働く女性の皆さんこんにちは。「いつか情熱大陸に出たいと思っているので、事務所のBGMは情熱大陸にしています(笑)」そう話す司法書士事務所代表の立石和希子さん。島根県生まれ、真ん中っ子、とにかくすごいのが「行動力」と、決めたら必ずやる「有言実行力」。パワフルで会う人みんなを笑顔にしてしまう、立石さんのパワーの源と今後の展望について伺いました。
1.弁護士を目指していたら、気づけば司法書士になっていた
ー高野:本日はよろしくお願いいたします。いきなりですが…「司法書士」とは、どのようなお仕事をされるのですか?
ー立石:私も大学生まで知らなかったので馴染みが無い方も多いと思います。司法書士に依頼がくるのは、法律のご相談。といっても、皆さんのイメージにあるような『法律トラブル』はほぼありません。むしろ、前向きなことが多い法律の仕事です。主には、
・新しく会社を設立する手続き
・事業を拡大するときの変更手続き
・家を買う時
・遺産相続の手続き
です。
『法律』と聞くだけで、敷居は一気に高くなるもの。ましてや、弁護士にいきなり相談なんて出来ないですよね。ですから「身近で安心して相談できる専門家になりたい」と常々思っています。
私は中学生の頃から、弁護士になりたいと思っていました。スポーツ・芸術・音楽、すべてにおいて中途半端だと悟った中学時代。「他の人よりも得意なことは努力しかない。皆がやりたがらない勉強・知識の仕入れは、努力さえすれば手に入り、努力した分多く手に入る」と考えていました。
「知識を人に提供することで喜んでもらえる仕事をしたい、となると法律…そうだ!弁護士だ!」と思いました。…というか「法律関係」の職業といえば、当時は弁護士しか知らなかったんです(笑)
ただ、司法試験の制度が変わってしまって、大学在学中に弁護士になることが無理だということがわかりました。そこで在学中にいち早く取れる資格は他にないかと探していた矢先、友人から、
「司法書士という資格があるよ!在学中でも資格とれるし、弁護士と同じような仕事だし。弁護士より身近な法律家っていう専門家なんだよ!」
と言われて。実際働きだしたら全然弁護士と違いましたが…(笑)当時はその言葉を信じてすぐさま司法書士に転向し、計画通り在学中に司法書士試験に合格することができました。
ー高野:なるほど。友人の言葉を素直に聞いて行動されるところもすごいですね。
ー立石:就活時には「3年で独立することを前提に、とにかくなんでも経験させてもらえる事務所で働きたい」と考え、そのことを面接でも伝えるようにしました。すると立ち上げて間もない大阪の司法書士事務所から内定をいただき、そこで3年間働きました。
親は大阪に出て就職することを心配していましたが、以前から私は「こうする!」と思ったらきかない性格だとわかっているので、見守ってくれていましたね。独立の時も同様にです(笑)
勤務時代には「とにかくやってみて!」と無茶ぶりして頂き、全部任されて自分でやり方を調べるスタイルだったので、とても勉強になりました。
ー高野:3年間の勤務時代で、勉強になったこと、起業に活かされていることはどういう部分ですか?
ー立石:「待っていてもお客様は来ない」ということですね。働くまでは「お客様は飛び込みで来られるんだろう。電話帳で調べて、電話でのお問い合わせもたくさん来るんだろう」と思っていました。ですがその考えは大変甘く、自分から動かない限りはお客様・仕事は来ないのだと知りました。そこで独立前から、交流会やセミナーに行き、積極的に動くようにしました。もちろんすぐにお仕事に繋がるわけではないのですが、まずは知って頂いて「あ、そういえば立石さん!」と声をかけて頂ける土台作りが大事だと気づきました。
2.独立して1年が経った
ー立石:私は子どもの頃から根拠の無い自信が強くて…起業に関しても「私がやったら事務所は絶対繁盛する!」と思っていました(笑)
ー高野:おぉ!(笑)でも思い込みや、前向きな勘違いはとても大事ですよね!
ー立石:そう思います。ただ、ずっと大目標にしてきた「大学在学中に司法試験に合格して、就職して3年で独立する!」とを達成した瞬間、燃え尽きてしまいました。24歳ですでに人生の目標を見失ってしまったんです。
ー高野:24歳といえばまだまだこれからの年ですよね。でも大目標を達成した途端燃え尽きるというのは、とても分かる気がします。
ー立石:また、勤務時代は仲間と一緒に仕事をしていたので色々と話をしたりも出来ますが、起業すれば一人です。事務所にぽつーんと座って、当然お客様から問い合わせも来ない…大きな孤独感がありました。
独立当初は以前からの繋がりで、赤字にならない程度に紹介は頂いていましたが、そこまで忙しくはなかったので、たった一人の事務所に出勤する気にもなれず…私の人生の中で一番エネルギー不足な時期でした。
ただ、このままではだめだ!自分で変えていかないと!と思い、起業して3ヶ月たった2015年元旦に奮起しました。
・日本に必要とされる司法書士事務所になる!
・一人ひとり主役になれる組織をつくる!
と。これは、現在の司法書士事務所fineの最終目標です。
ただ、2015年元旦から意気込んだものの、1月の売上が思わしくなく…世の中そう甘くはない、そんな思い通りにいかないんだと改めて気付かされました。そこからがむしゃらに動いて、結果的に2015年は素敵な方々や素晴らしい社長との出逢いがたくさんありました。
ー高野:ピンチの時、必死になったことが、あとで振り返れば良かったと思うことは多々ありますよね。
ー立石:そうですよね。また業務内容の中で、会社設立時のご相談や事業拡大のための組織改革のご相談を頂くことも多くなりました。これから事業を立ち上げたり、事業拡大をされる社長とお仕事できるのは、本当に楽しいです。後ろ向きな方はほぼおられないので、お話をしているとワクワクするし、私もパワーを頂くことができます。
ー高野:確かに「ほんま嫌やねんけど、絶対潰れると思うけど、会社作りますねん、事業大きくしますねん」みたいな方はいないですもんね(笑)
ー立石:そうなんです。また、私自身も周りの人たちにパワーを与えられるような人間になりたいと思うようになりました。本当に様々なできごとがあり、笑ったり泣いたり嵐のように過ぎ去った1年でしたが、振り返るとこんなに人に助けていただいた1年はありませんでした。周囲の支え、応援がなければ、ここまで頑張れなかったし、笑顔でいられなかった。周りの皆さんには本当に感謝の気持でいっぱいです。
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