3.自分を知るためのポイントとは?
(写真は女子未来大学関西校の打ち合わせ風景)
ー猪熊:早速色違いの付箋を3色買ってきて、
■自分が使命と感じていること
■使命というほど強くないけれど、やってみたいこと
■それらをビジネスとしてやるならどんな方法があるのか
をとにかく書きだして、自宅の壁にはりだしました。「おそらくこれらが重なる部分が、これからの自分の事業になるはずだ」と思ったので、『女性、美意識、伝統文化、心理学…』と思いつくままに書き出す作業を2週間やり続けました。
まるで、一人キャリア講座ですよね(笑)すると、だんだん自分の頭が整理され、事業内容や会社名を決めることができました。
ー高野:自分自身ややりたいことを見つけるのは難しいと思うのですが、猪熊さんは「自分を知る」ためには何がポイントだと思われますか?
ー猪熊:主観と客観の両方の側面から見ていくことだと思います。私はマーケティングの仕事をしていますが、マーケターには主観と客観を行き来することが必要不可欠です。
自分が問題だと感じたことがあっても、あくまでそれは自分の主観です。じゃあ客観的に見たときに「それはお金になるのか?」「どれくらいニーズあるのか?」と考えていく。
右脳と左脳の両方を使って、一つの物事を、主観と客観の両方から考える癖をつけることによって、本質や真実に近づくことができます。
また私は、物事を追求して考えるのが好きなので、日常的に自然とこういった思考をしている気がします。
ー高野:猪熊さんにインタビューしてみて感じましたが、お話に無駄がないですよね。「あれ、話過ぎちゃった。何の話だっけ?」ということが全くなく、質問に対する解答の筋道が1本の線になっているのでわかりやすいです。
ー猪熊:本当ですか!嬉しいです。でもこれも冒頭でお話した「心配性」と直結しているんです。「自分が何か辛いことに巻き込まれた時に、マイナスの感情のうずに巻き込まれてしまったらどうしよう」と思ってしまうので、そうならないように客観的に考える癖がつくようになりました。
ー高野:では、恋愛でも、のめりこんで好き過ぎてもう自分が分からなくなるみたいなことはないタイプですか?(笑)
ー猪熊:残念ながらあまりありません(笑)。恋愛になると特に、「自分よりも相手が大事」という気持ちが強くなりますね。女性の場合、特に恋愛になると自分の感情に左右されてしまうということがよくあると思うのですが、私の場合は自分の感情より相手の思いや気持ちが大事です。
だから、相手が望むことを尊重しようとして、自分の感情を出せないということもあります。もっと素直に感情を出せた方がいいのになと思うので、可愛げないと自分では思うんですけど(笑)
例えば恋愛で上手くいかないとき、一時はうじうじしたりすることもありますが「さ!自分の役割を果たすことに注力しよ!」と気持ちを切り替え、一歩でも一ミリでも前に進みたい気持ちの方が強いですね。
4.心配性を強みに変えて戦略性を磨くには?働く女性へのアドバイス
ー高野:猪熊さんは、周りから見られる自分と、本当の自分とのギャップに苦しまれることはないですか?
ー猪熊:あります!ありますよー!!!もっと子どもらしい感情をそのまま出したい思うこともありますし、自分が二人いるんじゃないか…と思うこともあります。常に冷静に考える気持ちが強いので、もっと無邪気に純粋に開放したいという時もあります。
あ、でも私にもバイオリズムがあって、かなり自由奔放に自分を出せる時期や慎重になってしまう時期が交互にやってくる(笑)
ですが、心理学を学んで、『心配症の人は戦略性が高い人』だということを知って、心配性は悪いことではないと思うようになりました。一方で考え過ぎて思いつめて、メンタルの病気になってしまう人もいるので、バランスをどうとるかが大切だということもわかってきました。
今は自分の使命として『人生をかけて女性たちの役に立つことをしていく』と決めているので、立ち止まっている暇はありません。「悩んでる、塞ぎこんでいる場合じゃない、1ミリでも人の役に立てる自分になっていきたい!」と日々思っています。
なんか、、生き急いでるかもしれませんけど…(笑)
ー高野:生き急ぎバンザイ!!猪熊さんは、見た目の女らしさとは逆に、中身は超男前でますます魅力的です。『心配症の人は戦略性が高い人』ということなんですが、どうすれば心配症の強みを活かして、前向きに戦略的に考えられるようになるんでしょうか?
ー猪熊:ズバリ、『人に頼ること』ですね。何か失敗したり、挫折したときに私がすることは『問いをたてる』だけなんです。「この経験から何が学べたのか、次に同じことを繰り返さないためにどうするか」と考え、その後はメンターの方や友人に聞いてみたり、WEBで調べたりして、徹底的に情報収集します。
すると自分が考えもつかなかった視点から光が見えたり、その物事を理解するための価値観のヒントがもらえたりするんですよ。すると「あぁ、この経験も今の自分には必要なことだったんだ」と思えるようになります。
人はわからないから不安になるし怖いけど、理解できると安心できる生き物ですから。
でも女性の皆さんと普段お話していると、悩みがあっても自分ひとりで抱えこんでしまう人が多いですよね。周りに相談できなかったり、相談しても深く相談できず「解決しなきゃいけない!でもできない!」というループに入ってしまう。
一人で悩むことなんてありません。人は一人では生きていけないですし、頼ることは何も恥ずかしいことではないので、どんどん頼っていくことがポイントだと思いますね。
ー高野:猪熊さんを見ていると、周囲の方をとても大切にされていることがよくわかります。相談したい時に周りが相談にのってくれるのは、やはり日頃から周囲の方を大切にされているからですよね。
今日も私が誕生日だということをフェイスブックで見てくださってプレゼントをくださったり、以前お会いした時は年明けすぐだったのでお茶菓子をくださったり…。そういった相手が喜ぶ気遣い、心配りが本当にすごいなと思います。
ー猪熊:ありがとうございます。そうおっしゃっていただけて嬉しいです。
別に見返りを求めているわけではなく、好きで楽しくてやっていることで、それが自分にもあとから返ってくるなんて、すごく素敵なことだと思います。
これからも、ますます心配性を戦略性という強みに変えて、人生の使命に向かって頑張っていきたいです!
ハンサムWoo!manプロフィール
OMOYA Inc.代表取締役社長 猪熊 真理子(いのくま まりこ)さん
東京女子大学文理学部心理学科卒業。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、心理学を学ぶ。認定心理士の資格を取得。
2007年(株)リクルートに入社。「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。
会社員の傍ら、「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに、講演やイベント、セミナーなどで女性支援の活動を行い、高校生から70代の女性まで延べ2千人を超える女性たちと出逢う。2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。株式会社OMOYAでは、主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネージメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。
社会人女性の学びの場「女子未来大学」ファウンダー。多様な価値観の多様な幸せを女性たちが歩めるような未来を目指して女性のキャリアや心理的な支援活動などを行っている。
また、一般社団法人 全日本伝統文化後継者育成支援協会の役員として、日本伝統文化を今の時代のライフスタイルに合わせて再提案し、日本伝統文化の本質的な価値を次世代へと繋いでいくプロジェクトを進行中。
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