本当の自由を追い求めて−Woo!編集長高野美菜子のつぶやき


働く女性の皆さん、こんにちは。Woo!の編集長の高野(こうの)美菜子です。ここ数ヶ月、全くコラムを書いていませんでしたが、最近思うことがあり、また自分のペースで復活させていけたらと思っています。コラムというより、日記に近い形になるかもしれませんが…(笑)お付き合いいただけると嬉しいです。

「自由だね」と言われることについて

私は周囲から「自由だね」と言われることが多い。先日、数カ月ぶりにあった友人から「みなちゃんってほんとに自由人よね!とらわれてない!」という言葉をもらった。 またある人からは「女性社長というともっと強そうでチャキチャキしている人が多いけど、高野さんはゆったりしていて自然体ですね。」と言われた。

自然体、自由人…

そんなふうに言ってもらえるのは、とても有難く嬉しいことなのだが、そう言われる度に、自分の中で違和感を感じたりもしていた。 なぜなら、本来の私は「くそまじめで、優等生気質で、これでもかというくらい周りの目や世間体を気にする、頭が固い人間」だからだ。

真面目な人間だった

小さい頃から両親に「コツコツ勝つコツやで」と言われて育った。「真面目に努力すれば報われる、努力に勝る才能無し」と。そのせいか、小学校の頃の通信簿には毎回「真面目な性格」「決められた枠からは出ないお子さん」といったことが書かれていたし、自分でも「真面目な人間」という自覚があった。

思春期になると、「真面目」と言われることがコンプレックスと感じるようになり、大学生になった私は「真面目脱却!」とばかりに、髪の毛をキンキンに染め、くるくるパーマをあて、見た目から変えるべく頑張ってみた。

いわゆる「大学デビューしたい!」と思ったわけで(笑)

ただ外見を変えたところで、中身の「真面目キャラ」がすぐに変わるわけはなく、思い切って入ったイケイケのテニスサークルは馴染めずに1ヶ月でやめ、 自由人の友人とは反りが合わず仲良くなれなかったりで…。

ある時「私はどうすれば不真面目になれるのだろう…」と真剣に考え、周りにいる不真面目そうな学生を一生懸命真似てみたり、門限を破って親と喧嘩してみたりしたが、ある時「不真面目になることに真面目に取り組む私って何だよ」と馬鹿らしくなり、そんなことを考えることすらやめた。

とはいえ、いつも心の何処かで「自由人」にあこがれていて、「周りからどう思われようが、自分を貫き、自由に生きている人こそかっこいい」と思っていた。

自由と責任はセットだ

自由人への憧れを持ったまま社会人になり、慣れない営業という仕事に四苦八苦しながらも、1年ほど経った頃のこと。少し仕事にも慣れて、周りの先輩や同僚の言動を客観的に見られる余裕ができてきた私は、あることに気づいた。それは、

「自由を得るには、まずは責任を果たさねばならない」いうことだった。

営業で成果を出すからこそ、直行直帰しても許される。 周囲の期待に応えるからこそ、やりたいことをやらせてもらえる。自由を許されている人は、その前に責任をしっかり果たしている。

「自由と責任は常にセットなのだ」と。

それ以来私は、「自由」を得るためにトップセールスを目指し、「自由」を得るために上司の期待に応え、今まで以上に頑張って働いた。そしてそれなりに結果を出すことができたので、会社の中でも比較的自由が許される働き方をさせてもらうことができた。

2009年、27歳で前本と一緒にナチュラルリンクを設立してからも、「自由と責任」の構図はずっと自分の行動のベースにあった。

・やりたいことをやるには、まずはやるべきことをやらねばならない。
・言ったからには、結果を示さなければならない。
・代表という立場だか、こうあらねばならない。
・応援してくださっている周囲の期待に必ず応えなければならない。
・女性活躍をうたうなら、まずは自分がちゃんと両立せねばならない。

