Woo!(ウー)

4足のわらじでをはいて奮闘する、2児の母で開業4年目税理士Yさん

働く女性のみなさんこんにちは。安川里誉(やすかわさよ)と申します。
大阪で税理士事務所をしている私ですが、今回は自己紹介を兼ねてこれまでのお話しをさせて頂きます。

1 大変だった資格取得


もともとはこの仕事は好きでしたが資格をとろうという意識はまったくありませんでした。
結婚が早く、20歳で結婚して、子供ができるまでの間に少し期間がありました。
子供がなかなかできないなら学校でも通ってみようかという軽い気持ちで・・・。

フルタイムの仕事をしていたので、仕事が終わってからの学校・・
家事もあったのでそこそこしんどかったですが久しぶりのお勉強が楽しかったのもあって、
なかなか充実した毎日だなぁと満足して過ごしていました。

あるあるだなぁと今振り返れば思いますが
お勉強を始めて4か月後、2年もできなかったのに妊娠。

嬉しさで舞い上がって、その後のことはあまり考えていませんでした。
若かったからでしょうか・・今の歳ならすぐにまずお勉強をやめていたんじゃないかなと思います。笑

身体はとてもしんどかったですが(妊娠で10キロ太ったせいだと思います)
仕事も出産2週間前までさせていただき、初の税理士試験は臨月の大きなおなかを抱えて受けにいきました。
正直そのときは、不合格であれば資格取得はやめてお仕事と育児と家事の3足のわらじで生きていこうとひそかに思ってました。笑

それがまさかの合格。
1科目受かれば続けるしかないという変な使命感から私の受験地獄が始まりました。

2 仕事と家事と育児と受験勉強


3足のわらじというのはよく聞きますが私は4足でした。

仕事は子連れできてくださいとおっしゃってくださったので、産後3週間で復帰。
職場にベビーラックを置かせていただき、パソコン入力をしながら、足でラックを揺らせました。

長女は本当に手のかかる子で、気が狂うかと思いました。
同伴出勤にもメリットがたくさんありますがもちろんデメリットもたくさんあり、
考えた結果保育士の姉にあずかってもらえるときは預かってもらいました。

家事もバタバタ。
学校へは日曜日にいっていました。
日曜日コースは朝から夕方まで。

朝イチに眠眠打破を飲んでなんとか眠らずに講義をうける・・わたしまだ産後すぐなんだけどな・・・と思いながら。

姉の家でも数々のトラブルを発生させる長女。
この生活やっていけるのかなと思いながら本当に今思えばただ若かったからの勢いで日々過ごしました。笑

私は根本的には頭が悪いと育てられました。
人の倍勉強してはじめて人と同じくらいだと言われ続けて育ったので、
学校が400時間勉強してくださいと言えば800時間の計画をたてました。

毎日手帳に今日は何時間と記入して(ストップウォッチを使って正確に)、それでも達成できたのは600時間。
夜なかなか寝付けない子供に合わせて夜8時に一緒にねて朝4時に起きて勉強をするという生活スタイルに変えたのもこの頃でした。

自分が忙しいとついつい思い通りに動いてくれない子供にイラっとしてしまったり、
イラっとしてしまったことがすごく悲しくなって子供を抱きしめて泣いたり、
これでもし資格をとれていなかったら思い出したくもない日々だと思います。笑

こんなバタバタな日々だったので2人目はあきらめていました。
どう考えても無理だと。笑

でも長女が、「どうして私は一人なん?さみしい」と何度もいうので、私の中にも迷いが生じてきました。
私ももともとは子供が4人ほしかったので。笑
4足のわらじの中で、手放せるのは仕事だけでした。

仕事はまたできるときがくる。
頭はどんどん動かなくなるはず。
今は仕事をいったんお休みしようと。

幸い二人目を授かって、今度はつわりとの格闘。
ものすごくきつくて、そんな中でも一番のヤマである法人税法の勉強を始めていました。

学校に通うことが現実不可能なので、WEB通信という通信講座での勉強に切り替えました。
通信というとみなさんびっくりされるのですが、私にはとてもあっていました。

本来の真面目な性格から、提出物は期限内に必ず提出するということが自分の職務のようになり、
自宅であれば吐きながらでもお勉強ができるのでなんともありがたい制度でした。

吐くときはお手洗いで吐きなさい!!!と
散々長女にいってきたので、ふいに吐いてしまったときは
「ママ・・いつもおトイレでって言ってたのに・・間に合わなかったんやな・・・そういうこともあるよな・・わたしもそういうことあったしな・・・」と
嫌味に耐えてがんばりました。笑

まさかの法人税法一発合格で、山も半分のぼり終えた気でいました。
でも実際はここからが長かったです。

ここまではすべて1発合格できたのですが
残り2科目は2年ずつかかりました。
それでも長女の幼稚園生活を一緒に楽しみながら、次女のかわいさに癒されながらの楽しい毎日でした。

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3 開業するかしないか


無事5科目合格したときは、本当に涙がでました。
今までの生活が一変する、やっとお勉強から解放されるーと思って(登録会で、これからも一生勉強ですと言われ、とたんにへこみましたが)。

