週末起業家から独立へ−人生をひたむきに生きる青山雅子さんの新たな挑戦


Chapter2.これまでの私

2-1:幼少期ー大学生

ー子どもの頃からバリバリ働こうと思っていた?
はい。小さい頃から「女性も自分でお金を稼ぐことが大切だ」と感じることがあり「将来は子どもを産んでも働こう」と決めていました。小学生の頃には既に、保育園に子どもを預けて働く姿をイメージしていました。小学生から高校生までは、手に職をつけるべく建築士になりたいと思っていましたが、大学受験で第一志望の大学に行くことができず…理系で化学が好きだったこともあって、京都にある国公立の理系の大学に進学しました。

ー大学時代はどのように過ごした?
高校生までは勉強しかしていなかったので、大学生になった途端にハジケましたね(笑)学校の勉強以外にサークル活動をしたり、マクドナルドのバイトではマネージャー職を経験させて頂くまでになりました。その他にも、進研模試のバイト、巫女さんのバイトなど様々なバイトを経験し、更には学生団体にも所属しながら、毎日お弁当も自分で作っていました。昔からアクティブな性格で、「やりたいことは全部やる」という気持ちが強かったです。

ー青山さんをそこまで駆り立てるものは何?
もともとの性格もあると思いますが、21歳の時に母を亡くしたことが大きかったです。当時母は48歳だったのですが、その時に「自分の人生が48年と考えると、とても短い」と感じました。そして「人生は一度きりだから、やりたいことは全部やろう」と強く思うようになりました。
ただ、母が亡くなったのが就活時期と重なっていたので、正直就活のことを考える心の余裕が無く…当時の私は「いい大学に入り、いい会社に就職して、コツコツ真面目に働くことが幸せだ」と考えていました。また母が生前に「理系の大学に行ったのだから、理系の職種に進めば?」と言っていたこともあり「関西で、化学の仕事ができる研究職」で調べていくと、自ずと企業の数も限られていきました。そして、結果的に3社内定を頂き、その中から前職の会社で働くことを決めました。私は2009年入社なのですが、就職については比較的恵まれている時期でしたね。その直後にリーマン・ショックが起こり状況が一変したので、世の中何がおこるかわからないと思いました。

2-2:化学の道へ

ー入社後はいきなり研究の仕事に?
そうですね。研究職と言っても正確に言うと分析をする会社です。入社して半年間は研究の現場に配属され、現場の仕事を覚えながら色々と指導されました。その後は「製品になる前の工業材料の問題点について測定、解析して結果説明を行い、報告書にまとめる」という一連の分析の仕事を一人でできるようになっていきました。例えば「スマホの液晶画面に使用されている粘着剤がうまくつかないので、原因を調べて欲しい」という依頼が来ると、分析して原因を究明していく」という感じですね。
ただ、分析は好きでしたが、化学の世界に入ってみて「センスがある人には到底敵わない」と実感しました。化学向きで、思考回路もセンスも優れた人は世の中に大勢います。ただ、学生時代から「何でもできる女性になる」と決めていたので、この化学の分野でもいけるところまで頑張ってみようと思いました。

ーなんでも出来る女性とは?
あくまで私の見解ですが「マクドナルドでマネージャーを経験させてもらったから接客についてはOK。営業も少し経験してみて出来そうだからOK。では次は、苦手かもしれない化学の分野に挑戦してみよう」というイメージでした。現在は「好きを仕事にする」という概念が広がってきていますが、当時の私はそのようなことは知らなかったので「自分がなりたいイメージに到達するために仕事をする」という気持ちの方が強かったです。

ー前職で身についたスキルは何?
身についたというより気づいたことですが、「自分の中でキラリと光るものは、職種が変わっても通用する」ということです。「周囲の力を借りて物事を進めていける」ということが、昔も今も変わらず、共通する自分の強みなのだと改めて感じています。

ー職種が変わっても強みは通用すると?
はい私が学生時代でアルバイトしていたマクドナルドは、京都で3本の指に入る売上の店舗でした。そこでマネージャーになるには当然スキルが要りますから、当時の上司から「マネージャーにならないか?」と言われたとき「私には無理です」と一度は断りました。ただそこで上司から「君がマネージャーになってくれたら、お店の雰囲気がすごく良くなると思うんだ」と言って頂き、それであればとお受けしました。
当時のマクドナルドでは、社員がいない日はアルバイトでもマネージャーである自分が店舗責任者という時間帯があり、ハンバーグのストック指示、人の配置変えなどを行う必要がありました。とはいえ、お客様がいっときに集中してたくさん来られると、焦ってしまいうまくマネジメントできないこともありました。「わぁ!お客様がこんなにたくさん!どうする?どうする!?」とかしか言えないという…(笑)ただそんな時「じゃあ僕は、これをやるよ」「私はこれするから任せて」と、みんなが自ら仕事を回してくれて、結果的にお店の雰囲気が大変良く、売上も良い状態が続きました。
会社員として仕事をしていたときも、大きな分析案件がくると「おぉ…やばい、すごいのが来たぞ」と、つい口に出してしまうこともありました。それを聞いた周りの優秀な派遣社員さんが「手伝いましょうか?」と声をかけてくださり、気づけば、部署でスムーズに仕事がまわる状況が出来上がるようになりました。

