直感を信じ、まずやってみる−トップセールスであり女性バイクライダー、北村保奈美さんのかっこよすぎる生き方。


Chapter2.これまでの私

2-1:子どもの頃ーバイクとの出逢い

ー子どもの頃はどんな性格だった?
子どもの頃はとてもおとなしい性格でした。外で活発に遊んでいたように思われるかもしれませんが、実際は全くそうではなく…弟が一人いるのですが、2人揃っておとなしかったように思います。また、自転車やバイクが好きだったということも特にありませんでしたね。 中学生になってからは少しずつ活発になり、世間一般の女子中学生のように買い物に行ったりお友達と遊んだりするようになりましたが「将来こうなりたい!」という明確な目標はありませんでした。 中学校を卒業する頃にようやく「将来は料理人になろう」と考えるようになり、そうと決まれば目標に向かってまっしぐら。学生生活もプライベートもさらに充実していきました。そして高校卒業後は、目標としていた調理師の専門学校に入りました。

ーどのタイミングでバイクと出逢ったの?
18歳で車の免許取得のために教習所に通い出したのですが、初日に人生を変える出会いがありました。車の教習の横で、バイクの教習をしている人たちの光景を見にした瞬間「なにこれ!めっちゃ面白そう!」と一瞬でスイッチが入って。 教官に「今からバイクの免許取得に変えてもいいですか?」と言ったのですが「車の教習が既にスタートしているから、さすがにそれは無理だ」と言われてしまい…(笑)とにかく車の免許取得は速攻で終えて、3か月後にはバイクの免許を取りに行き、その後は中型免許、半年後には大型免許を取得しました。

ー免許取得後、すぐにバイクを買ったの?
はい。バイク雑誌で、鮮やかな真緑のバイクを見つけて「これが欲しい!」と一瞬で惚れ込みまして…すぐに近所のバイク屋を探しましたが、発売当初で数が少なく、取り扱っているバイク屋がありませんでした。 ところがある日の専門学校からの帰り道。たまたま見かけたバイク屋さんに、あの真緑のバイクが置いてあるではありませんか…!「これは買えってことだ!」と思い、バイトでためた貯金を引出し、その場で現金40万円を払って即買い(笑)学生の40万円と言えばかなりの高額ですが、今思えばよく思い切りましたよね。ところが買ったものの、免許を取り立てでクラッチ操作にも慣れておらず「バイクに乗って家まで帰るなんてとても無理だ」ということで、バイクは後日家まで運んできてもらいました。 帰宅後父に「バイク買ったよ」というと「えぇ!」とめちゃくちゃ驚かれました(笑)

ー納車後は念願のバイクに乗ってバラ色の日々?
いえ、しばらくはひたすら練習でした。誰もいない港まで行って練習をしていたのですが、怪我をすることもしばしば。ブレーキを握ったままこけてしまい、そのまま病院に運ばれて、包帯ぐるぐるまきで家に帰ったこともありました。元気に出ていった娘が、足はずるむけ、包帯だらけで帰宅するという状況だったので、親にはとても心配をかけたと思います。ですが父は「自分も自由に生きてきたから、娘がやりたいことを止める権利はないよ」と言って、見守ってくれました。そうこうしているうちに自然と街なかでも乗れるようになり、専門学校へもバイクで通うようになりました。

2-2:調理師とバイクの両立

ーそこまでバイクが好きなら、将来はバイクの道に進もうとは思わなかった?
当時の自分は、「将来は和食の道に進む」と決めていたので、バイクに関してはあくまでも趣味の位置付けでした。ただ和食の道に進むと決めたのもこれまた直感(笑)専門学校に入学してすぐに渡された和包丁に一目惚れして、「めっちゃかっこいい!将来は和食の道に行きたい!」と決めました。出刃包丁、柳包丁、薄刃包丁といった和包丁って本当にかっこいいんですよ。 そして「和食といえば京都」だと考え、月に一度は、京都の和食料理屋や割烹に食べ歩きに行くようにしました。実際に行って料理を食べた上で「ここで働きたい」と思ったところにはその場で「雇って下さい!」と伝えて…当然のことながら大半は断られました(笑)ただ、若い女の子がそのような高級店に一人で食べに来ることは珍しく手も荒れていたので「同業者だと思ってました」と言われることもよくありました。 そして専門学校卒業後は、自分で探した京都の割烹料理屋さんに就職しました。

