3:「働く時間が限られる」という不自由~「好きなだけ働く時間」がなければやりたい仕事はできない!?
そこで彼らとの接点を求めて、地域再生に取り組む人の話が聞けるイベントに行ったり、地域課題の解決を図る人と出会えそうなプログラムに参加したりしました。そこで痛感したのは、社会課題の解決にチャレンジして成果を出している若手起業家は、情熱があり、能力もあり、そして何よりも課題解決のために一日何時間でも、一年何日でもモーレツに働いている、という現実でした。
会社を辞める理由の一つは自分をリセットするためではあっても、そもそも「子供と向き合う時間を確保したい」から会社を辞めることを決意した私にとって、起業に必須らしい「時間無制限な働き方」は逆立ちしても無理です。身軽で好きなだけ働ける若手起業家を垣間見て私は、
「起業して成功させるためには、時間無制限で働けなければならないのか?」、「『好きなだけ働く』ことができなければ、やりたい仕事をあきらめなければならないのか?」
という疑問に捉われるようになります。
4:「完全な自由」はない!~組織離脱するサラリーマンとの出会い~
ところで社会課題の解決に挑む人々との接点を求めて社外を探索し始めた私が出会ったのは、モーレツに働く若手起業家だけではありませんでした。退社を決意して社外の集まりやいわゆる3rdプレイスに出入りするようになった私はそこで、独立・自営に走る40~50代のミドルとの多くの出会いを得ました。組織離脱するそうしたミドルは、おそらく組織の中では平均より少し勉強好きで社外で勉強などしているうちに組織や社会の危機を敏感に察知し「現状維持は無理」と決意したように見えました。彼らはほとんどがいわゆる大企業や官庁勤め、有能かつ人間性豊かで、20世紀であれば彼らは順調に出世して定年前に退職することなどなかったであろうと感じました。
彼らは「モーレツに働いて事業を成長させる」ことを志向する若さはない(失礼!)一方、「無理なく無駄なく働いて、必要な稼ぎを確保する」ことができる知識、経験を持っています。
それを知る彼らは、自らが「やりたい仕事」をするために、「やりたい仕事」が重なる仲間とスキル・経験・人脈・時間を「シェア」する協働関係を構築することで、やりたい仕事をやって収入を得る道を切り開いていました。
そんな彼らの姿は私に「働く時間が制限されてもやりたい仕事をする道を切り開くことはできる」ことを教えてくれました。また同時に、彼らは子育てを背負っておらずとも家計を背負っていること、私は子育てを背負っていても家計は背負っていないことを気付かせてくれました。
思えば、好きなだけ働けて家計負担も軽い若手起業家とて、経験不足や人脈不足といった「不足」を抱えるからこそ、経験や知識といった自らに不足する資源を補うために、時間や体力といった自分が持つ資源をフル活用しているのです。
時間、体力、お金、経験、能力etc…「やりたい仕事」をやりたいだけやるために必要なすべての資源が自由に使える人などいない。であれば、「やりたい仕事」が同じ人同士が集まることで、お互いの時間、能力、人脈、経験その他を「シェア」してやりたい仕事に挑めばいい。
こうして私は組織離脱するミドルたちに学び、「サラリーマン以上起業家未満」の「組織から吹きこぼれそうな(あるいは吹きこぼれた)サラリーマン」たちが「やりたい仕事」で繋がるタスクフォースメンバーとなり、「会社に頼らずやりたい仕事をやって稼ぐ」という働き方を志向するようになります。
小野さんのサイトはコチラ
http://yowono.wixsite.com/tenseki/blank-1
2
この記事へのコメントはありません。