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ぐいぐい引っ張らないリーダーシップ!彼女が慕われる理由とは?

こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋紀子です。
今日は「ぐいぐい引っ張らないのにメンバーが楽しく自発的に動いてしまう」、そんな女性リーダーのお話です。
これまでにお会いした多くのリーダーはアグレッシブで、強いリーダー像を追求していました。
今回ご紹介するアパレルショップのアヤさん(残念ながら顔も名前もNGとのこと)は、対照的。
メンバーの前を走って旗を振ることも、リーダーとしての強い色を出すこともありません。

でも彼女のメンバーは口を揃えて「アヤさんについていきます!」と慕っています。
そんなアヤさんならではのリーダーシップに迫ります。

1 会議でアヤさんが最初にやるのは「和みの場作り」

店舗での短い会議は毎日のこと。

そんな時アヤさんは最初に自分の考えや方針を伝えるのではなく、さりげない対話から始めます。
すぐ本題に入った方が効率的なのではと思う人もいますが、アヤさんいわく「大事なのは何でも話せる雰囲気作り」
最初の数分で場をあたためることを大切にしているそうです。

「最初の一言が会議の雰囲気を決めるので、楽しい対話からさりげなく始まった方が和んでいいなと。そうすると、何でも言っていいんだと安心できて意見が出やすくなるんです。私からガツンと言ってしまうとそれに合わさなきゃいけないと思って、自分の考えを言いづらくなるんですね」

2 会議は自己成長の場、主役はメンバー全員

会議の進行はリーダーであるアヤさんではなく、メンバーが交代で担当。
むしろちょっと話し合いの輪から離れて座ったり、あえて席を外したりすることも。

「任された方がやる気が出ますよね。私の気配がない方が話が弾むんじゃないかな。(笑)」

入社1年目でも2年目でも、メンバー全員が交代で担当するメリットは、
他の人のやり方を見て学べて、その気づきを生かして自分が実践できること。
会議進行のスキルがいつの間にか身につくそうです。

「15分の会議進行でも実は大切なスキルアップの場。会議の目的や落とし所がわからないと仕切れないんです。そして短時間だからこそ、事前準備が大事。これを繰り返すうちにショップ全体のことに目が向かうようになり、準備力も鍛えられます。」

回数を重ねるうちに確実に上達するので自己成長が実感でき、自信になることも大きなメリットだそうです。

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3 失敗の理由は聞かない、そのあとがあるから

メンバーが失敗した時、理由は聞かないと言うアヤさん。

「理由を聞いている時間がもったいないというか・・・。とにかく解決することだけに集中してほしいので、それを本人に考えてもらいます。本人は一生懸命『どうしたらいいか』を考えて、私は『大丈夫よ』と言うだけ。(笑)」

大切なのは「今、何をすべきか」を考えること。でもそのあとは?

「すべて解決したら、失敗した理由は本人から言いにきてくれます。私はそれを待つだけなんです。」

責めずに励まし、待ってくれるアヤさんは、メンバーにとって心から安心できる存在。
信頼関係はこうした「見守るリーダーシップ」の積み重ねから生まれています。

4 本人も気づいていない、アヤさんが慕われる理由

メンバーが大きな信頼を寄せているのは、アヤさんの柔らかい話し方と笑顔があるから。
本人は無意識だと照れ笑いしていましたが、いつもニコニコ、
相手の目を見て優しく促すように、共感的に話を聞くアヤさん。

普段心がけていることをお聞きしたら、「みんなが楽しく、気持ちよく働けたら業績はあとからついてくる。そのためには、和やかな雰囲気作りが大切」という言葉が返ってきました。

「何を言っても大丈夫」「何でも言ってみよう」そして「何でもやってみよう」と、
どんどん自発的に動き出すメンバーたち
アヤさんのさりげないリーダーシップがこれからも力になることでしょう。