なぜいま「パラレルキャリアを始めよう!」なのか?
「シングルキャリア」は、日本で長年に渡って「モデル」として推奨され、これまでも、そしてたぶん今も多くの人に支持され、信奉されてきた生き方です。著者はその「シングルキャリア」ではなく、「パラレルキャリア」を勧めます。それはなぜか。
それは、「シングルキャリア」であることのリスクが増大しているからです。
シングルキャリアで生きてきた会社人間が定年退職後に「ぬれ落ち葉」になる、子供が巣立った後の主婦が「空の巣症候群」にかかる、というように、シングルキャリアで生きることのデメリットはずっと以前から知られていたことでした。
しかし少子長寿化し「働かなければならない時間」が長くなる中、就労期間途中で失職するリスクは高まっています。ゆえに、本業を失えば役割も居場所も失う「単線型」のシングルキャリアのリスクはもはやシニアだけのものではなくなり、幅広い世代に複線型のパラレルキャリアが推奨されているのです。
パラレルキャリアが拓く世界
本業を離れて活動するパラレルキャリア活動には、年齢や専門性、価値観などが異なるメンバーが含まれます。
このため例えばパラレルキャリア活動として地域のお祭りを企画し、実行することで、多様なメンバーと意思疎通するためのコミュニケーション力が磨かれます。また、権威や権限で動かすことができないメンバーを率いるため、「権威・権限に頼らないリーダーシップ」が必要となります。さらに、多様な価値観が存在するパラキャリ・コミュニティを維持、運営するためには、小さな意見や考え方の違いを許容し、全員が共有できるシンプルで明確な目標なり行動規範なりが必要となります。
このためパラキャリ活動により些細な違い、枝葉にこだわらない包容力も磨かれることにもなります。
著者はこうしたパラキャリ活動の効果を、パラキャリ実践者の事例から説明しています。著者はまた、週5時間から10時間、隙間時間のどこでもできる、求められるのは専門性ではなく活動に向き合う姿勢だと述べ、パラキャリ活動は敷居の高いものではなく、誰にでもできると説いています。
私自身、新卒で入社した会社に勤めていた頃はまさにシングルキャリアそのものだったのが、「せっかく東京にいるのだから」というくらいの気持ちで、社会人向け人材育成プログラムに参加して以降、パラキャリは生きる上で必要なビタミンのようになっています。本業を離れた場所で出会える人の魅力、本業以外で自らのスキルや経験を活かし新たなスキルや経験を得られる場所がある楽しさ、安心感ー。
大阪に転居してまもなく2年半。関西では東京に比べ、パラキャリ活動をスタートし、その楽しさを味わえる場所や機会が少ないように感じています。
そこで6月29日(金)18:30~OBPアカデミアで「パラキャリ未来会議 in 大阪~働き方の見本市」と題するイベントを開催します。ここで紹介した『パラレルキャリアを始めよう!』の著者の石山先生もご登壇されます!ぜひご参加くださいませ!
6月29日「パラキャリ未来会議 in 大阪~働き方の見本市」
https://obp-ac.osaka/event/2716.htmlまたはhttps://peatix.com/event/388156/view
———–
イベントのためのクラウドファンディング(5/31まで)
https://readyfor.jp/projects/freelancekansai
2
この記事へのコメントはありません。