Woo!(ウー)

リーダーになったけどうまくいかない…そんな方への処方箋

働く女性の皆さん、こんにちは。小川由佳です。

「ついつい自分でやってしまう」

リーダーになった人の悩みとしてよく聞くことです。

実際のところ、(意識されているか、それとも無意識かは別にして)この悩みをもっている方は「本当は自分がどうすべきか」、頭ではわかっていらっしゃることがほとんどです。

自分でやった方が、短期的に見れば、精度も高いしスピードも速い。効率よく成果を出せる。
でも、長期的に見れば、メンバーは育たないし、自分はいつまで経っても忙しいまま。それだけでなく、下手をするとメンバーがやる気を失ったり、依存的になったりする・・・。

頭ではわかっていらっしゃるだけに、なかなかできない自分をもどかしく感じたり、自己嫌悪に陥ってしまったり・・・。気持ちのうえでもしんどいですよね。

では、どうすれば、メンバーに任せられるようになるのでしょう?

あなたは何を恐れていますか?

まず、メンバーに任せることで自分が何を恐れているか、思いつく限り挙げてみましょう。

たとえば、「メンバーがやると時間がかかって、納期に間に合わないかもしれない」「ミスがあるなど、成果物の品質が下がる」「メンバーの成果物をチェックする時間が必要になる」などなど。

とにかく洗いざらい挙げたら、次に、それが起こる確率について考えてみましょう。

そして、発生の確率が高いものについて、

①「恐れていること」が起こらないようにするための予防策
②「恐れていること」が起こったときの解決策

について考えてみましょう。

なお、これらは、単に頭の中で考えるだけでなく、紙に書き出すことをお勧めします。

というのも、紙に書き出すことで、頭の中にある漠然とした不安を全て紙の上で見える化し、一歩引いた立ち位置から客観視することができるからです。これによって、それまで漠然としていた不安要素に対処しやすくなるとともに、気持ちの面でも冷静になることができます。

リーダーの役割とは

リーダーの大事な役割の1つに、メンバーを育てることがあります。これは皆さん、すでにご存知のことだと思います。でなければ、「メンバーを育てること」について悩んだりしませんものね^^

では、この「メンバーを育てること」に関して、1つ大切なことをお伝えしましょう。

前項でも触れましたが、皆さんリーダーが恐れていることの大きなものとして、「メンバーが失敗する(ミスをする、納期に間に合わない、など)」ことがあるのではないでしょうか。そして、リーダーとして、いかにメンバーに失敗させないかを、あれやこれや考えているのではないでしょうか。そして、それでも失敗してしまうメンバーにイライラしていないでしょうか。

もしそうだとしたら、その捉え方を変えていただきたいのです。

「いかにメンバーに失敗させないか」が大切なのではなく、
「いかにすばやくメンバーの失敗をリカバリするか」が大切なのです。

前項の言葉でいうと、「恐れていること」が発生したときの解決策ですね。

ちなみに、リーダーの一番の役割は「チームで成果を出すこと」

これができるようになるためには、リーダーの方でも覚悟が必要です。メンバーは失敗するもの。
そのときに、一時的に、自分の工数が増えたり、メンバーとのやり取りが増えたり・・・といったことは避けられません。

ただ、これを乗り越えることで、一人で仕事を回しているときには得られなかった、1+1=3以上の成果を得ることができるようになるのです。

■次のページへ>>>では、具体的にはどうしたらいいのでしょうか?

 

まずはこの2つからやってみましょう

◆捉え方を変えてみる
「メンバーに任せられない」ことの原因として、もっとも大きなものは、本稿前半でも触れたような、リーダー側の漠然とした不安や恐れではないかと思います。

ちなみに、いくらメンバーが優秀でも、また、メンバーが最終的にこちらの期待した通りの成果物を出してくれるのだとしても、その成果物にいたるまでの過程、つまり、進め方や作業手順がリーダーである自分のものと異なっていると、それだけで相手に対して不安に感じるものです。というのも、自分と違ったやり方でやって本当に成果物(ゴール)に辿り着けるのか、リーダーに経験がないとわからないからです。

でも、そんなときこそ、メンバーを信じてみましょう。極端な話、100人いれば100通りのやり方がありえます。だから、自分のやり方どおりでないとうまくいかないかというとそうではないのです。

不安をぐっとこらえて、相手の様子を見守っていましょう。

◆「分解する」
それでも、仕事を任せるのが不安・・・という方。もしかしたら、その前提として「大きなひとまとまりの仕事をドンと任せること」を想定しているのではないでしょうか。

もしそうだとしたら、仕事を「分解して」任せるのもありだということをお伝えしたいと思います。
「作業ステップごと」、「判断が入るかどうか」、「他部署を巻き込む必要があるかどうか」などといった切り口で仕事を分解してみるのはどうでしょうか。

たとえば「判断が入るかどうか」で分解すると、
・判断する必要のある仕事
・判断は入らず、作業だけの仕事
に大別されます。

もしメンバーの業務能力に不安があるのであれば、まずは「作業だけの仕事」を振るというのは十分ありです。そして、そのメンバーが成長・習熟していくにつれて、「判断する必要のある仕事」を任せていけばいいのです。

まずは右腕を一人育てましょう

「どうすればメンバーに任せられるようになるのか」ここまでいろいろ書いてきましたが、それでもやはり二の足を踏む・・・ということであれば、まずはメンバーを一人選び、その一人に少しずつ任せてみるところからはじめませんか。一人に絞って「任せる」ことにチャレンジするということです。

それによって、「メンバーに任せる」感覚がつかめたら、他のメンバーに任せることも今よりもずっとやりやすくなるでしょう。また、最初の一人が育ってきて、あなたの右腕となってくれば、そのメンバーから他のメンバーに教える&任せるということも可能になりますね。

以上、皆さんの参考になりましたでしょうか。

ちなみに、ここで書いたようなリーダーとしての対処法は、拙著『仕事にも人生にも自信がもてる!女性管理職の教科書』にも詳しく書いています。もしよろしければ、こちらも参考にしていただくといいかと思います。

ぜひがんばってください!
応援しています^^