3 若手経営者の意識の変化と学生の価値観について
高野:一方で最近、若手経営者の方や、代替わりされた経営者の方とお話していると、「考え方がとても柔軟だ」と感じることが多いです。実際にご自身が小さいお子さんの父親だという方は子どもの教育に熱心ですし、奥さんが育児しながら働いておられる方は、子どもを持って働くことに大変理解がありますよね。
決して女性に甘いということではなく、「長時間労働ではなく、どんな人でも効率よく働けるようにする」「子育てはみんなで協力しよう」という考えを自然とお持ちな気がします。
ママボノメンバー:それ分かります!私が働く会社も、3代目の次期後継者が共働き家庭なのすが、やはり考え方が柔軟だと感じます。
高野:一概には言えませんが、50代以降の方は奥さんが専業主婦の方も多いので、私たち世代とは感覚が違うと感じることも多いですね。先日2人目を出産する話をしていた時に「子どもが2人になるなんてそんな心配せんでも、子どもは勝手に育つで」と言われて、「いやいや、自分子育ても家事も奥さんに任せっきりやったのによう言うわ」と思いました(笑)
ママボノメンバー:分かる〜!分かります〜!(笑)少し話は変わるのですが、高野さんは、学生さんにも講演や授業をされていますよね。
高野:はい、今は母校関係で同志社大学からご依頼をいただき、毎年キャリア開発の一般教養授業の一コマを担当しています。堅苦しいキャリアの話ではなく、実体験を話して欲しいというご要望なんです。
ママボノメンバー:なぜ大学側はそういった依頼をされるのですか?
高野:女子大生に限らず、現在の学生は社会に出て働くことについてマイナス印象を持っている人も多いです。マスコミの「ブラック企業だ」「不景気だ」「日本は女性活躍が進んでいない」という情報や、ドラマの影響が大きいようですね。
ですから大学側としては「社会で働くことは大変なことも多いけれど、実は面白くて自分の人生を豊かにしてくれるんだよ」という生の声を学生に聞かせたいという考えなんです。
実際授業を受けた学生さんの感想で多いのは「働くって面白そうだと思った」「育児しながらでも働けると希望になった」という声が多いです。
ママボノメンバー:素敵です!私たちは今、「ぷちでガチ!育休MBA」で学んだ後、復帰後のワーママたちの学びと繋がりの場について課題解決に取り組んでいますが、「ぷちガチ」が、学生さんに対して何かできることがあるとしたら、高野さんはどのようなことだと思われますか?
高野:イベントは良さそうですよね。学生さんは正直、自分が結婚、出産するイメージがまだ湧いていないと思うので、就活を控えた学生さんに対して「先輩女性の就活の際のアドバイス」「女性が活躍する企業の見極め方」など就活に繋がる実体験のお話ができると面白いと思います。
ママボノメンバー:それは良さそうですね!でもイベントを企画してはたして学生さんが集まるかどうか…。
高野:当社も来年は、女性活躍が進むベンチャー企業とやる気のある女子大生の採用イベントを実施する予定なので、何か一緒にコラボ出来るといいですね!
4 「ぷちでガチ!育休MBA」に期待すること
ママボノメンバー:本題の「育休復帰後のワーママの繋がり作り」についてなのですが、高野さんはお子さんを出産された後でも、インプットやご自身の勉強のために土日を利用してセミナー等に参加されていましたか?
