3.女性の労働環境改善という言葉の弊害〜「ピンクの象」理論
もう1つは、女性を特別扱いすることが生み出す、いらぬ感情です。
例えばこう言われたらどうでしょうか。
「いいですか、絶対にピンク色の象を思い出さないでください」と。
多くの方は真っ先に「ピンク色の象」を思い浮かべたと思います。
人の思考はとても不思議。言われなければピンク色の象なんておもい浮かべることがなかったのに、「ピンク色の象」と言われただけでそれをイメージしてしまいます。
実は女性活躍の議論にはこの要素が多分に入っているように感じます。つまり、「女性の働き方」とか「女性の労働環境」と言われると、より意識してしまうというわけです。
これまで、特に不思議に思わなかったことも、さりげなく「相手を思いやる気持ち」から行っていた行動も、あえて「女性の働きやすい環境を作るべきだ」という議論が始まると、「そうだ、そうだ、私たちは大変なんだ!」という思いが高まるように思うのです。
誤解のないように言うと、もちろん女性には大変なこともあります。ここでは、「女性は保護しなくてもいい」と言っているのではなく、いらぬ議論を巻き起こす種になっている、ということです。
だからこそ、「女性」「女性」と声高に叫ばなくてもいいのではないかと感じるのです。
4.違いは強み
子供って本当に不思議です。
教えていなくても、お手伝いをするようになり、
教えていなくても、親の真似をして挨拶(はじめは会釈だけですが…)をしたりします。
しかし、その方法は子供それぞれ。
そして、スピードも子供それぞれ。
でも、根本で「どうした方が目の前の人が笑顔になってくれるか」は知っています。
それと同じで、大人も「人それぞれ」でいいと思います。
人と比べると、「違いばかり」に目が行きます。「あの人と私はここが違う」「あの人より私はここがしんどい」という違いです。
そして多くはそれが不満につながります。
しかし、裏を返せば「人と違うことをしている=強み」だと思います。
子供と同じで、心の根っこでは「どうした方が目の前の人が笑顔になってくれるか」は知っているはずです。
かくいう私も、人と比べてどうだ、人からの評価はどうだ、ということをすごく気にして生きてきましたし、まだそれが完全に払拭できたわけではありません。
でも、ひとつ自分に言い聞かせていることは、
今の歩んでいる人生は、自分が選択し続けてきた結果だということ。
くよくよしても仕方ないし、「違っていいじゃない!」と思えるようになれば、自然と相手のおかれている環境も理解できるようになるんじゃないかな、と思います。
もちろんそれは男性も、女性も、みんなが、です。
私もまだまだ実験中です。さて、みなさん、一緒に実験しませんか?
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