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「他人と過去は変えられない」というコトバ、実は「過去は変えられる」の間違いだった!?

働く女性の皆さん、こんにちは。神野沙樹です。

みなさんはこんな言葉を聞いたことがありますか?
「他人と過去は変えられない変えられるのは、自分と未来だけ」
自己啓発の本やセミナーでは良く聞かれる言葉です。

確かに、自分の心のもちようで、未来はどんどん変わります。

一方で、「人を変えよう」と思ってもなかなか変わりません。
「過去を変えよう」と思っても、歴史は動きませんね。

しかし最近、「あれ?過去は変えられないというのはウソなのではないか!?」と思った出来事があったのです。

1 自分を出さずに「いい子」で居続けた18年間

ここでは大学生1年生のYさん(女性)の話をしたいと思います。

Yさんは本当のお母さんの記憶がありません。なぜなら、2歳から児童養護施設で育ったからです。お父さんとは年に2回は会っていたそうですが、お母さんは2歳の時に別れたきり、会ったことも見たこともないのです。

これまでの人生、「お母さんは私を捨てた」と恨み続けたと言います。そして、施設ではいい子でいよう、迷惑をかけない子でいようと「自分」を出さずに18年間生きてきました。涙も見せたことが無いというほどです。

2 その時歴史は動いた

私が初めてYさんに会ったのが半年前。Yさんが通う大学の授業で出会いました。私は講師としてたまたま出向いたのでした。
その出会いからたった半年。今、Yさんはこのように話しています。

「お母さんに会うのは怖い。覚えてもらっているのかも分からない。何て言われるのか分からないから。でも、いくら考えても答えは出ないから、行動していきたいと思う。そして、これだけは伝えたい“産んでくれてありがとう。お母さんが私を産んでくれたおかげで、たくさんの人と出会うことができました”と」

そしてこうも言います。

「児童養護施設を作りたい。とはいっても、今のような暗いイメージのある施設ではなく、親がいる子もいない子も、年齢も関わらず誰もが集えるような、明るくて楽しい場を作っていきたい」

もし彼女が「児童養護施設」を忌まわしい場所として捉えていたのであれば、このような気持ちにはならなかったはずです。
さて。この半年で、一体彼女に何が起こったのでしょう。

■次のページへ>>>Yさんに起こった出来事とは…

3  人生は「振り返る」のではなく「受け取り直す」

たった半年で彼女に何が起こったのか。
それは、「自分の人生を真剣に受け取りなおした」のです。

過去の出来事を考える(見つめなおす)時、よく「振り返り」という言葉を使います。
「こんなことがあったよね」と再確認するという意味では、振り返りは意味があります。

しかし、もう一歩進める言葉として「受け取り直し」という考えがあります。「捉えなおす」といっても良いかもしれません。
つまり、起きた事実に対して「自分のいまの人生にとってどんな意味があったのか」と受け取りなおすのです。

例えば、児童養護施設で育ったYさん。
確かに、忌まわしい場所だったかもしれません。でも、児童養護施設で育ったからこそ分かることがたくさんあります。

例えば、家族の絆、在り方…。
私は、彼女の話を聴けば聞くほど、親に育ててもらったけれど親と真剣に向き合っていなかった自分が恥ずかしくなります。
今、我が娘と過ごしていますが「子どもと本当に向き合っているか」と彼女に問われると、痛烈に心が痛む自分が居ます。

彼女にしか発せられない言葉があります。彼女だからこそ伝わる言葉もあります。
起きた事実に対して「いい」「悪い」と評価を下すのではなく、「自分にとってどんな意味があったのか」と受け取りなおすことで、「過去」の意味合いは変わります。

4 自分の人生の「受け取り直し」を

みなさんには「消してしまいたいほどの過去」はありますか?
人生を何十年か生きていると、大なり小なりそういう出来事はお持ちかもしれません。

もちろん私自身もあります。
しかし、これまで色々な人と出会わせていただく中で、「自分自身に起きてきた過去」、それも「自分にとってはよくない過去」の意味合いが随分と変わってきたように思います。

「きっと何かの意味があって、その事象が起きている」と私は思います。

他でもない、「みなさん自身の人生」です。いま一度向き合ってみてはいかがでしょう。
「何の意味があるのだろう」「私にどんなメッセージを伝えているのだろう」そう、過去の自分に問うてみると、新しい自分が見えてくるかもしれません。

そして気づくはずです。「あれ?過去が変わった!?」と。