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20代の働く女性へ~心が疲れてしまった時の処方箋

働く女性のみなさん、こんにちは。二瓶 明です。

私はいまタイのバンコクで働いています。
ずっと海外で働きたいと思っていてその念願が叶ったのですが、
タイに移り住んでから、当初は想定できていなかった多くの効能があることに気がつきました。

今回は「環境を変えることの効能」についてお伝えしたいと思います。

1 心が疲れ切っていた新卒ライフ

いま、私は20代の後半。仕事がやっと楽しくなってきたこの頃ですが、私の周りでは、仕事で疲弊しているんだという友人が一人や二人ではなく、たくさんいます。人づてにそんな話を聞くことも、本当にたくさんあります。

私自身も、ほんのちょっと前まで、とっても心が疲れていて、毎日泣きながら電車に乗って通勤していました。職場がいやだったわけではなく、とにかく「仕事」という存在が得体のしれないものに巨大化し、あらゆることに怯えて、人にもうまく相談もできずにいました。自信をなくし、防衛のために、事あるごとに泣いていました。

どう見ても「普通」の状態ではありません。笑 そんな私がいま、仕事が楽しくて仕方ないと本気で思っています。自分でも不思議で仕方ありません。

どうしてこんな話をわざわざ晒しているのかと言えば、自分の人生を通して体現したいことがあるからです。

ここで、海外で働くことをおすすめしたいわけではありません。
たまたま私は、海外で働くチャンスを得ていて、少なくとも日本にいた時に比べると、自分の理想に近い働き方を実現できています。

あくまで自身の経験から、私がいま楽しく仕事ができているのは「環境を変えたこと」がとても大きな要因だと考えています。

2 いまの環境が全てなんて思わなくていい

おそらく20代の私と同じくらいの世代は、一つの会社や組織の働き方しか体験したことがない人がほとんどだと思います。

同じ日本にいると、確かにほとんどの人が同じ言語を話すし、同じ「常識」を共有できているはず、という思いが強くなるからか、期待やプレッシャーも肥大化しがちです。

でも、いま目の前で通用していることが、すぐ近くではまるで通用しないなんてことは案外ざらにあります。

海外に出てみると、そもそも母語が通じないし、お互いに全く「違う」という前提からスタートするので、その期待やプレッシャーは不用意に引き上げられることはありません。「違う」という前提が共有しやすい環境です。

でもこれは、海外だからというのではなく、本来コミュニケーションの基本であると思うのです。同じ国にいようが、会社にいようが、それぞれ全く違う固有の存在です。最近よく耳にする多様性、ダイバーシティも、ここがスタートなのだと感じます。

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3 「常識」なんて、可変で、不安定なもの

不思議だなと思うのは、ほんの数年前まで、会社を休むという連絡は、メールやチャットで連絡するなんてあり得なかったですよね。電話番号がすぐに出て来なくって慌てたことも、結構ありました。

でも、いまや社内のコミュニケーションもチャットツールなどに代替されつつあります。電話で連絡するのはむしろ相手の時間を奪い取る行為で失礼だ、なんてことも言われることもあります。

いままで従順に「常識」だと思っていたことに倣っていると「え、こないだまで言ってたことと違くない?」と思ってしまうかもしれません。でも、それに文句を言おうにも「常識」が変化しているのだから仕方ない。

「常識」とは人間の認識であって、環境や時代の変化によって、いかようにも変化します。絶対的なものではありません。

私の場合は、みんなが何かの「常識」を共有していて、私だけがそれを知らないんだ、外れてるんだと、ひどい恐怖心まで抱いてしまっていました。

それが、一歩外にでてみたら、いろんな人がいて、環境があって、「常識」なんて単なる認識であったのだと分かりました。そして、そんな不安定なものを頼りにするよりも、迷いながらでも構わないから、「自分は何を大切にしたいのか」「どうすれば自分にも人にも誠実でいられるか」を突き詰めてその判断軸を自分の中に築く方が、よっぽど有意義なのだと気がつくことができました。

4 俯瞰するために、ちょっとだけ視点を広げてみる

環境を変えることで「常識」や「世界」の認識が覆ることがあります。いままでの環境をふと俯瞰して、冷静に落ち着いて判断をする材料にもなります。ただ、いきなり環境を変えることは、ハードルが高いと感じるかもしれません。それでも「環境を変えることって、そんな効能があるのかもしれない」と知っていることは、まず一つの処方箋になると思うのです。

・いま自分が見ている世界や社会が全てなんて思わなくていい。
・常識なんて、時代や環境の変化で容易に変化しうる。

毎日がんばってがんばって働いて、心が疲れてしまったときには、こんなことをぜひ思い出してみてほしいと思います。