Woo!(ウー)

「僕が目になろう」スイミーが働く女性に教えてくれる大切なこと

働く女性の皆さんこんにちは。
世の中には、大切なことを教えてくれる本がたくさんあります。ビジネス書、小説、指南書、そして絵本も。働く女性の毎日は忙しい。やることがたくさんで1日があっという間に過ぎていきます。でもそんな時、ちょっと立ち止まって、生きることについて、人生について、振り返ってみるのもありですよね。

1.黒くて小さなお魚の話、「スイミー」を知ってますか?

「小学校で習ったのを覚えてる!」「子供が学校で習った」「ぼくが目になろう!の話ね」

そんな風に覚えている人も多いでしょう。まさに私もそうです。レオ=レオ二さんの絵が美しく、谷川俊太郎さんの訳がなんとも心地よく響く、優しいお話です。子供が大きくなってからも我が家の本棚の定位置にスイミーの絵本があります。その絵本を、ふと時々手に取りたくなります。

なぜか?私にはスイミーの物語が示唆に富んでいて、ロングセラーに関わらず「読むたびに新しい」と思えるからです。

2.そんな時こそ、一歩踏み出す勇気が、必要なんだ。

スイミーは、赤い魚の中で一匹だけ黒い魚。ある日大きなマグロが襲いかかってきて、スイミーはみんなとバラバラになり、ひとりぼっちになってしまいます。

「スイミーは およいだ。くらい うみの そこを。こわかった。さびしかった。とても かなしかった」

でも岩かげを出て初めて見た海には、色とりどりのいろんな生き物がいるんだと、スイミーは気付きます。そして赤い魚のグループを見つけたとき、スイミーはこう言ってみんなを海に誘います。

「でて こいよ。みんなで あそぼう。おもしろいものが いっぱいだよ」

「だめだよ。おおきな さかなに たべられて しまうよ」

「だけど いつまでも そこに じっと してる わけには いかないよ。なんとか かんがえなくちゃ」

次のページ >>> とても有名なフレーズ「ぼくが めに なろう」のシーンでは…

3.スイミーが私たちに教えてくれる、大切なこと。

こうして物語は進んでいきます。あくまで私の主観ですが、そこにはいろんなメッセージが隠れている気がします。スイミーが見た、鮮やかで新しい世界(登場する生き物に子供達がワクワクするシーンの一つ!)。それが私たちを取り巻く現代の環境に重なってきます。

怖いけど勇気を出して、「えいや!」と飛び出してみる。するとそこには、新しくて面白い世界が待っています。それは新プロジェクトかもしれないし、初めて任せてもらった仕事かもしれません。もしかするとあなたは「勇気を出して、こちらにおいでよ」と誰かを呼ぶ立場なのかもしれません。読む人や読むタイミングによって、異なってくるでしょう。

新しい世界には大きくて黒い魚のように、何らかの困難が立ちはだかってきます。それでも知恵を絞って困難に立ち向かい、それを経験にしていく。それは何より勇気を出して一歩踏み出したからこそ始まる成長です。

とても有名なフレーズ「ぼくが めに なろう」のシーンでは、一人では出来ないことも仲間や応援者と協力すれば乗り越えていけることを教えてくれます。一人で抱え込む必要はないのです。

そして赤い魚の中で一匹だけ色の違うスイミーの存在は、「人と違ってていいんだよ」「人と違うところは、あなたの強味・あなたの魅力なんだよ」と教えてくれているようにも思えます。

4.大人だからこそ、ふと手に取りたくなる。

絵本にある「奥の深さ」。これが、子供が大きくなっても手元に置いておきたい理由です。大人にも素敵な本。いえ、大人だからこそ手に取りたくなるのかもしれません。

みなさんにとって「大切なことを教えてくれる絵本」はありますか?もしあれば、時々手に取ってみてはいかがでしょうか。慌しい毎日の中にも、ふっと心地よい時間が戻ってくるかもしれません。

本のご紹介

スイミー ―ちいさなかしこいさかなのはなし
レオ・レオニ著
1910年オランダ アムステルダム生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家として、米国で活躍した芸術家。「あおくんときいろちゃん」「スイミー」「フレデリック」「アレクサンダとぜんまいねずみ」「さかなはさかな」「うさぎをつくろう」「じぶんだけのいろ」などの作品がある。中でも、スイミーは、ニューヨークタイムズガ選ぶ、子供の絵本、ベストブックを受賞。

「悩み」と向き合える女性は、うまくいく 
文美月著 KADOKAWA
悩んだっていい、迷ったっていい。でも、勇気を出して小さな一歩を踏み出し続ければ、きっともっと人生が楽しくなる、自分を好きになれる。紀伊國屋梅田本店ビジネス書ランキング2位、Amazonや全国主要書店で絶賛発売中の働く女性に向けた応援本。