後輩が育ってくれない!響かない!その理由と対策


働く女性のみなさん、こんにちは。
ネタリスト 職×生みらいデザイナーの神野沙樹です。

先日、ある会社の社員(入社5年目)の方からこんな相談を受けました。

4月に新入社員が入ってきたんです。
上司から「先輩だからいろいろ教えてあげてね」と言われ、教えているのですが、イマイチ育っている感覚が持てないんです。私の言っていること、本当に伝わっているのかな?と不安になり、「分かってる?」と聞きたくなるのですが、強く言って嫌われるのも嫌だし…。人を教えるのって、難しいですね。

人を教えることは、本当に難しいと思います。

さて、どうして「響かない!」「伝わらない!」と感じるのでしょうか。
それに対して、先輩としてどんなことをすればよいのでしょうか。

先輩であるあなた自身が「実はかなり成長している」ということを知る

なんでこんなことが分からないのだろう。
どうしてここまで言わないと出来ないのだろう。

後輩を指導していると、一度や二度はこんなことを感じるのではないでしょうか。

もちろん、意識を高く持ち、自分でどんどん吸収する姿勢は必要です。
しかし、そもそも「見えている景色が違う」ということを認識しましょう。

例えば、木に釘を打つとしましょう。一度経験したことがある人は、「大体こんな感じ」というイメージを持つことができ、時間がかかったとしても、何とか釘を打つことができるでしょう。

しかし、全くの初めての時は、簡単に教わったとしても思うように打てず、釘を打たずに木ばかり打ってしまう、手を打ってしまいそうになり怖くて力が入らない…ということがあるかもしれません。

一方で、職人さんからすると「釘一本も打てないのか」という気分になるでしょう。

このように、先輩である皆さんからすると「こんな簡単なこと!」そう思う事でも、全くの初心者はどうしてもイメージが付きづらく、時間もかかり、うまくいかないということが起きます。

はじめから「そういうものだ」という認識を持つことから、人材育成はスタートします。
これは言い換えれば、先輩であるあなた自身が「実はかなり成長している」ということ。

上から目線ではなく、「横から目線」で話すことがとても大切です。

教育とパワハラは紙一重?

教えているときに注意することはあっても、出来れば叱りたくないと思う人も多いのではないでしょうか。
「人から嫌われたくない」、これは多くの方が感じることです。

また、時に「嫌われてもいいから強く言うんだ」という方もいらっしゃいますが、「嫌いな相手から言われた言葉」は素直に受け取れないことも多く、負のスパイラルに陥ることがあります。

一方で、教わる側としても「叱られるより褒められたい」と思う方の方が多いと思います。

しかし、だからと言って、先輩は「後輩から嫌われないように、叱らない」、後輩も「叱られない仕事の方法で進める」これが本当に健全な指導でしょうか。

人が成長するにあたって、時に注意をする、思ったことを伝えることはとても大切だと思います。
では、どうするのが良いのか。

その答えは、「教え手である先輩自身の人間性を高める」というのが一番です。
「え?指導方法を相談しているのに、人間性を高めるってどういうこと?」と感じられるかもしれません。

どういう事かと言うと「この先輩から言われることだったら聞こう」そんな人になる、ということです。

みなさんには、「この先輩(上司)に言われることだったら、耳の痛いことであっても自分のことを思って言ってくれているのだ」と思える方がいらっしゃいませんか?

もちろん、それは1か月や2か月で出来上がる信頼関係ではないかもしれません。
しかし、みなさんが上司の言動を意外とよく見ているのと同じで、後輩も皆さんの背中をよく見ています。

自分自身が「人として尊敬される人間になる」ことをまず意識して行動し続けると、仮に注意したとしても「パワハラ」にはならず「教育」と受け止められるようになります。

■次のページへ>>>どのように伝えたらいい??

注意をするときに損しない伝え方

同じことを言っているのに、「あぁ、損してしまっているな」そんな場合があります。
例えば、次のケースでは皆さんどう感じますか?

【ケース1】依頼した仕事を締切ギリギリに提出してきたA子さんに言うセリフ

パターン1「お疲れ様。もうちょっと早く仕上げられたら、もっとよかったね」
パターン2「お疲れ様。締切間に合ってよかった!ギリギリだから心配した」

【ケース2】電話応対でもう少し元気に出てきてほしいなと感じるB子さんに言うセリフ

パターン1「電話応対の声がちょっと元気ないから、もう少し明るく出てね」
パターン2「電話応対、すごくスムーズになったね。あとちょっと、元気な声になるともっといいなと思うよ」

伝えることは同じでも、相手の受け取り方は随分変わります。
上記のケースにおいて、2つのパターンを比べてみましょう。

パターン1は、「YOUメッセージ」といって「あなたは○○だね」というメッセージの発信です。
一方、パターン2は、「相手のできたことを認めて」+「Iメッセージ」(私は○○と思うよ)というメッセージです。

ほんのわずかの違いです。
しかし、意識せずに話すと、つい「YOUメッセージ」になってしまいがち。
すると、相手が素直に受け止められないということもあります。

このあとのA子さん、B子さんの行動に差が出てくることも間違いないでしょう。

「その人に成長してほしい」という想いは、パターン1もパターン2も同じでしょうから、伝え方で損しないようにしていきたいものです。

最近、叱れなくなってきた!?

かくいう私も、会社員時代に後輩に対して、言いたいけれど強く言えない、伝わらないという経験をしてきました。
また今も社員とともに働いていますから、自分と違う感覚・価値観に触れた時は、「え?なんで?」と思う時も多々あります。

しかし、最近「叱れなくなってきたな」と感じています。

というのも、例えば、自分自身の基準や価値観で行くと「なんで?理解できない」と思うことがあるのと同様に、おそらく相手もその人の基準や価値観があり、私に対して「なんで?理解できない」と思うこともあるでしょう。

そう、人それぞれ基準や価値観は違うのです。

では、自分が持っている価値観が「絶対に正しいのか」というと、そうでもないな…と思うのです。
結局、その人がたどってきた経験値がその人の価値観を作っているわけで、正しいのかどうかは分かりませんよね。
だから、自分の物差しで叱るということに対して違和感を感じるようになってきたのです。

とはいえ、もちろん「おかしいんじゃない?」と自分基準で計ってしまっていることはたくさんあるのですが…。

これから、外国の方やご高齢の方など、様々な方と働く機会も増えてくる中で、ますます「多様な価値観」が現れてくるでしょう。自分の軸は持って生きていきたいですが、それを押し付けるのではなく、相手の価値観に興味を持てるような、そんな生き方をしていきたいなと、私はそう思います。


KES社労士事務所 神野沙樹
「“私たちの仕事はね!”神野沙樹(かみのさき)
株式会社Niesul 代表取締役 / KES社労士事務所 代表
【プロフィール】
「“私たちの仕事はね!”と活き生き話す人があふれる世の中に!」社会保険労務士として、ワーママとして、日々奔走してます。
【働く女性の皆さんへ】
仕事を通してたくさんの企業、そこで働く多くの社員さんとお会いさせていただく中で、いま私は「人生に正解とか不正解なんてない」と感じています。本当に人それぞれだなぁと。だからこそ、正解を求める生き方ではなく、自分が自分のことを認められる生き方をしていけたらなと思います。私ももっと自由に、もっと自然に、生きていきたいと思います。
と活き生き話す人があふれる世の中に!」社会保険労務士として、ワーママとして、日々奔走してます。

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