3.経営コンサルティングという仕事とは
ー高野:すごい!30代での転職はパワーも勇気が必要ですよね…!
ー小川:はい、本当に。SCM系から人材系とある意味異分野への転職で、すごく大変な部分もありましたがご縁があり、経営コンサルティング会社に入社しました。念願の人材育成に関われる業界。嬉しかったです。ただ、そこでまた試練が待ち受けていました。
私は、過去何度か「小川さんってとても論理的だね」と言われたことがあったので、自分はロジックに強い方だと思っていたんです。でも違いました。「小川さん、ロジカルが甘いね」とダメ出しされることが多く…
頭をガツンと殴られた感じがしました。
「人の変化や成長をサポートするのが好きだからこの業界に…」と思ったのに、経営コンサルティングの仕事はそんな甘いもんじゃなかったんだなと。でもやっていく中で、自分は戦略コンサル面では苦手な部分もあるけれど、「人材育成面で、人のやる気を引き出す、成果を出してもらう」ということ自体は得意で、やっていて楽しいこと気づきました。
例えば研修ってね、化学反応がおこるんですよ。自分が発したことで参加者の表情や場の空気が変わる。それがダイレクトに感じられて、本当にやりがいのある素晴らしい仕事だとその時から思うようになりました。
おかげ様で講師としても、受講者満足度ナンバー1を頂くことができました。
ー高野:すごいです!色々大変でも諦めずに取り組まれて、しかも受講者満足度ナンバー1の講師になられるなんて…!
4.40歳で出産を決意、そして今に至る
ー小川:その頃プライベートではコーチングを勉強し、コーチングセッションもしていました。ただ、40歳を過ぎて、「本当にちゃんと出産のことを考えないといけない」と思うようになりました。今までは仕事が楽しくて、夫も私も仕事優先でしたが、高齢出産にもなってきているので産むならもう今しかないと。
おかげ様で妊娠ができ、それを機に、41歳で関西に帰ってくることになりました。私は大学から東京で生活していたので、20年以上もいた東京という土地から戻る決心がつかなかったのですが、「もうここまで頑張ったし、やりきったし、ちょっと休みたいな〜」という気持ちも正直ありました。
そして出産して5ヶ月後に仕事復帰したのですが、転機は急におとずれました。仕事復帰して働くとなると「子どもが熱出した」「保育園のお迎えはどっちがいくんだ」といったこどが夫婦間で色々でてきます。
私はその時は雇用形態をフル社員から契約に変えていて、夫は「自分が大黒柱として稼ぐから仕事の融通を効かせづらい。急なお迎えなどはそちらで対応してほしい」というスタンスでした。これはもっとちゃんと自分の足でたっていかないといけないとその時強く思いました。
ちょうどコーチの資格を持っていたこともあり、前職の経験も活かしてコーチとして独立していくことにしました。「さて、どうやってお客様を見つけるんだろう?」とコーチで既に独立されている方に話を聞いてみると、ブログで発信することでクライアントさんと出会われているようだったので「じゃあ私もブログをやろう!」とブログを始めました。
そこから毎日ブログを更新し続けて1年後。なんと自分の目標とするクライアント数を獲得することができました。ただそうなると欲が出てきて…もっともっとクライアントを増やしたいと思うようになりました。
ただ、そこからがうまくいかなかった。
集客のコンサルタントの方にもついて頂いたんですが、セオリに―にとらわれ過ぎてしまい、ブログにも自分らしさが出なくなり、結局集客という点で前よりも状況が悪くなってしまいました。
実際その集客コンサルタントの方のクライアントさんには、すごく成果を出している人もいたので、「他の人はうまくいくのに、私ってなんてダメなんだろう」とずっと自分を責め続ける日々が続きました。すごく辛かったですね。
そしてとうとう体に不調が出始めたので、そこでやっとブログを書くのをやめることにしました。今までは「ブログを毎日書かないと!」という強迫観念みたいなものがあって、大変だったけれど止められなかった。
「やらなきゃ!」と無理してでも続けていました。
でも、体が「もうやめとけ」と言っているのだから、やめようとそこで決心がつき、手放しました。
するとある時、かつて一緒に仕事をした方から「名古屋で研修があるけど僕はいけないから、小川さんがかわりに研修してくれない?」と話が来て、聞いてみると面白そうだったので、夫にも何とか都合をつけてもらって、平日に研修をしに名古屋に行きました。
するとその研修体験がすごく良くて、「あ〜やっぱり私は研修が好きなんだ!」と思いました。
手放したら入ってくるってホントだなと思います。両手にものを持っていては絶対に入ってこなかったきっかけだったなと。そこからは、研修やコーチングを続けていて、今に至ります。
ー高野:なるほど…。深い。ちょっとここで素朴な疑問なのですが、コーチングで人は変わるんでしょうか?