起業して、行動して、すぐに結果が出れば良かったのかもしれないが、うまくいかない期間は想像していたよりはるかに長かった。行動しても、結果がついてこない焦りから、いつしか私の頭の中は「もっとやらねば」「もっと成長しなければ」といった「ねば」に支配されるようになっていった。

そして気づいたときには、完全な「ねばねば人間」になってしまっていた(ねばねば人間って…w)そしてそのまま、ただひたすらに、9年間走り続けてきた。

なんでも、どうでもよくなった

そして、今年の春頃。9年間走り続けてきたけれど思うような結果を掴むことができなかったこと、今いる市場に起きた大きな変化、周囲の状況など…

いろいろな変化のタイミングが一気に重なり、変化の渦にのまれ、冷静に考えることすらできず日々が過ぎていく中である日、急に、糸がぷつっと途切れてしまった。

もう、なんでもどうでもいいや。目の前にある課題を乗り越える気力なんてもうないし、私には世の中を変える力はない、もうどうにでもなってしまえ。

そんな精神状態に自分がなるなんて、数年前は想像もしていなかったけれど、でもそう思った瞬間、ようやく見えた。

私が今まで「ねば、ねば」と思っていたのは、私自身が勝手に作り出した、ただの思いこみだった」ということが。

周りの期待に応えなければと頑張っていたけれど、よく考えると周りから「私達の期待に応えなさい!」と言われたことは一度もない。「女性活躍の事業をしているならば、こうあるべき」と周囲に何かを強制されたこともない。

すべては、自分が勝手に作り出した思い込みであり、それによって自分自身をしばり、勝手に自分を追い込み、悩み、もがいていただけだった。その根底にあるのは「周りによく思われたい」「見放されたくない」「嫌われたくない」という恐れだったと思う。

でも冷静に考えてみると、周りは自分が思うほど、自分のことを気にしていないし、みんな自分の人生を生きるのに必死で、正直他人にかまっている暇はない。また、影で何か言われたところで、それは私の人生になんら影響しない。

極端に言えば、あの世界的な経営者スティーブ・ジョブズがこの世からいなくなっても、変わらず世界は回っているのだから、私一人が落ち込もうがやる気を出そうが、世界は変わらず回っていく。

だったら、本当の意味で自由にやればいいやんと、ようやく思えるようになった。

「自由に」いきます

というわけで、今後は「ナチュラルリンクの高野」としてではなく、肩書も役割もすべて取り払った「私自身」が、やりたいことや心響くことを追いかけていきたいと思っている。自分の気持ちに正直になって、本当の意味で自然体でやってみたい。

日本と海外を行ったり来たりの生活もしてみたいし、子どもといる時間を大事にしたいし、今依頼して頂いている講演や研修も更に楽しんでやりたいし、今の自分に大きな刺激をくれるWoo!のインタビューも引き続きやっていきたい。

あと、ガンガン働くのは疲れたので(笑)、ゆるやかに自分のペースでやっていきたいし、今日は集中するけど、今日はや〜めたっという日もあっていい。

去年から密かにやっている個人ブログも、楽しいから続けていきたい。

自由に、自然体に、無理なく、楽しく、やっていきたい。

こういうことに気づくための9年間だったのかな。

とはいえ、自由への道はまだまだ果てしないとは思うけれど、まぁ、あるがままに、高野美菜子として、やっていきたいなと思う、今日このごろである。


髙野美菜子(こうのみなこ)
株式会社ナチュラルリンク 代表取締役 / Woo!編集長
【プロフィール】
「働く女性をHAPPYに 女性のチカラで企業を元気に」の思いのもと、仕事に育児に日々必死(爆)2人目出産をきに、今までの研修・講演事業から脱却し、Woo!に事業モデルをシフト。いつでもどこでも、時間と場所の制約なく働ける働き方を自らの会社を通して実験中です!
【働く女性の皆さんへ】
生き方や働き方は人それぞれ。「こうあるべき」は無いと思います。全ての人たちが、自由に自分らしく生きていける世の中を目指して、私も頑張っていきたいと思います。

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