働く女性の皆さんこんにちは。今回は、大阪市西区にある『ハピオスインターナショナルプリスクール』さんを取材させて頂きました。
最近インターナショナルスクールが増えてきていますが、なぜハピオスインターナショナルプリスクールを立ち上げようと思われたのか、日本の英語教育の現状や保育園選びのポイント等、経営者の内田洋介さんに余すことなくお話いただきました。
1 インターナショナルプリスクールを立ち上げたきっかけは?
高野:実は3歳になる私の娘が、来年4月から近所のインターナショナルスクールに通うことになり、今日はお話をお伺いできることを楽しみにしておりました。内田さんは以前、大阪市役所にお勤めだったのですね。
内田:はい。大阪市で水の大切さをPRする仕事を担当していました。その中で「子どもたちにも水の大切さを伝えよう」ということになり、大阪市内の保育園や幼稚園に片っ端から連絡をしてお伺いさせて頂きました。
最終的に市内の保育園にはほぼ足を運んだ形になりましたが、そこで初めて保育の現状を知ったんです。
ひとつは保育士さんの環境改善が必要と感じたこと、そしてふたつ目は時代が進んでいるのに教育手法等にあまり変化がないことでした。
高野:実際の現場を見ないとわからないことはたくさんありますよね。内田さんはもともと子どもの教育に興味がおありだったのですか?
内田:いえ、それがそうでもなく…(笑)もともと「人生はやりたいことを見つけて、やりたいことで食べていきたい」という思いを強く持っていました。僕の場合はそれが「音楽」で、音楽活動をしている時代に、メジャーなミュージシャンの曲を手がける作曲家の方や、プロの方とたくさん知り合う機会をいただきました。
そこで感じたのは、「本当に音楽が好きじゃないとプロとしてやっていくのは無理だ」ということ。音楽というのは、自分の演奏技術や音楽をより良くしていくために、自分自身で自分自身を鼓舞できるパワーを要するのですが、僕にはそこまでのパワーは無いなと…。
それよりも「人のために何かする」ことの方が、圧倒的に力が湧いてくると思いました。
その後結婚し、子どもが産まれて園に預ける際に、同じマンションにたまたまインターナショナルスクールに通うお子さんがおられ、そこで初めてインターナショナルスクールに興味を持ちました。週1から通えるということだったので、「じゃあうちもまずは週1からいれてみようか」という感じで子どもを通わせるようになったんです。
高野:インターナショナルスクールってあまり身近な存在では無いですもんね。ハイレベルな人か帰国子女な家庭が行くイメージというか…。
私も3歳から娘を通わせる保育園が全て定員オーバーで入園が無理だと分かり、「じゃあ選択肢を広げてみよう」ということでインターナショナルスクールのことも調べるようになりました。きっかけが無いとなかなか選択肢に入らないですよね。
内田:そうですね。僕は当時役所にいたので、国が「グローバル人財を輩出する!」と声高らかに宣言し政策を進めていることを知っていましたが、インターナショナルスクールについて知るうちに「今の国のやり方ではグローバル人財を輩出するのは無理だ」と分かりました。
ただそういった思いがあっても、役所の枠の中で現状を変えていけることには限界があると感じ、「では自分でグローバル人材を育成する環境を作ろう!」と、ハピオスインターナショナルプリスクールを立ち上げることにしたんです。
全く未知の領域ではありましたが、思い切って飛び込んで、おかげ様で1年間運営してくることができました。
高野:すごい…熱い思いが無いとできないことですね。そもそもなぜ大阪市西区という立地を選ばれたのですか?
内田:大阪市内は現状、「子どもの預け先」の受け皿のキャパがまるで足りていません。受け皿が少ないこと、そして僕が今大阪市西区に住んでいること、更にはファミリー層も多くこれからも増える兆しがあったので、西区は十分なターゲットエリアになると思いました。
2 英語の早期教育について
高野:インターナショナルスクールの数は、今増えているんですか?
