こんにちは、キャリアコンサルタントの高橋紀子です。
フリーランスで仕事をしていると、「会社勤め」との違いについて
ご質問を受けることがよくあります。
正社員経験もあるので、共通している部分と
大きく違う部分の両方がわかるのですが、
誤解されていることも多いように感じます。
結婚や出産などライフイベントの影響を受けやすい女性が
雇用形態やキャリアを変えることは珍しくないですし、
働き方の多様性に伴って、今までにない社内ポジションも
今後はたくさん生まれてくると思います。
どんな働き方をするにしても、活躍するために大切なことは何なのか、
「正社員」「フリーランス」の枠を外しながら考えていきましょう。
フリーランスに「チームコミュニケーション」は必要ない?
「起業したのは組織が嫌だからですか?高橋さんはチームで仕事をするのが苦手なんですか?」
フリーランスで仕事を始めてしばらくした頃、こう聞かれて驚いたことがありました。質問した人は、私は人に気を使いながら仕事をすることが煩わしくて、あるいは誰かと喧嘩してうまくいかなくなったから、組織を離れたと思われたのでしょうね。「いえいえ、組織で働いている時よりもずっと、関わる人への配慮や気配りをするようにしていますよ」とお答えすると、意外そうな顔をされました。
フリーランスだからといって一人だけで成立する仕事は何ひとつありません。研修講師を単独で行うにしても事前打ち合わせはありますし、担当者とのメールでのやりとりや紹介者への報告など、さまざまな形で人と関わる場面がたくさんあります。また、大きな仕事の時は複数のメンバーが1つのチームとなってプロジェクトを動かすので、出会う人の数もぐっと増えます。
毎日出社して顔を合わせる同僚や先輩など同じ組織の人間同士で仕事をするのとは違い、初対面の人といきなり「がっつり」組んで仕事をすることがほとんどなので、「時間をかけてゆっくりお互いを知って、いい関係性を作って・・・」なんて悠長なことは言っていられません。
すぐに本音で話せる関係性を築き、お互いの価値観やニーズを理解し合うコミュニケーション力が、「次(の仕事で接する機会)はないかもしれない一期一会」のフリーランスだからこそ、求められるのです。
また、同じ組織に属していないことからくる連絡不足やミスはフォローし合えるタイミングがなく、情報共有できるかどうかが大きな鍵になります。
自分の仕事の前後にどういう人がいて何をしているかをすべて把握し、迅速に情報交換をする「報・連・相」を確実に行うことが必要です。
・頻繁に会わなくてもチームコミュニケーションがとれる
・どんなタイプの人とでも初対面から協働できる
・全体を把握して「報・連・相」がミスなくできる
この3つのコミュニケーション力を駆使して、さまざまな組織で良好な人間関係を築くことが、フリーランスには求められるのです。
組織に貢献するためには、目の前にある仕事だけに専念する?
仕事の取り組み方として「与えられた仕事をやり遂げる」ことは大事ですが、同様に「仕事は自分で作る」という発想も非常に大事だとお話しすると、「フリーランスだからですよね。自分のやりたいことができていいですね」とよく言われます。でもそれは社員として働く場合でも同じことではないでしょうか。
もちろん、自分の業務を遂行して組織の目標を達成することは必須。でも、それに加えて「他に何があればいいか」「もっと違うやり方はないか」と考えることで、新しい仕事を生み出すこともあります。
例えば、ある部品メーカーで事務をしていた女性が「うちの商品を海外の人にも知ってもらいたい」と会社に提案したことから海外事業部が発足し、国内だけでなく海外への販売も始まったケースがありました。誰もが考えつきそうだけど誰も提案しなかったことで、今はその女性が責任者として活躍しています。
また、メンタル不調で退職する同僚を見て相談ルームの必要性を感じ、自らカウンセリングの資格を取って社内カウンセラーになった女性もいました。
「新規事業企画室」の所属じゃなくても、日常業務に取り組む中でのちょっとした疑問やアイディアが新しい仕事を作り出し、結果的に組織への貢献となることは、実はたくさんあるのです。
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