株式会社ナチュラルリンクが運営する「Link Room〜女性活躍推進勉強会〜」の開催レポートです。Link Roomは、女性活躍に取組む企業から社長や担当者、女性社員さんをゲストとしてお招きし、リアルな舞台裏をお話頂く事例共有の場となっています。
8月26日(水)開催のテーマは、「チャレンジする女性が育つ会社の『人事評価制度作成』方法5つのヒント」。
ゲストは、能勢鋼材株式会社より、能勢孝一社長と、女性役職者であるTさんとIさんでした。
鋼材屋という男性社会の会社で、いかに現場に浸透する制度をつくり女性が活躍するようになられたかを、オフレコ満載で、たくさんお話頂きました。
1.人事評価制度を現場主導で作るから浸透する
能勢鋼材さんは、人事評価制度をなんと13名の現場のプロジェクトメンバーで作られました。
確かに、よく人事部や経営層が評価制度を作ってみたものの、実際に現場で運用できてないというお話をお聞きします。
能勢社長:「そうなんです。そうなっては、せっかく作った制度も意味がありません。そうならないために、現場のメンバーを巻き込んで作成することにしたんです。僕もいちメンバーとして、能勢社長ではなく能勢さんという呼び名で、プロジェクトチームに入りました。さすがに初めの頃は、メンバーも能勢さんとは言いづらいかったようですが…笑」
詳細についてはほとんど社長は口を出されず、目標管理制度、キャリア開発制度、表彰制度など、ほぼを全てをメンバーが決められたとのこと。
2.ステップアップする為にどんな能力が必要で、何をすればよいかが明確である。
能勢鋼材さんでは以前より、目標管理シートを使って1年間の目標を決め、それについて具体的にどう行動をするのかを考え、上司と定期的に面談するということをされていました。
能勢社長:「当初は、『これって目標といえるのか!?』という内容のシートも出てきましたが、毎年継続するにつれて、皆がより具体的に、効果的に、シートを活用できるようになっていきました。」
「目標に向かって進む」という社風作り大きいですね。
(自社の目標管理シートも公開頂きましたが、休憩時間にシート目掛けて参加者が殺到されるシーンがありました笑)
能勢社長:「その後、人事評価制度の中のキャリア開発制度を作成するにあたり、
『このポジションに行くには、こういった能力が必要で、こんな外部研修を受講して、これらの本を読んでレポートを書く』といった具合に、
『ステップアップするには、どんな能力が必要で、そのために何をすればいいか』を、シンプルに明確に提示しました。」
これもまた、現場の皆さんで作成されたからすごい!
だからこそ、事務職で以前は一般職として入社した女性でも(男女問わず)、チャレンジの手をあげやすい環境になっているのです。
もともと男性中心の古い体制があったところからここまで来られるのは、一朝一夕ではなかったと思いますが、取組を続ければここまで変われるのだと、参加者の皆さんの希望になりました。
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3.皆で叱咤激励し、応援しあう文化があるから頑張れる。
目標を、上司と部下のみが知っているのではなく、仲間も知っているという能勢鋼材さん。
能勢社長:毎月1回勉強会を開催されていますが、メンバーは、部署をこえ、役職や立場も超えた8名で構成されています。
そのメンバーで、互いに目標を共有し合い、叱咤激励しあいます。
上司だけが部下の目標の進捗をするのではなく、仲間で、というのが良いですよね。
仲間が頑張ってる姿がまた自分の刺激になり、ステップアップすることが当たり前という文化が形成されているそうです。
4.女性座談会で横のつながりを作る。
とはいえ、男性社会で女性が意見を発するのはなかなか難しいもの。
そこで、以前より女性座談会を開催し、女性同士の横の繋がりを強め、女性同士で何でも気軽に相談できる状況をつくっておられます。
Tさん、Iさん:そこで、業務改善のアイデアがあれば、「次回は上司に入ってもらって直接改善しよう!」と、具体的に改善を進めていったり、育休から復帰して働くのはやっぱり不安という声を聞いて、どのように解決できるか考えたり。
当社は、育休から復帰しても、職務階級が落ちることは無いですし、個々に柔軟に対応していく社風ではありますが、こうしたホンネのやり取りができるのは、大変有意義な場になっています。
決して、上司対女性部下にならないように、お互いに同じ方向を向いて、自分たちが楽しく働けるよう、そして会社が成長するように取り組んでおられるところはさすがです。
女性活躍というのは、女性だけが活躍するのではなくて、
結局は、男女問わず、やる気と実力がある人が手をあげてチャンスを掴んでいけるようになる。
だから、女性も活躍しているということを改めて実感しました。
やはり事例にまさるものはない。説得力が半端ないですね。
能勢鋼材さん、ありがとうございました!