高野:実はほとんどしてないんです…。出産前から実は超インドア派で家が大好きなので、土日は極力家族との予定をいれたり、家で過ごすことが多かったです。出産しても週末にインプットの為に出かけることはほぼありませんでした…なんだか皆さんを前にしてお恥ずかしい限りです。
ママボノメンバー:いえ、とんでもないです。実際出産して週末に出かけようと思うと、子どもを誰かに預けないといけないので、それはそれで大変ですよね。
高野:そうですね。ただ、仕事を通して知り合ったワーママの方とは、お仕事のお話を越えて色々と相談したり情報交換をするようにはなりました。先輩ワーママのお話は大変参考になりますし、「辛い面ばかり見るのではなく、子どもとの貴重な時間を楽しもう」と思えるようになりましたね。
また1人目出産の時はインプットを考える余裕などなく必死だったので、正直当時の記憶はあまりありません…(笑)
ママボノメンバー:なるほど…高野さんがそうなのであれば、土日にわざわざインプットの為にセミナーや勉強会に参加するワーママは、少数派かもしれないですね…。
高野:ただ先日、平日の日中に大阪商工会議所主催でワーママを対象にしたセミナーをしたのですが、30名の定員枠が告知後一瞬で満席になったと担当者の方がおっしゃっていました。キャンセル待ちも10名以上おられたのですが、結局キャンセルが出ずにそのまま開催となりました。
昨年よりも今年は、企業の意識が格段に上がっているようで、参加者のほぼ全員が「会社の人事部や社長から参加してきたら?」と言われて参加された方々でした。
ママボノメンバー:おぉ…そうなのですね!確かに業務時間内に参加できるのがベストですが、会社側から「その分成果を出すのか」「参加することでどのような効果があるのか」と言われてしまい、逆に参加が難しそうな気もします。
高野:ワーママが増えているけれど、社内で研修や座談会をするほどの大人数ではないし人事の方も忙しい。であれば、外部のセミナーに参加してもらって、情報収集やモチベーションアップに繋げてもらいたいという人事の方は増えているようです。
先日のワーママ対象のセミナーでは、3時間のうちほぼ半分がグループディスカッションや情報交換の時間にしましたが、それが大変良かったと参加者から好評でした。他社の成功事例を知ったり、同じように頑張っているママと触れることが大きなモチベーションになられたようでした。
ママボノメンバー:「ぷちでガチ!育休MBA」でも平日にそのような講座を開催することを、ママボノからの提案に含めようとした場合、企業の人事部の方から社内に告知して頂いて社員さんが参加して下さるのでしょうか?
高野:社員を参加させたい企業側にとっては、開催側の信頼や実績が大切なので「どこがセミナーを主催しているか」は重要ですよね。今回も「どこかよく知らないところが主催している」のではなく、大阪商工会議所が主催だったので、信頼して参加された部分も大きかったと思います。「ぷちでガチ!育休MBA」さんも、商工会議所や行政とコラボして何かを実施するのはありかもしれないですね。
ママボノメンバー:なるほど!「ぷちでガチ!育休MBA」に参加するママは意識が高いので、皆さんから会社の女性活躍の取組みやワーママの現状についてアンケートをとり、そのデータを企業側にレポートで提供するという案もぜひ提案に含めたいと思っているのですが、いかがでしょう?
人事部の方は、他社事例や情報を集めておられると思うので、結構ニーズはあるかなと思うのですが…。
高野:それはとても良いと思います!人事部や女性活躍推進担当の方は、おっしゃるように他社事例を求めておられますし、情報収集については積極的です。セミナーに会社から社員さんが参加した企業だけの特典として、シークレットレポートみたいにすると、セミナー参加者がすごく増えそうですよね!(笑)
ママボノメンバー:確かに!「ぷちでガチ!育休MBA」には、育休ママや復帰後のワーママのネットワークが既にありますし、ナチュラルリンクさんは企業側のネットワークをお持ちなので、両者がうまく繋がる仕組みが作れると面白いですね。
また、参加者の方にインタビューし、女性のロールモデルとしてサイトや紙面で紹介できると、その会社にとっても「自社は女性が活躍する企業である」とアピールできるので良いと思います。
高野:是非、そのインタビューはWoo!にも掲載させて頂きたいです。Woo!は関西の働く女性の情報発信のハブサイトへと育てていきますので、また是非ママボノさんや「ぷちでガチ!育休MBA」さんとも色々とコラボさせて頂けたら嬉しいです。
ママボノメンバー:はい!あっという間に時間が来てしまいましたね…こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします!
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