内田:はい、確実に増えてきています。1年前までは、このあたりも当スクールだけでしたが、先日新しいインターナショナルプリスクールが出来ました。設立については、役所に届け出をし、立ち入り調査が入り、認可外として認可してもらって、大阪市の認可外保育施設の欄に掲載されるという段取りなんですよ。
高野:今ふと思ったのですが、そういえば子育てしながら働く親は「まずは認可保育園にいれたい!」と思って探しますよね。認可外保育園はその次の選択肢というか…当たり前のように私もそうしていました…。
内田:「認可園神話」が浸透しているので、何の疑いもなくまず認可園を探しますよね。
まず認可保育園に申込をし、入れなかったから仕方なく認可外保育園に預けるという流れになっていることが多いと思います。ただ実は、認可外保育園は国から補助金をもらっていない分、全て自分たちの経営努力にかかっているので、働く親御さんに配慮したサービスが充実しているところも多いんですよ。
高野:なるほど…!うちも今娘は認可外保育園ですが、かなり融通がききますし、預かってもらえる時間も長いので、働く親からすると助かることが多いですね。少し話は変わるのですが、英語は早期教育が大切だとよく聞きますが、それはなぜですか?
内田:医学的にも「言語に対する神経回路は6歳〜9歳までの間で出来上がる」というエビデンスがあります。僕たち大人が英語を聞くとき、普通は一旦英語を日本語に置き換えてから理解しますよね。
その変換をすることなく「英語」のまま捉えて話したり聞いたりできる神経回路が、6歳〜9歳までに出来上がると言われているんです。この年齢を超えてから神経回路を作ろうとしもて、絶対に無理なんですよ。
高野:変換せずに理解できる感覚がもはやわからない…すごいですね…。
内田:ですよね、僕も分かりません(笑)英語を日本語と同じ感覚で身につけるには、早期教育でなければ無理です。また運動や自転車に乗るのと同じで、一度身につけておけば、しばらく英語から遠ざかっても、また感覚はすぐに取り戻せます。
高野:なるほどー。ヨーロッパに旅行に行った時に、みな普通に英語を話せるのですごいなーと思ったのですが、やはり海外は英語の早期教育等が進んでいるのでしょうか?
内田:はい、日本とは雲泥の差です。オランダは国策として、英語を話せるようになるためのカリキュラムを小学校から導入しています。また、教える先生側もほぼ全員英語を話せるので、教わった子どもが英語を話せるようになるのは当然ですよね。
日本の場合は、先生がまず英語を話せないので、教科書に沿って指導することはできても、話せるようになるための指導はできない。また小学校の先生は全教科を教えなければならないので、今から先生の英語力を磨くのは現実的に難しい。
高野:確かに…。日本は島国ということも大きく影響しているのでしょうか?
内田:そうですね。それも大きいと思いますし、オランダの場合は英語の番組が普段から普通にテレビで放送されています。また周りの大人が英語を話すのも自然なので、日本のように「英語に対する壁」が無いのは大きいですよね。
高野:自然と英語に触れられる環境があるのは大きいですね…。日本の場合は「さぁ、英語だ、どっこいしょ!」という感じで凄まじいパワーが要る気がします。
あと…ずっと思っていた素人の疑問なのですが、インターナショナルスクールに通うと、行儀が悪く育ちそうなイメージがあるというか…海外ドラマを見ていると、机に普通に足を置いていたり、机に座っていたりする光景を見るので、自分の子どももそんな風に育ってしまうのかなという懸念が有る方も多いと思うのですが、そのあたりはいかがでしょうか?
内田:スクールによっては、担当講師の国の文化で指導されている場合もあるようですが、当スクールでは、日本の小学校へスムーズに連動出来るよう、外国人講師にも日本式で指導するよう努めてもらっています。
英語はあくまでも会話する上でのコミュニケーションツールに過ぎません。ベースは日本人としての価値観や素養、所作といった基礎的な部分を身につけ、その上で、国際感覚を持てるように教育するのが、ハピオスの一番の使命だと思っています。
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