働く女性の皆さんこんにちは。直近2週間分の食習慣から病気の原因と最短距離での治し方が分析できる、はり師きゅう師の国家免許を持つ食養指導士の郷美由貴と申します。前回お伝えした前編では、リバウンドせず健康的に理想的な身体を作るために必要なことは「栄養素という常識を捨てること」が大事だということを書きました。
まだお読みでない方や、内容をお忘れの方は前編をご確認下さい。
今回は巷で話題のダイエット法である「スパイスで代謝を上げてダイエット」をすることが日本人にとって失敗の元である理由について述べて行きたいと思います。
燃える身体を作りたくてトウガラシやキムチなどをせっせと食べている女子の皆様には大変申し訳ありません(笑)
結果が出たという方は、他の食習慣や生活習慣、運動量などと相対的にバランスが取れていたと思いますので当記事はお読みにならなくても結構です。
必死で頑張って辛い物を食べ続けていたのに、きれいに痩せることが出来なかった方は、ぜひこの記事を読み、御反省の一助として頂けたら幸いです。
1 巷で話題のダイエット法検証~「スパイスで代謝を上げる」ことが日本人にとって難しい理由
「脂肪を燃やすにはカプサイシンで代謝を上げることが肝心!」というようなキャッチフレーズは、もはやダイエットの代名詞の一つと言えるかもしれません。
トウガラシ、カレースパイス、生姜、胡椒などを摂ると、身体が熱くなって汗をかきます。
それがあたかも運動をして汗をかいているのと同じような、
“代謝が上がっている感”を演出してくれています。
「代謝が上がっている感」「演出」という言葉を使ったのは打ち間違いではありません。
香辛料で汗をかくのは、運動で汗をかくのとでは、目的は同じでも、
その後身体に及ぼす影響が全く異なります。
結論から言いますと、香辛料で代謝が上がるというのは錯覚に近い誤解です。
運動をしたり、香辛料を摂ると、体熱が上がります。
人間の平熱は36.5℃~37.2℃ですから、それ以上体温が上がると、
汗をかいて放熱し、体温を元に戻します。
風邪で高熱が出た時に汗をかくのも同じ原理です。
但し体熱が上昇した理由が、そもそも運動と香辛料では違います。
運動では、筋肉を動かした時に熱が発生します。
筋繊維は運動により強化されますので、筋繊維が太くなるほど発生する熱量は上がります。
つまり筋繊維を太くすると代謝アップに繋がります。
2 香辛料の作用とは?
一方香辛料と言えば「辛み」です。
これは正確には味覚ではなく「痛み」です。
トウガラシを掛けすぎたら辛いではなく痛いと感じるのはこのためです。
小さいころ悪さをして、親御さんに打たれた時、
ほっぺたが腫れ上がった経験が1度くらいあると思います。
打たれたら痛いです。打たれたところは熱を持ちます。
これが香辛料を取った時に起こる熱の正体です。
また東洋医学から発生した食養学では、香辛料は炎症反応などを悪化させる作用が強い食材と考えます。
炎症と言えば、炎のように燃えがる反応です。熱いのは当たり前です(笑)。
細胞からすると、香辛料という攻撃を受けて発熱した際、まずはその熱を逃がす行動を取ります。
この時汗が出ます。
但し身体は熱を発した結果、放熱しているのではなく、
外的な攻撃を受けて放熱していますので、汗が治まった時身体の中は平熱より冷えるのです。
辛いものばかりを食べ続けた結果、冷え性が悪化するのはこのためです。
(運動などを定期的にしている方は別です)
もう一度言いますが、代謝を上げるなら筋繊維を鍛える他ありません。
細胞にダメージを与えて、放熱するだけでは代謝は上がりません。
むしろ必要以上に身体を冷やしますので、最終的に代謝を下げることになります。
スパイスはインドや中東など熱い砂漠地帯の国の食物です。
そこは日本より熱い地域ですので、身体の熱を冷ますために香辛料を摂るのです。
日本より寒い国で香辛料の発達している文化圏はありません。
熱い国の人々は筋繊維を鍛えて熱量が増えるのもあまり好ましくないため
(体温を上げ過ぎると熱中症になるため)
香辛料を利用してただただ身体のほてりを取るという方法が歴史上用いられてきました。
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3 もうひとつのおススメしない理由とは?
