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「Stop痴漢バッジプロジェクト」を運営する松永弥生さんインタビュー。

Woo!ネタリストであり、今までに、プログラマー、ロボット記事専門のライター、電子書籍出版コンサルタント等、他にも様々なお仕事を経験してこられた松永弥生さん。そんな松永さんが現在取り組んでおられるのが、メディアでも大きく取り上げられている「Stop痴漢バッジプロジェクト」。こちらについてお話をお聞きかせいただきました。

1.きっかけは、娘さんについて書かれた友人のSNSの投稿だった。

Stop痴漢バッジプロジェクト」は、11月4日からクラウドファンディングを開始しており、わずか6日間で目標金額の50万円を達成しました。現在は100万円に迫る勢いです。こんなに大勢の方に支援して頂き、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。

そもそも私がこのプロジェクトを始めることになったきっかけは、

「娘が、痴漢抑止のカードをカバンにつけて電車に乗るようにしたら、痴漢にぱったりあわなくなった」

という友人のSNSの投稿をたまたま目にしたことでした。

友人の娘さんは、高校に入学し電車で通学するようになってから、毎日のように痴漢にあっていました。

最初はショックで怖くて声も出なくて、そのまま泣きながら学校に行ったこともあったそうです。でも「このままではないけない!」と、勇気を出して声をあげるようになったんです。

すると、逆ギレされたり、やってないと言われたり、無視されたりで、せっかく勇気を振り絞ったのに全く解決にはいたらなかった。

そこで、朝は女性専用車両に乗ったり、痴漢対策のグッズ持ったり、車両を変えたり、乗る位置を変えたり、鉄道警察行ったり…と、
親子で自分たちでできることを全部やり尽くしてこの春、痴漢を捕まえることが出来たんです!

2.驚き!缶バッジ効果で痴漢にあわなくなった!

どうも常習犯だったようで、「はい、やりました」と素直に認めたそうなんですが、ただそこでショックだったのが、

「痴漢です!」と言ったのに、周りの大人は誰一人として助けてくれなかった。

痴漢した犯人も「お金を渡すから」と示談を迫ってきて、「私はお金が欲しいんじゃない。ただただ恐くて、もうこんな思いをしたくないだけなのに」と思うと、悔しくてたまらなかったそうです。

そこで、何とか策はないかと「痴漢抑止カード」をお母さんと一緒に作って、ダメ元でもいいからつけてみよう!と、カバンにつけて電車に乗るようになって半年。なんと”1回も痴漢にあうことがなくなった”んです!!カードには「痴漢は犯罪です!私は泣き寝入りしません!」という言葉が書かれています。

それが、私がSNSで見た友人の投稿だったわけなのですが、この投稿を見て私はすごい!と思ったことが2つあったんですよね。

1つは、つけるだけで半年間痴漢にあわなくなったというカードの効果
2つは、人の目がある中でこのカードを電車の中でつけられる勇気がすごい

ということでした。

このカードをつければ、確かに痴漢にはあわなくなるかもしれない。でも、実際にはなかなかつけにくいと思うんです。ただそんなことは言ってられないほど、彼女は追い詰められてたんだということも分かりました。

じゃあ、このカードを、缶バッチにしてみたらどうかな?もっとつけやすくなるし、缶バッチにすることで、周りのお友達にも広がっていくかもしれないよ!

そう思った私は、「試しに缶バッチを作ってみよう!」と提案し、早速作ってつけてもらったところ、缶バッチにしても痴漢にあうことがなかったんです!

「これはすごい!こんなところに解決策があったんだ!」と大変驚きました。また今までの痴漢対策は「痴漢にあったら、勇気を出して声をあげましょう」という、痴漢にあう前提で、あったらどうするかというものがほとんどでした。そもそもあわないようにすることを目的にしてないんですよね。

友人の娘さんも、女子高生たちも、

痴漢を捕まえたいわけではなく、純粋に痴漢にあいたくないだけなんです。

もっともっとこの取組みを世の中に広げていきたいと強く思いました。

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3.実際には、男性の支援者も多い。その理由とは?