2-3:周囲の協力とパートナーシップ

ー周りから協力してもらうための秘訣は何?
自分で言うのもなんですが、一生懸命だからかなと思います。常に仕事には真摯に向き合っているつもりですし、問題にぶつかった時にもで逃げずにまずは自分でなんとかしようとします。それではうまくいかず皆さんに協力頂くことにはなるのですが…一生懸命にやっている姿を周囲が見てくれて、動いて下さるのかなと思いますね。人が自分一人で出来ることなんてしれていますし、周囲に頼る、甘えることはとても大事だと思います。

ーそれは家庭でも活かされている?
そうですね…夫については、理想のパートナーになるように、頑張って育てた感じかもしれません(笑)夫とは、大学生の終わりの頃から付き合い始めました。過去の恋愛の教訓から「私はここだけは譲れない」という部分さえ満たしている相手であれば、時間の経過と共に自分に合うパートナーに育てていけるのではと思うようになり始めた頃、夫と出逢いました。私は譲れない部分は「正直であること」「誠実であること」「気持ち(モチベーション)の浮き沈みがないこと」でしたが、夫は出逢った当時から、滅多に熱くはならないかわりに、気持ちが落ちることもなく…。常に安定しているので、一緒にいてとても心地が良く、私がやることを全力で応援してくれて大変協力的ですが、初めからそうではありませんでした。

ーどのように自分に合うパートナーへと育てた?
社会人になり、お互い働きはじめて新しい価値観に触れるようになると、考え方や価値観にずれが生じ始めると感じたので、常にその時の状況や思いを共有することを意識していました。例えば、私は社会人になってからも、週末には様々なセミナーに参加し、インプットの機会をたくさん持つようにしていたのですが、残念ながら当時の夫は全く興味を示していませんでした(笑)ただ、根気強く話したり思いを共有したりしているうちに、次第に変わっていったのだと思います。
ですがその際、相手を変えるのではなく「自分が変わること」が大切です。「もっとこうしてくれたらいいのに」「もっとこうなったらいいのに」ということはもちろんありますが、そういった考え方でいる限りは、事態はマイナス方向に向かうしかありません。そうではなく「では、この人にはどんな良いところがあるのかな?」と自分の視点を変えてみると、相手の良いところが目につくようになり、自然と相手のことを褒められるようになる。「育てる」とは言いつつも、「相手を変えるのではなく、自分の見方を変えるからこそ相手が変わる」という視点が大切だと思います。

2-4:週末起業への道

ー週末起業に向けて大きく動くきっかけになった出来事は?
社会人になってから、本業の会社員とは別に代理店ビジネスや物販も色々やりましたが、「自分のビジネス」や「自分のコンテンツでセミナー」等はしていませんでした。それが変わったのは、2014年に宮本佳美さんという方のセミナーに参加したことがきっかけ。「可愛いままで年収1000万円」という本を出版されている方なのですが、宮本さんを知って、いい意味で等身大で普通の方だと肌で感じたとき、「私にもできそうだ」と火がつき、自主セミナーを開催するようになりました。知識やノウハウではなく「私にもできる」と気づくことが大切ですね。
まずは料理が好きだったので料理教室をやってみましたが、試作を作る大変さに愕然として、私には無理だと気づきました(笑)手帳セミナーに関しては大変楽しかったので、続けて開催しています。そのほか、ラブレッスンや写真撮影会、ランチ会等、コンテンツを変えて様々なセミナーやイベントを行ってきました。

ー週末起業、まず何からスタートしてみたらいいと聞かれたら?
新しいキャリアの作り方セミナーでも伝えているのは「まずはやってみる」ということです。何をするかよりも、なんでもいいからスタートしてみることの方が重要です。例えば銃の射撃をする時。銃を構えて真ん中に当てようとする、狙って狙って、考えて考えて調整して、そこから「バン!」と打っても、もう遅い。銃を構えて、まず打ってみて、調整はその後です。動かないとその先の世界は見えませんから、まずは動くことが何よりの秘訣だと思います。

→独立した青山さんが描く未来とは?


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