皆さんこんにちは。Woo!編集長の高野美菜子です。今回インタビューさせて頂いたのは、誰もが知る国内大手メーカーの海外営業部で働き、2人目の育休中にコーチングを提供し始めた「こんどうさち」さん。会社員とママ業とコーチングの3本柱にチャレンジする素敵な女性です。
Chapter1.今の私
1-1:現在の活動や育休中の過ごし方
ー現在2回目の育休中とのこと。どんな過ごし方をしているの?
現在は、育休者による育休者のための勉強会「ぷちでガチ!育休MBA」の講座に参加したり、運営として携わっています。またワーキングマザーのキャリア支援を行う「育キャリカレッジ」のスタッフを通じメンター制度の立ち上げに携わりました。その他にも兼ねてから興味のあったコーチングを勉強、クライアントの方に実際にセッションを提供しています。1人目の育児休暇は、我が子があまりにも可愛く離れたいとこれっぽちも思わなくて。そこで「子どもと共に楽しめること」を優先しました。ベビースイミング、ベビーマッサージと「ベビー」と名のつくものは一通りやり尽くしましたね。子供と沢山向き合った一度目の育休を過ごしたからか、二度目の今回は、「もう少し自分のために時間を使ってみたい」と思いました。また、会社員生活を送る中で、これほどの長期間お休みを頂ける機会は後にも先にもこの育児休暇を除いてはない。だとすれば思うがままにやりたいことをやってみたいなと。その結果が、「ぷちでガチ!育休MBAや育キャリカレッジを通じて沢山のエネルギーあるワーキングマザーと出会うこと」であり、また「組織に居てはできない個人活動としてコーチング講座を提供すること」でした。
ーコーチング…そもそも興味を持ったのはなぜ?
コーチングについては、20代後半に一度学んだ経験がありました。きっかけは「自分のことをもっと知りたい」と思ったからです。当時、仕事は面白いと感じる一方、ある種の生きづらさも感じていて。20代後半の女性が抱きがちなモヤモヤ病ですね。「人生の多くの時間を費やす仕事。だとしたら本当にこの仕事でいいのかな」と。コーチングは学科と実地がある車の教習所と似ていると感じています。知識として学ぶことと実際に使えることは別。コーチングを学んだ後、実際にセッションで経験を積みたいなと思っていた頃、就職活動生にコーチングセッションを提供するボランティアのお話を頂きました。そもそも「自分のことを知りたい」と学んだコーチングですが、就職活動生が目の前で涙を流す姿を目の当たりにした時、その魅力と影響力の大きさに震えました。将来のキャリアの一歩目を決めるかもしれない責任感とプレッシャーで、いつもセッション後は言いようのない疲労感と頭の中がからっぽになる感覚がありました。「誰かのために」と思えた時、人は圧倒的に成長できる、そんなことを教えてもらった出来事です。
1-2:育休に入る前のお仕事内容
ー育休に入る前はどのようなお仕事を?
メーカーの海外営業部で働いていました。時短勤務だったので、会社の配慮で時差の少ないアジア地域の国々を担当させて頂きました。韓国や香港のような近距離の国には、1泊2日から長くても3泊4日で海外出張に行きました。実家は電車で2時間近くかかるところにありましたが、育休中から一週間に一度は帰省するようにし祖父母と子供の関係作りを試みていたおかげで、引き受ける祖父母も、預ける私も、そして子供自身も、とても安心して海外出張に応じることができました。
1-3:現在提供しているコーチング講座
ー具体的にどんなコーチング講座を提供しているの?
大きく2つあって、1つは、子育て中のお母さん向けの「マザーズコーチング」、もう1つはコーチングを体感しコーチングをできるようにすることがコンセプトの「トラストコーチング」です。
ーマザーズコーチングって?
私、子供が3歳になるまで怒らない育児をしていたんですね。その賛否は別にして、私はこれでいくっていう軸みたいなものがあり、良好な親子関係を褒めて頂くこともありました。それが、年少になって躾のステージに入った時、全然親の言うことを聞かなくて。ありとあらゆる育児本を読んでは試し、玉砕する日々。そんな中出会ったのが「マザーズコーチング」です。「こういう時はこう対応しよう」といったノウハウの提供ではなく、コーチングを通じ先ずはお母さん自身の土台をしっかり見つめて頂く、その上で我が子の成長を最大限促すためのコーチング的関わりをお伝えしています。一度自分の土台を見つめ直した上で新たな軸を見付けられたからか、育児本のジプシーから無事卒業。親がぶれなければ子供はぶれない、全ては私だったなと実感しています。
ートラストってことは信頼を扱うコーチング?
はい、自己信頼、他者信頼を土台にしたコーチングです。入社以来数十年に及ぶ会社員生活の中で、「私は」何がしたい、「私は」どう思う、ということより先に「上司は」私に何を求めているかな、「この組織」での私の役割は何だろう、ということが頭に浮かぶようになっていたんですね。「私が」ということにトコトン鈍感になっていて。そんな折、二人の子供が生まれました。その二人共に「凜」という字が入った名前を付けたのですが、これは「凜とした花のように、自分の信じた道をまっすぐ歩んでほしい」という願いを込めています。その「凜」という字が問うのです。「で?あなたは?」「あなたはそんな生き方をしているの?」と。そこで初めて矢印が自分に向きました。子供に夢を託す前に「私が」信じた道をまっすぐ歩む生き方をしたいなと。「トラストコーチング」は、私のような自分迷子になっている方に、また今後リーダー的役割にチャレンジしたい方に、特に好評頂いています。
→幼少期から母になるまで… |