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女性活躍企業の社長に編集長が突撃取材!〜WSP 渡辺雅夫さん〜

働く女性の皆さんこんにちは。毎回大好評の、女性が活躍するベンチャー企業の社長インタビュー

今回のゲストは、株式会社WSPの渡辺雅夫社長。「Pearl for Lifeー真珠で人を美しくー」という想いのもと、真珠の卸売や真珠化粧品を販売する会社です。また社員の75%が女性で、取締役や役員にも女性がおられ、女性社員さんが大いに力を発揮されています。楽天市場の「楽天ジュエリー大賞」の真珠部門では、なんと10期連続1位を獲得女性が中心となり開発した真珠入化粧品真珠肌シリーズ」は、今や同社の主力商品となっています。冒頭から「女性の視点やパワーは本当にすごい!当社は、あらゆる意味で女性に支えられている会社なんです。」とおっしゃる、ダンディでお洒落な創業者の渡辺社長に、お話を伺いました。

1.設立した会社を辞めたからこそ見えた大切なこと。

ー高野:最近世間では「企業の女性活躍推進」がさけばれていますが、WSPさんでは随分前から「女性活躍」を進めておられるとお聞きしました。

ー渡辺:はい、当社はエンドユーザーの大半が女性で、その方々に向けて商品開発するのも女性。ですので、「女性社員さんのキャリアが途中でなくならない会社にする」ということは当たり前だという思いで、創業以来ずっと意識して取り組んできました。

ただ「子どもが産まれても働く」「時短で働く」といったことについては、最初はみな「そんなこと本当にできるの?」と半信半疑ではあったようです。でもやっていくとできるものですよね。それを見て社員さんも安心でき、「その安心感があるから、目の前の仕事に全力で力を発揮してもらえる」。そんな土壌が当社にはあると思っています。

また、他社の方から「制度を悪用する人もいる」「女性から権利を主張されて困っている」というお悩みを聞いたことがありますが、当社では全くそんなことはないですね。価値観、理念、考え方をとても大切にしている会社なので、おそらく当社の色に合わない人は、はなから入社して来ていないように思います。日々「女性ってすごいなぁ、僕たち男は敵わんなぁ…!」と思うことがたくさんあるんですよ。

ー高野:そうなんですね!具体的にはどのような部分でそう感じられるのでしょうか?

ー渡辺:そもそも、僕たちは女性から産まれたので、そういう意味でまず敵いません(笑)また、商品開発においても「いち消費者としての目線」で考えてくれますし、妥協がありません。例えば当社が販売している「真珠肌シリーズ」の化粧品は、開発に4年もかかりました。実は開発した社員さんは、自分自身も”しみ”や”くすみ”でずっと悩んでいました。ですから「自分が使うなら、こういうものが欲しい!」ということを真剣に妥協なく考えてくれて、おかげ様で多くのお客さまに愛用いただける商品になりました。

男性が商品開発すると、こうはいかない。男性は化粧品を毎日使っているわけではないので、想像しかできませんですから、どうしてもプロダクトアウトになりがちです。また「成分にはこれを使っていて、特許が、含有量が…」というスペックを言ってしまいがちになります。それではお客さまには響きません。

ー高野:確かに、「含有量が◯%で…」と言われても、買う側はよく分かりません。「それより、私は綺麗になりたいねん!これ使ったら綺麗になれるの!?という部分が気になりますね。

ー渡辺:その感覚や視点は、女性でないと分かりません。視点や商品開発やあらゆる点で、当社は本当に女性に支えられている会社です。

ー高野:話は少し変わりますが、なぜ渡辺社長は「真珠や化粧品」という女性の分野で会社を創業されたのでしょうか?

ー渡辺:もともと「絵画」を売るか「ジュエリー」を売るかがしたいと思っていました。絵画やジュエリーは高額商品なので、信頼出来ない人からは絶対買わないですよね。自分自身を磨き、自分が信頼に値する人間でなければ、何億円もする絵なんて絶対買って頂けないので、そのような世界で勝負することが「人としてかっこいい」という憧れを持っていました。相場や詳しいことについては、全く知らなかったですが…(笑)

そして学生時代にアルバイトしていた先で、たまたま報酬として「真珠」を頂きました。「これってもしかして売れるんじゃないか?」と思い、先輩に聞いて買ってくれる会社を探し、販売をしたのがWSPのスタートです。

ー高野:おぉ…普通は、真珠をもらったからといって、それを売るという発想にはなかなかなりませんがすごいですね…。今のようにネットが普及している時代ならまだしも…。

ー渡辺:そうですよね。でも僕は昔から会社員になるつもりはなく、「将来は絶対独立する」と決めていましたから、その出来事が創業のきっかけになりました。それから数年間は、とにかく必死で売上を上げる日々が続きました。まずは食べていかないといけない。また「世の中はお金じゃない」と思いながら、「そのセリフはお金持ちになってから言わないとただの負け惜しみになる」と思っていたので、とにかくお金を稼ぐことに集中しました。

