みなさま、こんにちは。ナチュラルリンクでインターンをしている川崎夏子です。
今回は学生のOBOG訪問を受け入れてくださった、株式会社エクスの採用担当、市野秀仁さんに社内教育、採用についてお伺いしました。
1 相互利益を生むOBOG訪問
ー川崎:本日はよろしくお願いいたします。早速ですがどうして今回、OBOG訪問テストケースの話を受けてくださったのでしょうか。(現在ナチュラルリンクでは、女性活躍推進企業と意欲のある女子大生を繋ぐOGOB訪問検索サイトを作成中です。)
ー市野さん:よろしくお願いします。きっかけはナチュラルリンクの高野社長から当社代表の抱にお話があったことです。
実は先日、ある大学のゼミ生の方が十数人会社に来てくださり、社員数人と懇談をする機会がありました。その後参加した社員と、「学生さんと話すことは普段考えない視点で物事を捉える機会となり、自分たちの内省にも繋がる貴重な時間だった」と話していたところだったんです。
こういった機会は学生さんにも会社にも、双方にメリットがあると考えて、OBOG訪問を受け入れようと考えました。
ー川崎:学生側にとっては確かに貴重な機会ですよね。
会社としてのメリットはやはり「社員の意識が変わる」という部分なのでしょうか?
ー市野さん:意識の部分ももちろんですが、実際の仕事にも活きます。例えばSE(システムエンジニア)はパソコンの前で作業をしているイメージが強いかもしれませんが、自分だけの視点で物事を考えてはいないのです。
ー川崎:少し意外でした。なぜ別の視点が必要なのですか?
ー市野さん:SEはIT部門以外の現場のお客様にも商品の魅力や使い方をきちんと伝えるためのコミュニケーション能力が必要なんです。学生さんと話すことは、違う価値観や知識の差を認めて話すスキルの向上にも繋がります。
ー川崎:確かに、IT製品に詳しくない大学生はたくさんいますし、大学生にもわかる形で商品の魅力を伝える力は、そのまま仕事に活きそうです!
2 「社内教育」は「支援」
ー川崎:採用や教育の担当をされている市野さんにお聞きしたいのですが、日本では社内教育を重視する企業は多いのでしょうか?
ー市野さん:はい。社会全体で企業の社内教育についての関心は高まっていると感じています。
ー川崎:御社では、社内教育をどのような位置づけとしてお考えですか?
ー市野さん:エクスでは、教育を”支援”として考えています。
ー川崎:支援…ですか?
ー市野さん:はい。本人が自分にとって必要だと思うことを探し、実践する支援です。これは気づきやきっかけがないとなかなか見つけられないものだと思います。
入社から何年たったら研修を受けるとか、部長や課長など階層ごとに会社から教育を与えられる会社も多いですが、エクスは新人が受ける研修以外はほとんど決まっていません。
会社から強制的に研修を受けさせることはあまりしたくありません。 仕事における自分に足りない部分は、自分でも探すものであり、自分が学びたいと感じて学ばなければ、改善していきにくいからです。
そこで、人材教育会社が提供する教育研修サービスを利用し、様々な種類の講座から本人が希望するものを選択し、上司の許可が下りれば受講出来る体制を作っています。
ー川崎:自分から課題を見つけない限り、成長には繋がりにくいという話を聞いたことがあります。
ー市野さん:自発的に行動する手助けとも言えますね。実は今回のOBOG訪問についても、若手社員全員に話を投げて、参加したい人を募るという形を取っており、自発的に行動してもらっています。
ー川崎:そうだったんですね。知りませんでした。
ということは、教育を行う目的は、自発的になってもらうことなのですか?
ー市野さん:大前提として、私たちは営利企業なので、教育を行う目的は「会社の業績をあげるため」です。 そのためには個々人が自分に合った方法で楽しく働くことが大切になってくると考えています。1つの能力をとことん伸ばしたい人もいれば、新しい仕事にどんどんチャレンジして自分の能力の幅を広げたい人もいます。
それぞれのニーズはまちまちなので、ニーズを満たすために自分が必要なことを見つけるための支援が必要なのです。
ー川崎:なるほど、個々人のニーズは異なっているがそれを満たすために何をしたらいいのか自分で考え、行動に移していけば自分に合った方法で楽しく働くことに繋がりますね。教育を行う目的を突き詰めれば、ここにたどりつくのですね!
