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脱・「全部自分でやっちゃうリーダー」!今日から「割り振り上手なリーダー」になろう!

こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋紀子です。

よく、忙しいリーダーの方からこんな悩みをお聞ききします。
「仕事をメンバーに任せようと思うけどつい自分でやってしまい、気付くとキャパオーバー。もっと周囲に仕事を振っていかないと自分が倒れてしまいそう」

リーダークラスになると、キャリアを積み重ねるうちに目標がどんどん高くなり、そこにメンバーのサポートという新たなタスクも加わって仕事の絶対量が増えるわけですから、今まで通り自分が全部やっていたら疲弊してしまいます。

「リーダーである自分が責任をとらなきゃいけない」
「教えている時間がないから自分がやってしまおう」
「スキルと経験がある自分に仕事が集中するのは仕方がない」

こう思い込んでいる人は要注意!
なぜなら、自分一人で何もかも背負ってしまうと心にも体にも無理が生じますし、結果的にパフォーマンスが落ちるからです。

ではこんな時、どう考えて行動したらいいのか?
解決策としてのポイントをお伝えします。

そもそもリーダーの仕事とは?

確かに、「自分がやった方がうまくいく」「クライアントからのご指名だから」といったこともあるでしょうが、思い切ってメンバーに任せるのがリーダーの仕事。しばらく経つとクライアントも任された本人も慣れてくるので、意外とうまく回り出すもの。もちろんメンバーの能力を把握し、遠くから経過を見守ることは必要ですが、スムーズに進んで逆にびっくりした、なんてこともよくあります。この最初の一歩が、なかなか踏み出せないんですよね。

大切なのは、「リーダー本来の仕事を見極めること」。
そのためには3つのステップがあります。

1.リーダーの仕事の「最優先」を明確にする。
最優先は、「リーダー(自分)にしかできない仕事」です。

気をつけなければならないのは「リーダー(自分)にしかできない仕事」は、自分がやった方が「成果が上がる仕事」「スムーズにいく仕事」ではないということ。これを「最優先」に入れてしまうと、すべて手放せなくなってしまい、結果的にキャパを超えてしまいます。

育児で例えると、母にしかできないこと=「授乳」のような、「本当に自分にしかできない」ことは何ですか?仕事の整理整頓をしてそれを見極めましょう。

2.「リーダーにしかできない仕事」の量を考える。
仕事の整理整頓をしたら「リーダーにしかできない仕事が1日5時間になった」
としたら、それはまだまだ手放せていない状態。実際、「自分にしかできない仕事はリーダー会議への出席だけだった」という人もいました。ここは思い切って客観的に見極めてください。意外と少なくてびっくりするかもしれません。

3.「リーダーに求められること」を自覚する。
それは全体をよく見て予測し、「想定外のこと(クレームも含めて)に対応する」「メンバーをサポートする」こと。だからこそ、それができる余白をスケジュールに設けることが必要です。

今後は「働き方改革」が進み、労働時間の見直しや時間あたりの生産性が今まで以上に求められるのは間違いありません。そうすると、残業が前提の働き方はできなくなるわけですから、限られた時間の中で「本当に自分がやるべきこと」を見極める力が必要になってきます。

「仕事を振ること」を躊躇しないために

リーダーとして「自分がやった方が早い」「いいものができる」、確かにその通りだと思います。経験もスキルも知識も上であるリーダーと比べると、メンバーは「まだまだ」な存在です。でも、仕事を振る時はリーダー自身の意識の変革が必要。

つまり、自分を「100点」だとしたら、メンバーの「75点」「85点」もOKにする、という考え方が必要なのです。(これは仕事内容にもよりますし合格点もさまざまですが)

「えー、それだと仕事の質が落ちるのでは?」と思った人は、完璧主義に近いかもしれません。

もちろん、完璧を目指したい向上心は大事ですし、組織に損害を出すわけにはいきませんが、過剰な完璧主義は自分もメンバーも苦しめることになります。実はそこまでのクオリティは必要ない、求められていない、という場合も結構多いですね。

完璧を求め過ぎると仕事は際限なく続き、いつまでたっても終わらない悪循環にはまってしまいます。だからこそ、例え75点だとしても期限で区切ったり、時間で区切ったり、どこかで仕事を終わらせる必要があります。

実は「仕事を終わらせる」のも能力。これでOK!と「決める」のは、リーダーとしての大切なスキルなのです。

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「仕事を振る=メンバー育成」の大事なチャンス!

メンバーに仕事を振らないということは、チャンスを与えていないということ。リーダーの仕事を振るのですから、メンバーにとっては自分の能力よりもちょっと上のチャレンジングな仕事かもしれません。背伸びしないと届かないレベルならなおのこと、ステップアップのチャンスです。

だからこそ、がんばって達成できるような「仕事を振ってからのサポート」がとても大切です。任せた結果うまくいったとしても、小さな失敗があったとしても、そこから学べるようにフォローするとそれは有意義な経験になるので、次にはもっと伸びるはず。裁量性を持たせることはメンバー育成の大きな鍵です。

「仕事を振る=メンバー育成」以外の大きなメリットは?

なかなか自分の仕事を手放せないリーダーを見ていると、「大変そう」と同時に「もったいない」と感じます。

いつまでたっても従来の仕事から離れることができず(それが楽で心地よかったりするのですが)、新しい仕事を受けることができないからです。これは非常にもったいないこと。リーダーにもチャレンジは必要ですから、自分自身の成長のためにも「手放す→新しく入ってくる→チャレンジ→成長」のサイクルを回したいもの。

知識やスキルが身についたリーダーの新たなチャレンジが、組織を発展させるのは間違いありません。また、意欲的に次のステージに向かう姿は、周囲の刺激になることでしょう。

「メンバーの育成とリーダー自身の成長のために」という意識を強く持って、適切に仕事を振っていきましょう。

※高橋さんのサイト
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