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転職に活かせる資格と活かせない資格〜資格取得で知っておきたい考え方〜

働く女性の皆さんこんにちは。神野沙樹です。現在、簿記や英検、ファイナンシャルプランナーなどの実務系資格から、キャリアコンサルタントやカラーコーディネーター、調理師、野菜ソムリエなど、様々な資格がありますよね。かくいう私も社会保険労務士として仕事をしています。
先日、日経ウーマンのサイトで働いている女性が実感した「取得してよかった資格」ベスト5”という記事がありました。

みなさんは「何か取ってみよう」と思われたこと、あるいは実際に取得された資格は何かありますか?

1.取得してよかった資格ベスト5 1位はTOEIC

先ほどご紹介した、日経ウーマンの記事”働いている女性が実感した「取得してよかった資格」ベスト5”は以下のとおりでした。

1位:TOEIC
2位:簿記(日商簿記検定)
3位:ファイナンシャルプランナー
4位:秘書検定
5位:マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)

このランキングの冠に「働いている女性が実感した」というついているだけあって、会社で活かせたり、生活していくうえで必要な知識を身につけられるものが多いですね。私としては「社会保険労務士」が入っておらず残念でしたが、上記資格と比較すると、受験者数も比べ物になりません。ですから、ランク外でも当たり前の話です(笑)

それでは、みなさんに一つ質問です。
何のために資格を取得するのでしょうか。

2.就職のため?自分のスキルアップのため?

私は、社労士を目指す方向けの「社労士受験講座」の講師をしています。そこには様々な理由で勉強を始められた方がいらっしゃいます。

そもそも社会保険労務士って何の仕事をするの?という方もいらっしゃると思いますので、少しご紹介します。

社会保険労務士は、「社会保険」と「労務」のスペシャリストです。「社労士」と略されることが多いです。

社会保険というと、年金や介護保険、医療(健康保険など)、雇用保険など。みなさんや、ご主人の「給与明細」を思い浮かべられると「あぁ、なんか給料から引かれているヤツね」と想像がつくかもしれません。

労務というと、働き方。職場のルールはどうする?給与体系は?勤務時間は?など、「働き方」を会社の経営者や総務部・人事部の方と共に作り上げていく、そんな仕事です。

一言で言えば「(経営者も含めた)社員のみなさんがどうすれば生き生きと働くことができるかを考え、制度化していく」といったところです。会社の総務部に代わって給与計算をすることもあれば、雇用契約書を作ることもあります。

さらに派生して、高校や大学での面接指導やキャリア教育をしたり、会社の社員の方向けの社員教育(社員研修)、はたまた、定年を迎えられる社員の方からの定年後の相談(年金相談)などを受けることもあります。

非常に幅広いです。ですから、社会保険労務士と一口に言っても、得意不得意があったり、メインで携わる仕事に差があったりもします。飲食店も、ファミリーレストランもあれば、「焼き鳥屋」や「焼き肉屋」さん、「お寿司屋さん」など、絞っているお店もありますよね。それと同じです。

さて、少しわき道にそれましたが、そんな「社会保険労務士」を取ろうと、様々な方が受験講座に来られます。

今の仕事に役立てたいから
・資格を取ったら「資格手当」がもらえるから
・定年退職後、独立開業したいから(社労士は、50代60代の方も多く受験されます)
・今の仕事が嫌だから、転職したいから
・何か勉強したいと思ったから

人それぞれ、資格を取ろうと思った理由はありますから、きっかけはどんなことだっていいと思います。しかし、受験講座をやっていて強く感じることがあります。それは「資格を取ること」が大切なのではなくて、「取ってどうするか」ということです。

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3.「資格を取るために勉強しています」ではなく「取って◯◯をします」が大切

昨年の大河ドラマで「花燃ゆ」がやっていました。
吉田松陰の妹が主人公の話でしたが、ある時、吉田松陰と松下村塾の門下生の間でこんな場面がありました。

門下生
「私は江戸に行きたいのです」

松陰
「何をしに行きたいのですか?」

門下生
「それは江戸に行って見つけます」

それを聞いた松陰はこう言います。

「あなたは志も理由もなく、江戸に行きたいというのですか?それならば、行かないほうがマシだ」

このやりとりを見ていて、私は「資格取得」も同じだなと感じたのです。つまり、資格取得の勉強をしていると、つい資格を取ることが目的になってしまい、「この資格を取って何をしたいのか」という本当の目的が見えなくなってしまうことがあるのです。

これでは、せっかく取った資格を活かすことができません。

例えば、就職活動のために「簿記2級」をとったとします。履歴書に書くと、会社の人から聞かれるかもしれません。「あなたが取った簿記2級は、当社ではどのように活かすことができますか?」と。その時、具体的に話すことができないと、いくら資格を持っていても意味がないですよね。

大切なことは「資格を取ろうと思った気持ち」ではなく、資格をどう活かすかだからです。言い方を変えれば「どう活かすかが自分の中で明確である資格」は、「取ってよかった!」と思える資格だということです。

4.資格取得後の具体的なイメージを持つために

それでは、資格の勉強をする時に「取得後どう生かすか」のイメージを持つためには、どうすればよいでしょう。

一番良いのは、実際にその資格を活かしている人に会いに行くこと。

どんな風に仕事に生かしていて、どんな風な仕事をしているのかといった話を聞くことが一番イメージを持ちやすいです。世の中には、資格取得をして仕事に活かしている人、あるいはその資格自体で仕事をしている方がたくさんいます。ブログを書いていたり、「合格体験記」を書いている場合もあります。そういった方に、コンタクトをとって実際に話を聞きに行くのです。
(社会保険労務士を目指される方、私でよければいつでも何でも話をさせていただきます!)

以前、本で読んだことがあるのですが、例えば「ベンツに乗りたい」と思ったとします。それを実現する近道は、実際にベンツに乗っている方の生活を見て、「どんな風に過ごしているのか」を肌で感じる。すると、自分に足りないものは何で、自分がこれからどう行動すればよいかがわかる、と書いてありました。

資格もそれと同じで、会って話を聞くとイメージが膨らみ、勉強をするモチベーションにもつながります。あるいは、話を聞くと「あれ?私がやりたかったことはこういうことじゃないかも」と気付けることもあるかもしれません。

もし、「実際に会う」ことが難しければ、その資格を持っている方が書いている本を読むのも一つ。インターネットで「資格名+著書」(例:女性 社会保険労務士 著書)などと調べれば、たくさん本はでてきます。その本を読んでみるのも一つです。

何れにしても、「私、本当にこの資格を取りたいんだろうか?」と自問自答してみて、「取りたい!」と強く思えるものであれば、どんな資格であれ取得できるでしょうし、それを活かすこともできるでしょう。

私にとって、社会保険労務士試験を受けたのは、単純なきっかけでした。でも今から思えば、「社会保険労務士試験に受験していなかったら」今の私はあり得ません。まさに、人生の分岐点だったと言えます。

大切なことは「取得の理由」ではなく「どう生かすか」。そんなことを考えて取得すると、意外と簡単に人生の転機は訪れるかもしれませんね!

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http://ameblo.jp/sakura-himawari-sr/