3 育休前の対応で、全てが決まる!
(参加者の皆さんには、お抹茶体験をしていただきました。ママ社員の江藤さんが、全員を丁寧にサポートして下さり、参加者の皆さんにも大満足な体験をして頂きました)
重要なのは、育休取得前にどのように対応するかだと荒木さんはおっしゃいました。
ポイントの1つ目は、「育休を取得する本人に復帰後の心構えを持ってもらった上で育休に入ってもらうこと。」
一保堂では、「両立支援制度の考え方」を記した資料が全社員に配布、共有されています。その資料をもとに、上司と育休前の本人が面談をする流れになっているのです。
そこには、こんな文言が記載されています。
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両立支援制度は、フルで働けなくなった社員の生活を守るために設けているのではない。勤務できる時間が長い短いに関わらず、全員が役割責任を果たし、成果にこだわり、会社に貢献してもらうための制度だ。
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また育休取得する本人には、
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制度利用者は制度に甘えず、今まで以上に会社に貢献する意思を表さないと、周囲に認められない。復帰後は、今までにも増して頑張る気持ちが大切だ。
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と書かれています。
またポイントの2つ目は「直属の上司が本人に対して、ケアをしつつもあくまでフェアに接すること」
「両立支援制度」の資料には、管理者の方へのメッセージも記載されていますが、そこにはこう書かれています。
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仕事復帰し、育児や介護と仕事を両立させることは、体力的にも精神的にも並大抵のことではない。また、本人は休業前のようにフルで働けないことや、周囲に頼ってしまうことを申し訳なく思い、落ち込むこともある。上司はその気持を理解してあげよう。だからといって、特別扱いするのではなく、あくまで仕事上はフェアに接することが大切だ。
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これらの考え方、心構えを、育休前に本人と上司(周囲)がすりあわせをしておくことが大変重要なのです。また、育休中のママも参加できる、ママ座談会も開催されており、そこではママ同士で経験をシェアしあったり、復帰後意識づけを行っておられます。
このママ会を発足され、運営されている江藤さんはこのようにおっしゃっていました。
「仕事と育児の両立は簡単なことではない。また現在のママ社員は、制度に甘えるのではなく、自ら家族に働きかけて協力してもらったり、民間サービスを利用する等、会社のメンバーの一員として積極的に仕事に関わろうと頑張っている。このような姿勢が周囲に見えるからこそ、上司や同僚も応援してくれるのだと思う。決して制度では解決できない、考え方の部分を、先輩から後輩に共有し、浸透させていきたい。
4 制度は至れりつくせりではなく、必要最低限でいい
一保堂では手厚い制度を用意しているわけではなく、特別な制度としては有給を1時間単位で取得できる制度はのみです。それは、両立支援は育児をする女性のためだけではなく社員全員が有効に活用できるものであるべきという視点があるから。
つまりポイントの3つ目は「制度は必要最低限でいい」ということでした。制度を充実させたとしても、実際に現場で活用されなければ意味がありません。それより、個々の状況に応じて会社が柔軟に対応する姿勢や、みなの意識を変革していくことの方が重要だとおっしゃっていました。
また、その上で荒木さんが特に意識されていたのは、
・「復帰を待ってるよー!」というオーラを全面に出すこと。「復帰してもらったらどんどん仕事を任せるよ!」ということを、ことあるごとに伝えること。
・復帰後でも要求水準は下げないこと。休んでいた期間に、能力が下がったわけではない。ただ休んでいたというだけ。また、変に遠慮して仕事を与えないことで、女性自身もモチベーションが下がってしまう。仕事は復帰前と変わらず行ってもらうこと。
最後のグループ討議の中で、江藤さんがおっしゃっていた「やってみたら何とかなりますよ!」という言葉は、参加者の皆さんの大きな希望になったようでした。
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大切なことは、制度の充実ではなく、企業風土や文化、みなの考え方や意識、そういった意味での環境整備ですよね。一朝一夕にいかないからこそ、地道に積み上げてきた会社は強いと改めて感じました。
株式会社一保堂茶舗について
創業:1717年(亨保2年)
設立:1964年(昭和39年)4月
事業内容:京銘茶の加工・製造及び小売
京都本社:〒604-0915 京都府京都市中京区寺町通二条上ル常磐木町52番地
代表者: 渡辺 孝史
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