働く女性の皆さんこんにちは。
直近2週間分の食習慣から病気の原因と最短距離での治し方が分析できる、はり師きゅう師の国家免許を持つ食養指導士の郷美由貴と申します。
今回はメディアで取り上げられる多くの「健康情報」に振り回されないための”健康の条件”についてお話しします。
1 「健康になりたい」と強く願うほうが「健康になれない」確率が高くなる矛盾
昨今の健康番組などを拝聴していますと、「症状を緩和するため」「何らかの病気を予防するため」という名目で、様々な食材や料理、運動やストレッチ法などが紹介され、あれもこれも取り入れたほうが健康になれるのではないかという錯覚を起こしてしまいがちです。
ただメディアの情報で往々にして見過ごされているめっちゃ本質的な部分に触れますと、同じや症状であっても、その原因になることは人それぞれ違うということが抜けています。
風邪を取り上げてみても、ウィルスに感染するタイプもあれば、身体が冷えることで発症するものもある。アトピー性皮膚炎も、食習慣が大きくかかわっているとはいえ、内臓レベルで見ると消化機能の弱りから来るものもあれば、解毒機能の疲弊から来るものもあります。
原因にアプローチせずに結果を出そうとしても、それは火元を消さずに火を消そうとしていることと同じです。つまり枝葉の情報に捉われていると、健康になれないどころか、努力の果てに症状が悪化する(もしくは別の症状が出てくる)結果に終わることになるのです。
例えば食べ過ぎて太ってしまう人がダイエットをしようとすれば、食べ過ぎを止める(もしくは摂取カロリー以上に消費カロリーを増やす)方法を考えなければいけません。サプリメントや脂肪吸引では抜本的な解決になりませんよね。
医療の現場から毎日たくさんの患者様を診ていますと、ただただ「健康になりたい」と願い、「健康情報や薬や医療行為を貪る」ばかりで、ほとんどの人が「原因に目を向ける」ことをしていません。
医師の診断の際「原因は良くわかりません」と言われようものなら、「医者で分からないなら本当に原因不明なのだ」とあっさり信じ切ってしまう方も本当に多いのです。
ただ生命の営みには、決して無駄はありません。
不調や症状が出るには、それなりの「原因」がなくてはなりません。
何の意味もなく「疲れがとれない」「体温が低い」「肌が荒れる」「病気がある」などということは、自然界からすれば「有り得ない」ことです。
不調や病気が出たということは、「自分のこれまでの習慣を見直すきっかけを神様から貰った」と前向きに捉えて原因を探すことが、根治への近道になります。
2 そもそも健康な状態とはどういう状態を指すのか。
健康の指標を評価するためには様々な物差しが存在します。
病院の検査や健康診断の結果などを思いつく方も多いかと思います。
ただし検査結果に表れない症状なども現代は本当に多いので(IgE値が標準なのにアトピーが出ている、血糖値が正常値を超えているのに糖尿病の症状が一切出ていない等)、これは信憑性が高いとは言えません。そもそも検査の正常値はただの「平均値」でしかありませんので、現代の乱れ切った食習慣から作られたドロドロ血の平均値が健康の指標になるとも考えにくいのです。
それではここで健康の権威でもある「WHO(世界保健機関)」の健康の定義を見てみましょう。
Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
WHOではこのように定義されています。
ただ1998年に以下のように定義を改めようと、興味深い提案がなされたことも触れておかなければなりません。
Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
静的に固定した状態ではないということを示すdynamic は、健康と疾病は別個のものではなく連続したものであるという意味付けから、また、spiritualは、人間の尊厳の確保や生活の質を考えるために必要で本質的なものだという観点から、字句を付加することが提案されたのだと言われています(「日本WHO協会」ホームページより一部引用・リンク元は文末に掲載しています)
この定義は1999年の総会において「事務局長のレビューの下におく」として議題から外されましたが、前者の文章と大きく違うのは「Spiritual(霊的・霊性)」という文言が入っているところ。
霊性とは目に見えませんが、およそ「健全な肉体に宿る健全で聡明な精神性」と表現できるでしょう。
WHOがこのことに触れたという事実の是非は今回のテーマから外れるため触れませんが、本来健康というのはただ単に不調や病気がないという状態を指すのではなく、心の在り方や自然界との共鳴さえ得られる(流動的な)安定として捉える必要があります。
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