3 もう1つの存在 被害者
被害者の根底にあるものは「自分に力がない」「自分を信頼していない」と思っているということです。そう加害者と同じです。
そして加害されてもその状態を受け入れ続けているのであれば、被害者の心の中で起こっていることは「自分を押し殺している」「自分の何かが悪いのかもと自分を責めている」などいずれにしても自分自身を加害しているということです。
「気持ちを押し殺して我慢しました」ということを聞くことがあります。
しかし押し殺したにも関わらず、フツフツとその思いが ぶり返して来たり、誰かの為に我慢をすることになったその対象である人に怒りが出てきたり・・・。
心は押し殺しても死なないのです。
言葉だけを見ていると心はもうその出来事に対して反応しないかのような感覚になりますが、そうではありません。
表現としては「押し殺す」というよりも「奥深くに追いやっている」という方が近いように思います。
この追いやられた思いの根底には、無意識からの「あなた(自分)を守る為なのに」という肯定的なメッセージがあります。
それゆえその本当の意図を伝えたくって何度でもそしていつまでもフツフツと出てきます。
そして自分をまたは加害した相手を心の中で加害するのです。
押し殺した心についてはWoo!2016.10.6「働く女性に伝えたい、自分との対話の方法とその驚きの効果とは?」で書いています。
4 この関係からの脱出は・・・
ハラスメントの原因は『人格・尊厳の侵害』です。それは「恐怖心」からきています。
加害者も被害者も相手というよりも、自分という人格を侵害し、傷つけているのです。
ここからの脱出はたった1つ。
自分を愛することです。
自分を信じ、自分に力があることを知っている人は、相手を信じ、相手も力があることを知っているからです。
自分を愛し、信頼している人は、被害者のまま居続けることはできません。
『信頼』は価値観です。
価値観は私たちを内側から突き動かすものです。だから自分を大切にするために行動してしまうのです。
相手や自分を責めるかわりに、自分を大切にする。
誰もが自分に責任をもって自分を大切にできれば、家庭も職場も安全・安心の居場所になり、誰もが自分らしさを発揮し、更なる素晴らしい世界が生まれます。
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