こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋紀子です。
今回はズバリ、「仕事とパートナー」についての悩み相談です。
これまで数百人の方にキャリアカウンセリングを行ってきましたが、仕事を考える上で特に女性の場合は結婚や出産といったライフイベントから受ける影響が大きく、パートナーに左右される部分は未知数。
ライフもワークもどちらも大切だからこそ、両立できる方法をパートナーと一緒に考えたいものですよね。
具体的なご相談内容はこちらです。
「長くつきあって結婚も考える彼氏がいます。当初は二人とも同じようなレベルだったのに、就職してから私の方が給料も高くなり、成長の度合いにも差が出てきてしまっているように思います。そのことを、彼氏があまりよく思っていないようで(応援してくれていますが、言葉の端々にそんな雰囲気を感じます)、これはうめていけるものなのか、新たな出逢いを求めるべきなのか、悩んでいます。」
「成長度合い」はどう測る?
社会人になるとお互いの環境が激変し、仕事に対する考え方に違いが生まれて、うまくいかなくなる場合がよくあります。まず、ご相談内容にあった「成長度合い」が彼女にとってキーワードのようなので、そこから考えていきましょう。
会社の人材育成プランは本当に千差万別です。例えばA社は「最初の1年は研修期間、3年たったら一人前、そこから仕事を任せていく」という育成計画。でもB社は「新人にもどんどん顧客を任せる方針。新人が新規開拓をしたり、数社の担当を任されるのは当たり前」。このように会社によって新人の担当業務は大きく違ってきますが、他社のことはあまりわからないものなのです。
「仕事の任され具合(裁量性)」は確かに成長スピードに関連する部分もありますが、比例しているわけではありません。新人一人には任せられないほど取引金額も顧客の規模も大きい仕事や高い専門知識が必要な仕事もあれば、新人の特性を生かしてすぐに活躍できる仕事もあります。業種や規模、取引先や金額、商品・サービスの専門性などによって全く違ってきます。
つまり、「成長スピード」を測るのはとても難しく、感覚で判断することが多いのです。
「仕事を任されるから」「リーダーになったから」「給料が増えたから」「経営者と話す機会が増えたから」・・・
確かにそれはわかりやすい「成長」です。
でも、そういったことがなくても、じっくり経験を積んで実は成長している人もいるので、会社が違えば単純比較はしない方がいいですね。
一社一社に「段階や時期に応じて社員に求める達成目標、成長スピード」があるので、それをクリアしていたらその人はOK、というわけです。
「成長度合い」は「社内の評価基準」ではかる、または「過去の自分」と比較することが大切。違う組織、他者との比較は難しいものだと理解しましょう。
彼氏がよく思っていないのはなぜ?
では、彼氏は何に対してよく思っていないのでしょうか。本当の気持ちを知りたいですね。
仕事に夢中になって頑張る彼女に「そこまで働かなくても」と思っている?
自分よりもお給料がいい彼女に嫉妬している?
もしかしたら、仕事に関する「価値観」の違いを感じているかもしれません。
つまり、働く上で大事にしていることが違っている可能性があります。「成長したい!」「目標達成したい!」と思う気持ちの強さに差があったり、成長のスピード感が違ったりすると、「仕事観・価値観」の違いが大きくなり、やがて「生活観」にも影響が出てライフスタイルも違ってきます。
一度「仕事をする上で大切にしていること」を話し合ってみてはいかがでしょうか。
その時に冷静に確認してほしいことが2つあります。
1つは、「その価値観は今だけなのか、ずっと変わらない根本的なものなのか」。
そしてもう1つは「価値観が違っても一緒に生きていけるか」。
ここが明確になれば、自ずと答えが出てくるはずです。
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