女性たちが多様な幸せを歩める未来を目指して−女子未来大学猪熊真理子さんの自分で人生の舵をとる生き方


Chapter2.これまでの私

2-1:学生時代ー就職

ー小さい頃は将来をどんな風に考えていた?
私の母は働いていましたが、愛情たっぷりに育ててもらいました。母の姿を見るうちに「私も大人になったら子どもを産んで母親になりたい、そして子どもといる時間を大事にできるようにしたい」と思うようになりました。

ーなぜ起業を志すようになった?
女性の自信形成やキャリアについて勉強していく中で「女性が組織で働きながら、望む生き方や働き方を手にするのは簡単なことではない」ことを知りました。その上で自分の将来を考えた時「自分が母親になり、子どもとの時間を大切にするには、自分で人生の舵を取れる生き方を選ぶしか無い。それには、起業が最善の方法だ」と思うようになりました。とはいえ、女性の皆さんに起業を勧めているわけではなく、私の場合は、可能な限り周囲の状況に左右されない方法を模索した結果、それが起業だったんです。

ーでは、バリバリキャリアウーマン思考な大学生だった?
とんでもない。大学生の頃は正直「社会人になんてなりたくない」と思っていました(笑)学生時代から、毎週決まった日にバイトに行くということが無理なタイプだったので、「週5で会社で毎日働くなんて無理だ。私には到底できない」と思っていましたね。

2-2:社会人になり、パラレルキャリアな働き方へ

ーリクルート時代はどんな仕事を?
「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わっていました。毎日とても忙しかったです。ただ忙しい合間をぬって週末は「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトにした活動も行っていました。講演に呼んで頂いてお話をしたり、イベント、セミナーなどを企画し、高校生から70代まで4000人を超える女性の皆さんと出逢い、話を聞きました。

ー常に積極的でチャレンジ!失敗は怖くない?
「行動して失敗してみないとわからない!」とよくセミナーでも言われますし、本にも似たようなことが書いてありますが、実は私はとても心配性です。「行き当たりばったりで動いて、もし大きな失敗や挫折をしてしまったら?」と先に考えてしまうので、とにかく事前に考えて計画をたてるタイプ。ですから、取り返しがつかないような大きな失敗というのは今まであまりありませんが、小さな失敗は常に繰り返しています。世の中の女性の中には、私のようなタイプの方が結構多いように思います。頭では「行動するべき」だとわかっていても、できれば失敗したくないので一歩踏み出せない。それが人間だと思うんです。
でも大切なのは、「心配だからやらない」のではなく、心配性であることを活かして行動していくこと。事前に考えられるリスクを全て洗い出し、シミュレーションして1個ずつ準備していけば、「ここまでやれば大丈夫」と思えるようになります。完璧に準備する必要はありませんが、自分自身が「大丈夫」と思えるよう準備していけばいい。そこまで行けば、あとは行動するだけですよね。

ー実際に失敗した時は、どう乗り越える?
私は失敗してしまったその瞬間から、もう立ち上がることを考えていますね。最初はもちろん落ち込みますが、すぐに「なぜこんなことが起きたのか?どうすればこの状況を良くできるのか?」と考えるようにします。そういう意味では男性っぽいかも(笑)過ぎた事や起こったことは取り返せないので「この出来事をいかに早く乗り越え、自分の糧にするか」に思考転換します。
例えば「お仕事でご一緒した方にご迷惑をかけてしまった」ということがあったとします。その時に「しまった、どうしよう、あの時こうしておけば…」ではなく「何がいけなかったのか、今後いかに誠実に対応するか」について考え、頭を切り替えて、すぐに動く。失敗しない人なんていません。大切なのは、失敗のまま終わらせず、その後誠実に対応したり、二度と同じことが起こらないようにしていくこと。そうすれば、一歩踏み出すことがだんだんと怖くなくなるはずです。

2-3:会社退職ー起業までの道のり

ー起業も計画的で準備万端でGOした?
いえ、それが全く計画的ではなく(笑)リクルート時代は仕事が大変忙しく、落ち着いて今後の事業を考える時間の余裕がありませんでした。会社を退職した時点では、起業する会社名も事業内容も決まっていない状態で。そして実際会社を退職した後は、自分でも驚くほど大きく落ち込んでしまいました。「今まで組織の中で働いていた自分が、起業して、果たして社会の役に立てるんだろうか」「既にある事業を成長させるお手伝いはしていたけれど、女性を支援したいという思いだけで、ゼロから事業を創り、自分とスタッフが食べていけるのだろうか」考えだしたらどんどん不安になり、止まらなくなりました。これは、一種の『アイデンティティロス』といって、組織にいた人が組織から離れた時によく起こることですが、まさか自分がそうなるなんて思ってもみなかったですね。
でもそんなとき、私のことをよく知る先輩や友人が「久々にお茶しよう」と誘ってくださって、「まりちゃんのいいところはこういうところだよ」「君の苦手なところはここだよね」と、アドバイスしてくださったんです。私をよく知る先輩からアドバイスを受けているうちに思考も前向きになっていき「そうだ!自分でちゃんと自分の棚卸しをしよう!」と思い立ちました。

ー自分の棚卸しってどうやったの?
早速色違いの付箋を3色買ってきて「①自分が使命と感じていること」「②使命というほど強くないけれど、やってみたいこと」「③それらをビジネスとしてやるならどんな方法があるのか」を書きだし、自宅の壁にはりだしました。「おそらくこれらが重なる部分が、これからの自分の事業になるはずだ」と思ったので、『女性、美意識、伝統文化、心理学…』と思いつくままに書き出す作業を2週間やり続けました。まるで、一人キャリア講講座(笑)すると、だんだん自分の頭が整理され、事業内容や会社名を決めるまでに至りました。
自分の強みに気づくには、主観と客観の両方の側面から見ていくことが大切です。私はマーケティングの仕事をしていますが、マーケターには主観と客観を行き来することが必要不可欠。自分が問題だと感じることがあっても、それは自分の主観です。では客観的に見たときに「本当にニーズあるのか?」「それはお金になるのか?」と考えていく。右脳と左脳の両方を使い、一つの物事を、主観と客観の両方から考える癖をつけることによって、本質や真実に近づくことができると思います。

→猪熊さんが思い描く未来とは…?


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