…でも自分の心の声に嘘をつけなかった。

だんだんと、そのやり方に違和感を感じるようになりました。ホワイトボードに売上のグラフを書いて、「よっしゃみんな、売れー!!」と言っている自分の姿。売上は上がるけれど「その先に何があるんだ?自分の幸せはそんなところに無いんじゃないか?何のために僕は必死で働いているんだ?」と思うようになり…。

27歳の時です。当時いたスタッフに全ての仕事を渡して、一旦会社を解体することにしました。立ち止まって、自分と自分の人生をちゃんと考えてみようと思ったんです。

ー高野:えッ!社長が自ら立ち上げた会社を辞めるってなかなか聞かないことですし、勇気がいりますよね。でもそこまでされるくらい「このままではいけない」という違和感を感じておられたのですね。

ー渡辺:そうですね。その間8ヶ月〜10ヶ月くらいでした。そこではじめて気づいたんです。「自分の力で生きてきたつもりだったけれど、実はスタッフをはじめ周囲の人に活かされていたんだ」と。あの時気づくことができて、本当に良かったです。

そしてその頃道端でばったり出会った青年(現在の取締役)が、真珠の卸の仕事で独立したところだということで、話しているうちに意気投合し、一緒に会社をやることになりました。これがWSPの第二創業です。

それ以来「何のために働くのか」について社員さんとしっかり共有するようになりました。働く上で大切なのは「挑戦すること」「成長すること」「貢献すること」。これは、当社のHRポリシーとして、カルチャーブックにも載せています。

2.ジュエリーから化粧品販売へのきっかけは?

*「僕今、開発した真珠入りのシルバーワックスを髪の毛につけてるんやけど、思ったより売れ無かったから、自分で使ってるねん(笑)」というお茶目な渡辺社長。

ー渡辺:第二創業は、”日本の真珠”と”海外の黒真珠”の卸売からスタートしました。今でこそ”黒真珠”はよく見かけるようになりましたが、20年前はほとんど市場には出回っていませんでした。その後ジュエリー全般に事業を広げ、店舗を構えて小売業をしていた時期もありますが「待ちの商売は性に合わない」と思い、真珠を通じて「美」を追求するというテーマで真珠事業に特化してきて、今に至ります。

ー高野:そうなのですね。特に「日本の真珠はクオリティが良い」ということで国内だけでなく海外でも評価が高いと聞いたことがありますが、実際そうなのでしょうか?

ー渡辺:はい。ジュエリーというより「高い海産物」と言われるくらい、日本の真珠の養殖技術・品質の高さは、海外でも高く評価されています。当社はその頃から海外を見据えており、17年前には香港に会社も作っています。

ー高野:そんなに海外でも評価されているなんて、日本人として素直に嬉しいですね。またWSPさんは、楽天市場の「楽天ジュエリー大賞」の真珠部門で、10期連続1位を獲得されたという輝かしい実績をお持ちですが、その秘訣を教えていただけますか?

ー渡辺:そうですね…秘訣は2つあります。1つは「とことん女性の立場に立って商品を作っているから」。女性のために商品開発をしている会社はたくさんありますが、プロダクトアウトになっているところも多いようです。当社の女性社員さんたちには「女性の立場に立って自分たちが納得行くものを作る」という信念があり、そこに妥協は一切ありません。

また2つ目は、カスタマーサポートです。普通に考えれば、ネットの世界では価格が安いところが勝つに決まっています。でも僕たちは「売ったら終わり」ではなく「自分の家族に買ってもらう」ような気持ちで仕事をしているので、対応が親身で丁寧だと、お客さまからお褒めの言葉を頂くことが多いんです。

真珠ってね、一生のうちに何個も買わないでしょ?ここぞという時や、結婚する時くらい。だから「リピートしない業界」と言われているのですが、当社はリピート率が他社と比べて倍以上あります。そういった意味では、第二創業以来ずっと大切にしている理念の共有が生きているのかもしれませんね。

ー高野:社員さん一人ひとりの気持ちや思いといった目に見えない部分が、多くのお客さまの心を掴んでいるのですね。さらに現在は、真珠入の化粧品を作っておられますが、どのようなきっかけで化粧品を開発されるに至ったのですか?