彼女が被害にあわなくなったということは、犯罪者が減ったということです。

つまりは、痴漢冤罪被害も減ったということなんです。

よくよく話を聞いてみると「男性も被害者」なんですよね。多くが善良な方々なのに、一部の犯人のせいで、男性も痴漢に間違われないために、電車では手をあげてのったり相当に気を遣っておられる。男性も、加害者の被害にあっているということが分かりました。

ただこういった取組みをすると「冤罪被害が出たらどうするんだ!」と男性側からの批判が増えて、取組が立ち消えてしまうこともよくあるそうなんです。でも、この「Stop痴漢バッジプロジェクト」は違います。誰のことも攻撃していません。だから、男性にもこのプロジェクトを応援したい!という方が多いんです。

この取組みが求められ、応援されていることは分かった!じゃあ缶バッチを作るためのお金はどうしようか!

ということで、クラウドファンディングで制作費を集めることにしたら、冒頭にお話したように、いっきに100万円に届く勢いにまでにもなりました。

4.誰にとっても他人事じゃない。Stop痴漢バッジプロジェクト

次に考えたのは、「広報」つまり広げ方です。バッチを作って、自分たちが一個ずつ周囲に配るのも大事なのですが、それでは大きくは広がっていきません。

「こんな取組みをしているんだ!」ということをより多くの方に知って頂くためにどうするかと考え、

缶バッチのデザインコンテストをしてみよう!デザインを応募してくれた人が、「今私がデザインしたものが載っているから見て!」と友人や周囲に広げてくれるはず。そうすれば、この取組みを知る人が、10人、100人と広がっていくのでないか。

と考えました。

するとそれを聞いたある会社の社長が、クラウドワークスさんをご紹介くださって、クラウドワークスの方にこの構想をお話すると、「これは良いアイデアだから記者会見を開こう!」といってくださって、あれよあれよという間にメディアにも多数取り上げて頂き、

3週間で440点ものデザインが集まったんです!!

驚きと共に、もう本当に周囲の皆さんに感謝です。

頂いた缶バッチのデザイン案は最終的には、5つに絞ります。ただどれも素敵なデザインばかりで、正直選ぶのに苦労するなーという気持ちもあり…。クラウドファンディングで寄付をして下さった方々が、デザインに投票できる仕組みにしました。皆さんの手で選んだものが、5つのバッチになるんです。

なぜ「5つ」にしたかというのにも、こんな狙いがあります。

1,女子高生といってもみな好みがあるので、自分の好きなデザインのものをつけてほしい
2.1つのデザインのみだと、「あーこのバッチ知ってる」と周囲も慣れて風景化してしまうので、違うものをつけることで喚起し続けたい

この取組みをはじめて、色々な方に話を聞く中で、「実は私も、学生の頃痴漢にあったことがある。でも誰にも言えなかった」という方が多いことを知りました。さらに「その時に自分が何もできなくて、未だに女子高生たちが被害にあってるなんて」と責任を感じる人が多いことも分かりました。でも責任を感じる必要なんてまったくないんですよね。悪いのは加害者なのに。

またこれは「ああ~女子高生だけの話ね」と思う方も多いのですが、誰にとっても他人事ではありません。

「もし、自分の娘が大きくなって被害にあったら?」「自分の孫が痴漢にあったら?」そう考えると、誰だって自分の大切な身内をそんな目にあわせたくない。現在の、未来の被害を一人でも減らすように、私たちはこれからもこのプロジェクトを浸透させていきたいと思います。

クラウドファンディングは2月1日まで開催。デザイン投票は1月13日まで対応いたします。

Stop痴漢バッジプロジェクト」のデザイン投票を行なっています。
あなたも寄付をして、缶バッジのデザインを選んで、この取組みを応援してみませんか!?

Stop痴漢バッジプロジェクト
http://scb.jpn.org/
痴漢抑止バッジをつけて、痴漢行為から身を守ろう!【Stop痴漢バッジプロジェクト】痴漢は犯罪です。私たちは、泣き寝入りしません。

クラウドファンディングURL
https://faavo.jp/tokyo23/project/806