何をしたらいいか本人が考えるきっかけを与え、機会を提供する形で支援していけば、それぞれのニーズに合った成長が出来ますね。
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3 一律の教育の難しさ
ー市野さん:考え方が異なる人たちに一律の教育を与えても、得られるものは少ないですし、簡単なことではありませんが個人にフォーカスする教育が大切だと思います。
ー川崎:先程、会社から強制的に研修を受けさせることはしたくないとおっしゃっていましたね。
ー市野さん:時代の流れというのもあります。例えばリーダーシップも時代を経て変わってきています。高度成長期のときは強いリーダーに付き従っていけば上手くいっていましたが、今の混沌とした世の中においてそういう考えでは上手く回らないことが増えています。お客様のニーズも多様化しているので、現場の社員が自ら考え行動することが必要な時代になりました。
ー川崎:小中高大を通して、私はリーダーとは上に立つものではなく、みんなと同じ場所に立って一緒に引っ張っていくものだという風に聞いてきました。強いリーダーが正しかった時代もあるのですね。
ー市野さん:今はそんな風に教育を受けているのですね。リーダー論だけではなく、会社そのものも高度成長期やバブル期とはずいぶん変わってきました。
ー川崎:特に何が変わってきましたか?
ー市野さん:知恵や情報を自社の中だけでとどめておくことが減りました。当時は市場や競合も国内である会社が多く、自社のノウハウだけで戦えましたが、今では市場や競合は世界規模へと広がりました。その中で、自社だけの力では戦えないので、知見を外部にも求めるようになったのでしょうね。
今の時代の流れで、一律の教育が持つ意味は少しずつ薄れていると思うのです。
4 採用するときに大切にしているのは
ー川崎:バラバラの考え方を持つ学生たちが面接を受けに来ると思うのですが、採用において大切にしていることはありますか?
ー市野さん:難しい質問です。営利企業なので、会社に利益を生む人材がほしいわけですが、環境によって人がどう動くかは読み切れません。どうしてもミスマッチが起こってしまうことがあります。
マッチングが大切ですかね。
ただとんでもないずれでなければ、会社に入ってから一緒に修正していくことは可能だと思います。
ー川崎:学生にとっても難しい問題ですよね。では学生はどのように対策すれば良いでしょうか?
ー市野さん:自分がどうしたいのか、自分自身のビジョンを考えることが必要だと思います。 みんながやっていることをやるのが幸せだと感じる人なら、同じことをしたらいいし、人と違っていることが幸せな人なら、違うことをしたらいい。 私は人と違う方がいいですが、それは個人個人考えが異なる部分だと思います。
自分が自分の人生でどうありたいかを考えて、行動を取捨選択していき、
振り返って自分で正しいと思える選択をしていってほしいと思います。
ー川崎:振り返ったタイミングによって、正しいと思えたり思えなかったりしますよね。でも正しいと思える選択がしたいです。
ー市野さん:必ず正しい選択を毎回することは出来ないし、常に楽しい選択が出来るわけではありませんが後悔の少ない選択をしていきたいですよね。
ー川崎:そのためには自己理解が必要ですよね、自分が何を望んでいるか理解しなければいけませんし。でも自己分析って結構難しいです。
ー市野さん:自分を理解するには他人を理解することが必要だと思います。他者理解あっての自己理解です。自己分析では自分のことしか出てきません。
私が以前参加したものに、似た集団でワークをするというものがありました。例えば外向的なグループと内向的なグループにわけ、自分が当てはまると思う方でワークをします。
そのグループの居心地がいいなら、自分に合っているし、もう片方の方が心地いいなら、自己分析とは異なる結果となるわけです。
自分にはない発想を知ることも大切なので、ワークをして他人を理解することが自分の理解に繋がることもあると思います。おすすめです。
ー川崎:なるほど、自分一人で分析するのではなく、他人との交わりの中で、自分を見つけていくのですね。
本日はたくさんのお話ありがとうございました。
株式会社エクスについて
代表者名 代表取締役社長 抱 厚志
設立 1994年9月1日
従業員数 100人(2017年3月1日現在)
所在地 大阪(本社)オフィス
〒531-0072 大阪市北区豊崎3-19-3 ピアスタワー20F
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