ー小川:はい。コーチングの過程で、自分自身や周りの状況に対して認識を新たにしたり、気づきに対して心が動いたりすることで、クライアントさんは変化していきます。
あるクライアントさんで、自分に自信がなく、仕事でも萎縮してしまっている方がおられました。その方は、何事にも慎重で心配症な方で、自分のそんな面も嫌いだとおっしゃっていました。私が「でも、それって、リクスマネジメントができるということですよね。」と伝えても「いや、そんなことないです。」と受け取ってもらえない。
それがある時、その方が、「その慎重さゆえに気づいたことが、結局お客様のダメージを防いだ…」という出来事をお話されたんです。
今までは、ダメなところだと思っていた「慎重さや心配性」が、逆に強みとして活かされ会社に認めてもらえたという成功体験をきっかけに、どんどん行動されるようになって、自信がついて、180度変わられました。
「人ってこんなに変わるんだ!」と私も驚きました。
ー高野:すごいです!人はどんなきっかけで変わるかわからないですもんね。
ー小川:人には可能性がたくさんある。だから私はその人の可能性をどんどん引き出すお手伝いがしたい。この思いは、コーチングや研修を重ねる度に強くなっています。
そうそう、私実は以前は人見知りだったんですよ。
ー高野:嘘でしょ!こんな気さくな小川さんが・・・!
ー小川:いえ、本当にそうだったんです。人と話すのが苦手だったし自分に自信がなかった。また「こうあるべき」という枠にしばられていました。それで自分を追い詰めてしまっていたことも多々ありました。
でも、人ってもっと自由でいいと思うんですよね。あるがままを受け入れることがものすごく大切。
キャリアも、「こう築いていかないといけない!」なんてありません。キャリアは人それぞれ違いますし、私も色々悩んで迷って、振り返ればそれが自分のキャリアになっていました。無駄なことなんて1つもありません。
たくさんの転職経験を経て、今そう思うようになりました。働く女性がHAPPYに働くために大切なのは「自分のあるがまま」を受け入れることだったり「捉え方」を少し変えてみることだったりと、とてもシンプルなんです。
物事がどうがではなく、その物事ををどう捉えるかで人生は大きく変わっていく。
周囲や働く女性のクライアントさんの可能性を引き出せるように、そして私もいち働く女性として楽しく生きていけるように、これからも頑張りたいです。
ハンサムWoo!manプロフィール
大学卒業後、メーカーやIT系コンサルティング会社に勤務し、ロジスティックスやSCM(サプライチェーンマネジメント)の分野に携わる。このときの経験を通じて「企業の根本は人だ」という想いに至り、人材育成分野に転身。コーチングや研修を通じて企業の変革や個人の成長をサポートする。
その後、娘の出産を機に、今後の人生のあり方について見つめ直し、会社員を辞めて独立。現在は、主に、企業研修の企画・運営、パーソナルコーチングを行っている。
■HPはこちら→ http://office-faith.jp/
■ブログはこちら→ http://ameblo.jp/createyourownlife/
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