1番胸がいっぱいになったのは、長女が大号泣したこと。
「ママ、やっとやっと終わったね。よかったね」
って泣いてるのを見て、この子にもたくさん我慢させたんだろうなと思うと、これからこの道で頑張っていこうという意欲にもなりました。

毎年結果発表の頃に父も電話してくれましたが、不合格だったときは、いつも優しい父ですが、
慰めるとかまったくなく「あほ!勉強さぼっとったんか!」と言われました。

「私のこの日常見てみろこのクソジジイ!」と思ったこともありました。
でも、5科目合格したとき、電話でお父さんも大号泣してくれました。
「自慢の娘やから」と、言ってくれました。
ここまでやってきてよかった。

勉強期間中は、やりたいことほとんど我慢しました。
テレビもろくに見てません。
どうしても見たいものは録画して3倍速で見ました。(昼ドラと昼顔はみました)

お友達と遊ぶのも控えて、お酒もほとんど飲みませんでした。
男性が書いている勉強本には、お休みの日は子供を公園に連れて行ってあげて
その間に座って本を読むとよく書いてあるのですが、これはママはできません。

ママは公園に連れて行くと、他のママさんとのお話タイムが大事です。
子供同士遊んでいるのに自分は座って本を読むなんてことはできません。
でもその時間は大切です。

いろんな悩みを話したり、自分の現状も話したりして、試験前は子供を預かってくれたりしてくださいました。

4 父の言葉


開業してから最初2年は親族のお仕事だけで初めてのんびりした日々をすごしていました。

現在開業4年半になり、ありがたいことにたくさんご紹介をいただいて事業として成り立たせることができています。
娘たちももう中1、小3になり、手がかかる時期もあっという間にすぎてしまいました。

お仕事をされるお母さんのお話でよく聞くのが
「小さいときはずっと一緒にいてあげないとかわいそうじゃないか・・・」
ということです。

私は全然そうは思いません。
いや、当時はそう思っていました。

寝顔を見て何度も泣きました。
でも今振り返ると、わたしと離れている間に私が考えている以上に大きく成長してくれていました。

保育所でもたくさんのことを学んでくれていました。
小さいころは「話聞いて!これやって!」と言っていた長女が、
今は私がしんどそうなのを見ると自らお手伝いしてくれます。
(特に自分のテスト前。点数が悪かったときの言い訳にするのか?!笑)

私がずっと家にいて子育てをしていたとしても、今のように育てられたかどうかわかりません。
私は、がんばる自分の姿を見せることが自分流の子育てだと信じています。

私の考え方には、父の言葉が大きく影響しています。
父は、私が結婚するとき旦那に
「こいつは何もとりたててできないけど、一生懸命育てた。こいつのいいところは、やるといったら絶対最後までやり通すこと。誰が何を言おうと、自分が決めたら絶対にやり通す。
そこだけはわかっといて。」
と言ってくれました。わたしからすると、意外でした。

そう思ってくれてたんだ・・と。
まぁ平たく言えばただのガンコ。笑

でも時折父のこの言葉を思い出して、そう思ってくれてる父の気持ちにこたえたいと気持ちを立て直しています。

自営業の父は、日ごろは36歳の娘を溺愛してくれますが仕事に対しては厳しいです。
「おまえ税理士やろ!」と怒られることもあります。
「お客さんの悩みを聞いてあげる立場の人間が自分のことぐだぐだ悩んでてどうするねん!
 税理士になれたっていうのは、勉強して努力したからなれたんじゃない、その仕事をしていいって認められたってことや。与えられた資格や。プライドもってやれ」
と怒られます。

でも最後には
「おまえならできる。お父さんの娘やから。なにかあればお父さんになんでも言いなさい。」
と言ってくれます。

お金ちょうだいと返事しました。笑

でも父の言葉に間違いはないと思います。
いつも心に刻んで、そして娘たちにも「あなたたちはお母さんの娘やから大丈夫」と自信をもって言える母になりたいと思っています。

仕事と子育ての両立といえるほど、きちんと両立させてきたのかと言われれば自分でも謎ですが、
この長い期間振り返っていえることは、自分がやっていることに自信をもってその背中を子供が見てくれれば
それは素敵な子育てなんじゃないかなということです。

そして、人に甘えさせてもらうこと。

たくさんの人のおかげでわたしもここまで来れました。
手がかかって仕方なかった長女を預かってくれた姉夫婦、試験前に子供たちを預かってくれたママ友達、
自分が忙しくてもなにか仕事手伝おうか?と声をかけてくれる友達(時給はださない)、
しんどいときに助けてくれた両親、わたしの仕事についていろいろ気にかけて声をかけてくださる社長さんたち。
そして最愛の娘たち。
みんなに甘えさせてもらったから今の自分があります。

恩返しはこれから。
あとで倍返しすればいいんだと思っています。
甘えさせてもらわなかったら、きっと今の自分はない。

女性はもっと社会にでてほしいと私は思います。
まだまだ少ないです。
子育てや家事で男性と同じスタイルで働けないことも多々あります。

でも、絶対にできます。
女性だからこそできることがたくさんあると私は思っています。

落ち込むこともたくさんありますが、今は、長女が「わたしも税理士になる!」と言ってくれるので、
娘に恥じないように生きていこうと思っています。