ー渡辺:僕たちの仕事は「真珠」を通してお客様の「美」のお役に立つことです。ですから「ジュエリー以外でも何か新しい商品を開発できるのではないか」と以前からずっと考えていました。そんなある日、お客さまと話していた時「真珠職人たちはみな、手がとても綺麗だ」という話になりました。調べてみると、真珠には肌を綺麗にする成分が含まれていて、アメリカの学会で発表される程実証されていることだとわかりました。

僕たちの仕事は「真珠」を通してお客様の「美」のお役に立つことだから、化粧品を開発できればもっと可能性が広がると考え、「よし!真珠入化粧品を作ろう!」ということになりました。

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3.渡辺社長の意外なプライベートを覗いてみよう。

ー高野:渡辺社長って生活感がないというか…。雑誌に出られていそうなくらいダンディなのでプライベートが見えないんですが、お子さんが3人もおられるのですね。

ー渡辺:それ褒め過ぎですよ(笑)子どもは、男、男、女の3人で、もう長男は今年24歳です。今思えば、上の二人にはすごく厳しかったですね。それは「自分で食べていく、自分の力で生きる力をつけることが大切だ」という思いがあったから。「とにかくやってみろ」「嘘はつくな」「逃げるな」「かっこ良く生きろ」と常に伝えていました。すると、二人とも大変変わり者になりまして…長男は長いこと学生をやってますし、次男は歌手になるためにオーストラリアに行くと言って、本当に行ってしまいました(笑)

ー高野:チャレンジャー!

ー渡辺:でも「一度きりの人生だから、何でもやってみたらいい」と思うんです。人と違うことをしようとすると、ほとんどの人が反対するでしょ?ただ、どうせ無理だ」と反対する人は、やったことがない人たちがほとんどです。逆に言えば既にチャレンジした人は、たとえ失敗したとしても「じゃあこうしたらいいんじゃないか」と経験シェアやアドバイスをしてくださる。

だから僕も親として一人の人間として、常にチャレンジし続けて、子どもに背中を見せれる父でありたいと思っています。ちなみに娘はまだ7歳なんですが、末っ子で女の子なのでもうデレデレで。可愛くて仕方なくて、つい甘くなってしまいますね(笑)

4.WSPは100年続く企業を目指す。

ー高野:娘さんにデレデレな渡辺社長の姿もぜひ見てみたいです(笑)では、今後の展望を教えていただけますか?

ー渡辺:「100年続く会社を創ること」です。実はジュエリーは、クレオパトラの時代から存在しています。日本で言えば「勾玉」もですよね。人間は本能的に美しいものに惹かれる生き物だと思います。そのニーズにあわせて、今までたくさんの会社が生まれていますが、現在社員が50名以上いて、真珠屋としての事業をしていて、真珠の化粧品を開発している会社は、日本ではたった2社しかありません。

そのうちの1社が当社です。

途中で会社がなくなってしまうことは、お客様に対してあまりに無責任。だから当社は、難しいと言われようが、壁が高かろうが、「真珠といえばWSP!」と言われる会社を作り、美に関する事業で100年以上続く会社になることを目指しています。

さらに、上場基準を満たす会社作りをしています。実は、OLさんが普段使いできる真珠のネックレスのアレンジで、WSP発信で世の中に広がったものはたくさんあります。「みんな後からコピーしたけど、あれ実はうちが発端やんな。」と社内ではみな思っています(笑)世の中に、価値を生み出していけると、誇りを持って働くことができますし、そんな会社であり続けたいですね。

ー高野:素敵なことですね。お話をお聞きしていると、渡辺社長はとてもパワフルでいらっしゃいますが、そのパワーの源は何なのでしょうか?

ー渡辺:僕は「死ぬ瞬間まで成長し続けたい」と思っています。今までに、様々な経験を経て学べることがたくさんありました。痛みも知りましたし、逆に人の優しさ、ありがたさをたくさん知ることができました。それによって得られたことは「お金では決して買えない自分の財産」になりました。

チャレンジして、成長して、人の役に立てる人生って本当に素晴らしい。だから僕たちはこれからもみなでチャレンジし続けていきますよ!


思いっきり仕事を頑張りたい女性が安心して働ける環境が、ここにありました。「何歳になっても綺麗になりたい」という女性の気持ちと真摯に向き合い、100年続く企業を目指すWSP。その根底にある「挑戦する」「成長する」「貢献する」という社内の価値観こそが、他社が真似できない圧倒的なWSPの強みだと肌で感じました。終始温かく、優しさあふれる雰囲気でインタビューに答えて下さった渡辺社長。本当にありがとうございました!

株式会社WSPについて

設立:1994年12月

事業内容:宝飾品の製造卸販売、化粧品の製造販売、真珠サプリの開発

大阪本社:〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場4-12-12 ニッセイ心斎橋ウェスト10階

代表者:渡辺 雅夫(わたなべ まさお)

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