Chapter2.これまでの私
2-1:大学時代ーCAになって
ー大学卒業後はCAの道へ。なぜCAになろうと思ったの?
私は小さい頃から「自分が生まれてきたことには何か意味があるはずだ」と考えるような子どもで、学生時代も自分がやりたいことを探し続けていました。色んなことをやってみて、模索して、探してみたけれど…結局就職活動の時期になってもやりたいことは見つからず。では自分が少しでも興味があることは何かと考えた時「海外に行きたい」と思ったんですね。そして「海外に行く仕事と言えば・・・CAだッ!」という安易な考えで(笑)、就活では航空会社しか受けませんでした。そしてもし航空会社から内定がもらえなければ、アフリカに井戸を堀りに行こうかなーなんて思っていました。今思えば、すごい振れ幅ね(笑)
ー海外に行く仕事は他にもある中で「なぜ海外=CA」だったの?
その時はまだ若かったですし「CAになれば海外に行けるし、CAってなんかかっこいい」くらいにしか考えていませんでした。自分の中から湧き上がってきたものではなく、今思えば、外からの見られ方を気にしてCAを選んだ気がしますね。そして実際に入社し、訓練後の初めてのフライトの時点で既に「あ、ここは私の居場所じゃない…」と感じてしまいました。
ー入社早々に…どんな部分に違和感を感じたの?
仕事自体は大変面白かったんです。行ったことの無い様々な国に行けて、色々な方にお会いして、チャンスを与えて頂いて…はたからみれば申し分の無い環境だったかもしれません。でも私は「アイデアを出してゼロからイチを創ることが大好きでワクワクする」タイプ。とはいえ、これはコーチングを学んで分かったことで…この自分の強みが、当時の会社では全く発揮できなかったんですね。
「このマニュアルは順番を少し変えた方がうまくいくのでは?」「こんなサービスをすればお客様がもっと喜ばれるのでは?」と提案しても、全く取り合ってもらえませんでした。約25年前というと「現場は上の言うことを聞いておけばいい。仕事はマニュアルどおりに進めるのが正解」とされていた時代。そんな環境で働くうちに、だんだんと仕事にワクワクすることもなくなっていきました。
2-2:違和感を感じる日々ー退職を決めたきっかけ
ーそれでも会社を辞めずに働き続けたのはなぜ?
それは…不安だったんだと思います。「ここは自分の居場所じゃない、何かが違う」と感じる一方で、自分は何がやりたいのか、何ができるか、全く分かりませんでした。また前職の会社は世間に名が知れた大企業で、福利厚生や待遇面はとてもよく、会社からは認めて頂きポジションも与えられ、毎月お給料が入ってくる。そういったもの全てを手放す勇気が無かったのだと思います。ある意味、大変居心地の良い環境だったんでしょうね。
ー最終的に、前職を辞める決断をしたのはなぜ?
我慢して、自分の気持ちを押さえ込んで、極限まで行ったんでしょうね。人は、自分の魂に沿わないことをしている時はとても不機嫌になってしまうもの。今自分がやっていることが、心からやりたいことではないと分かっている。それなのに「会社に期待されているから」「家族の状況がこうだから」と、周りのせいにばかりして言い訳して…頭では分かってはいるのに、居心地の良さを手放せない自分が、ほとほと、嫌になったのだと思います。
「これではだめだ。一度本気で流れを変えよう」と思い、38歳の時に退職しました。
ー辞めた次の日のことって、覚えてる?
覚えてます!「ほんとスッキリしたー!」という感じでした(笑)最初の頃はとてもスッキリした気持ちで過ごすことができていたのですが、3ヶ月を過ぎたあたりからまた不機嫌になり始めました。
今私は、好きなことを好きなようにできる環境にある。ハードな仕事をしているわけでもなければ、フライトの時差でしんどいわけでもない。会社のことを考える必要もないし、完全に自由。それでも自分自身が不機嫌だということは…もう他の誰のせいにもできず、自分の内に原因があるのだと気づいて。
「これは一体なんなのだ」と思い、そこからコーチングを学び始めました。何をすればいいのか、何をすれば幸せなのか、どうすれば魂が震えるのか…藁をもつかむ思いで、コーチングに没頭していきました。
ー自分のやりたいことはすぐに見つかったの?
やりたい職業を見つけたというよりも、自分の在り方が定まった感じですね。当時の私は、資金ゼロ、資格ゼロ、後ろ盾も所属もなく、本当に何もない状態。でもこんな状態の私に、ある時お仕事の依頼を頂いたんです。その時はもう、感謝の気持ち以外何もありませんでした。何も無いと思っていた自分でも、今目の前にいる方のお役に立てることが、素直に嬉しかった。それ以来、一人ひとりのお客様に誠実に向き合っていくうちに、ここまで来ることができました。
コーチングや研修を行う会社は日本にたくさんありますが、様々な選択肢がある中で、私を選んで頂けること、人生の選択をするとか、会社のリーダーを育てるといったとても大切な役割に、私を選んで頂けること、今でもそのことには感謝しかありません。
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