ー和食の職人の世界は結構大変じゃなかった?
はい、働く前から想像していたとはいえ、朝はとても早く夜も遅いので、思った以上に大変でした。また休日も市場で魚をおろす練習をすることも多く、1日ゆっくり休める日もあまりありませんでした。ただ、私が働いていたお店は、お皿洗い以外にも焼き物やデザートを作るといった様々な経験をさせて頂けるお店だったので、その点ではとても楽しく恵まれていたと思います。

ー京都にいた時もバイクには乗ってたの?
はい、もちろんです(笑)京都には気持ちの良い山道がたくさんあるので、休みの度に走りに行き、そこでバイク仲間と知り合いになって輪が広がり…京都に行ってからの方がよりバイクが好きになりました。そして24歳の時、岡山国際サーキットで開催される走行会に参加し「サーキットで走るってこんなに楽しいのか!」と衝撃を受け、その後はレースにも参加するようになりました。 とはいえ…バイクはお金がかかるので、それ以外の出費をおさえるために、食費は最低限にして、ひとり暮らしの部屋は駅から徒歩30分、築50年の物件にするなど(笑)…完全にバイク最優先の生活をずっと送っていました。

2-3:転機は突然に-営業の道へ

ー割烹料理店をずっと続けなかったのはなぜ?
割烹料理店では5年間働いたのですが、父が病気で倒れ実家に戻らざるを得なくなり、退職しました。その後は「せっかく専門学校を卒業して調理師免許を持っているのだから、それを活かせるところがいい」と考え、地元の給食会社に就職しました。 ただ次第に「ずっと料理の世界で働き続けてきたし、もう料理の世界はいいかなぁ」という気持ちが芽生えはじめて、1年ほどでその会社を退職。 今度は全く違う仕事がしてみたいということで、営業職で仕事を探し始めました。とはいえ「バイクレースに出ているなんて履歴書に書いたら、怪我などで仕事に支障をきたすという理由で落とされるかもしれない」と思い…バイクの免許を持っていることだけを書いて、面接に臨み、現在の会社、ポートに入社しました。

ーそれが今では会社がスポンサーに、一体なぜ?
雑談の中で「実は週末にバイクのレースに出ている」という話を上司にしていた時、その上司から「レースに出ていることを、社長にも一度伝えてみたら?もしかしたら、会社としてサポートしてくれるかもしれないよ?」と、アドバイスを受けたんです。 早速社長にお時間を頂いて、バイクにかける思いやレース活動についてプレゼンテーションをしました。 すると社長からこう言われました。「北村さん、面接のときバイクしてるなんて一言もいってなかったやん(笑)」と…でも一方で「そんなひたむきに頑張れることがあるなんて、素晴らしいことじゃないか」と言って頂き、会社としてサポートして頂けることになりました。そして現在は、会社のロゴが入った革つなぎを着てサーキットのレースを走らせて頂いています。

ー実際、怪我することはないの?
ありますあります。この前、岡山国際サーキットで練習中に鎖骨を折りました。当時はベストタイムが出せていてノリノリの時期だったので、鎖骨を折った激痛以上に「次のレースに出れない」ということがショックで…担架で運ばれている時に「私、1週間後大事なレースがあるんですけど、出れますか!?」と真剣に聞いたのですが、当然「無理です」と言われてしまいました(笑) その後岡山の病院に運ばれ、ベッドの上で少し落ち着いた時に「あ…会社に怪我したこと言わないと…明日から仕事、どうしよう..」と初めて我に返り…すぐに会社に連絡すると「まずは、地元の病院に戻って手術してもらった方がいい」ということで病院を紹介いただき、無事に手術を受けることができました。

ー怪我の間は仕事はどうしていたの?
会社からは「家にいても暇やろ?会社に出てきて、書類を詰めたりしている方が気が紛れるんじゃない?」と言って頂きまして…いい意味で気を遣われない性格が幸いし、翌週には片手をつった状態で出社していました。また外に出れない中でも営業できないかと考え、お客様に片っ端から「今、怪我をしてしまって会社から出れないのですが、どなたかご紹介頂けるお客様はいませんか?」と電話をしていました。 その間リハビリを頑張ったおかげで「こんなに回復が早い人見たこと無い」とお医者さんに驚かれるかれるほどの回復力で、2週間後にはレースに復帰。鎖骨を折った後のレースは怖かったですが、その怖さに打ち勝つには練習あるのみだと思い、ますます練習に打ち込むようになりました。

→北村さんが描く未来とは…

 


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