このように冷える、痛めるということが、
いかに身体の機能を損なうかがご理解頂けたかと思います。
もう一つ、日本人がスパイスでダイエットを慣行することを絶対にオススメしない理由があります。
それが「偏食を招く」ということです。
辛い物を主体にした献立と言えば何を思いつくでしょうか。
キムチ鍋、カレー、生姜紅茶、トムヤンクン、色々あります。
これらを元気な方がたまに食べるなら別に構いませんが、
ダイエットのためと称して頻繁に食べると栄養失調になります。
カロリーが足らない、ビタミンが足らない、ミネラルが足らないという問題ではありません。
栄養学が日本人にとっていかに充てにならないかは、前述した通りです。
そもそも日本人は米を主食として、季節の煮物や和え物、小魚や海藻を食べてきた民族です。
それを必要不可欠な完全栄養食として健康長寿を貫いてきた歴史があります。
元来の日本食に「辛いもの」はほとんどありません。
インドや中東より寒い国の日本で、身体を冷まさなければならない理由はないのです。
裏を返せば辛い物を取り続けることは、日本人にとって必要な献立がほどんど入ってこなくなること。
辛い料理は肉や油と合わされることが多く、相対的に主食不足や海藻不足が起こります。
食べている量が多いか少ないかではありません。
日本人の身体に必要なものが入っていれば小食でも身体は美しく健康でいられます。
それが入って来なければ、何をどれだけ、学術的理論に則って食べていても、
日本人の身体は「栄養不足/栄養過多」になるのです。
それが栄養失調の原因。
これが起こると何が出てくるかというと、
「食べても食べてもまだ食べたくなる」というダイエットの敵とも言える心理です。
自分はお腹いっぱい食べていても、身体が必要とするものが入って来なければ、
身体は空腹状態と同じなのです。
つまり「食べ過ぎ」を招く要因になります。
4 体や環境に何が一番合うか
以上、
①日本人がスパイスを取ると最終的に身体が冷える
②痛みによる刺激で細胞にダメージが及ぶ
③スパイスを推奨することで、日本人の身体に必要な食事を取らなくなり、身体が飢餓状態になる
という3つの理由から、スパイスで代謝を上げてダイエットということが
日本人にいかに不向きであるかをご紹介しました。
リバウンドしない最短距離のダイエットの極意は、
「偏りを無くすこと」「無駄を省くこと」にあります。
日本人であるのに、日本人に合わない方法で
(例えばドイツの栄養学を取り入れて、インドのダイエット法を真似るなど)
健康や美容を図ろうとすると徒労に終わるのみ、です。
情報に振り回されないためには、
今一度自分の身体、住んでいる風土気候には何が合うのかを考え直す必要があります。
※記事についてのご質問、自分の体質に合った医学に基づいたダイエット法のご相談等はお電話にて承っております。
<郷美由貴さんの会社情報>
【養生医療サロンあくあ美療鍼灸院】
院長:郷美由貴
はり師きゅう師(国家資格)
自然医食フォーラム認定食養指導士
天津中医薬大学検体解剖研修修了
正食協会マクロビオティック料理教室上級修了
電話相談/初診申し込み(完全予約制)/お問合せ
072-425-3661 (診療時間10:00~19:00)
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はりきゅう I’SSHIN
【東京・表参道】(2017年度開院・医師在勤)
東京都港区南青山5-11-2 SANWA南青山ビル4F
ロシール・ホリスティック・クリニック青山
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「あくあ美療鍼灸院」宛にお送りください。
(DMの送付や営業のお電話は診療の妨げになりますのでご遠慮頂いております)
☆マキノ出版『壮快』2016年8月号・9月号にインタビュー取材が掲載されました。
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