんですね。
どのシーンもグッときたり、考えさせられたりしますが、ラストのインタビューシーンは
同じワーキングマザーとしてじんわり共感と感動で日ごろ映画であまり泣かないわたしも
涙がほろり・・・でした。
(*画像は、www.maiko-movie.comより引用)
ぜひ公開中に映画館へ!
→ドキュメンタリー映画「Maiko ふたたびの白鳥」
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