皆さんこんにちは。Woo!(ウー)編集長の高野美菜子です。今回インタビューさせて頂いたのは、「女の子の世界を変える」をミッションに事業展開をしている株式会社アウローラの創業者、古瀬一臣社長。男性目線のフラットな視点はとても新鮮で、かつ共感できる内容が満載でした。ぜひ、ご覧ください。
Chapter1.アウローラの事業や働き方
1-1:アウローラの事業と女性活躍
ーアウローラは何をしている会社なの?
僕たちは「女の子の世界を変える」をミッションに事業展開しているベンチャー企業です。具体的には、正規雇用での就業経験のない若年層女性の初めてのキャリア形成を応援する求人情報サイト「RUN-WAY」を中心に、広告代理店、ネイリスト専門の派遣サービスを展開しています。もとは僕一人で2007年1月にスタートし、今年で13期目になります。
ー女性活躍関係の事業、今追い風が吹いているのでは?
そうですね。確かに追い風は吹いていますし、女性活躍をうたう企業は増えましたが、政府が目指すゴールにはまだほど遠いと感じています。実際に「RUN-WAY」で仕事を探しておられる求職者の女性から「会社の上司に産休を取りたいと伝えたところ、退職勧告に似た対応をされた」といった話も未だにお聞きします。日々多くの女性が、仕事をしたいのに雇ってもらえないといった状況の中でもがいている。まだまだ、男女フラットな雇用状況にはなっていないと思いますね。
ーなぜ日本では女性活躍が進まないの?
日本の企業の多くが「女性が出産や育児で休職する可能性があることをネガティブに捉えてしまう」からではないでしょうか。 今の日本は人材不足ですし、社会全体が「多様な働き方の創出」に向かっていることはみんな頭では分かっています。ただ、毎日の仕事で目標達成が求められ、限られた人数で必死で働いている中、キャリアブランクが生じる可能性がある女性を採用することに躊躇する企業が多いですね。 また日本には「女性は家庭を守るもの」という考え方が、根強く残っていると思います。しかも、本人も気づかない無意識レベルにまで刷り込まれている。日本はGDPが世界第3位(2016年)の国にも関わらず、男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップランキング」は世界144カ国中114位。つまり日本は「世界で一番男尊女卑な先進国」なんですね。状況は少しずつ改善されているとはいえ、こういった根深い課題によって、思うように女性活躍が進まないのではないかと思います。
1-2アウローラの女性の就職支援サービス
ーサービスを展開する上でアウローラが大切にしていることは何?
一般的に人材紹介会社は、キャリア志向の方を対象にすることが多いですが、僕たちは「正社員の経験がなく、年収300万円以下の方の初めてのキャリア形成」をお手伝いすることに特化しています。その理由は「女性人口のうち約半数が未就業、かつそのうち60%が働きたくても働けない状況を解決したい」と思っているから。 以前は働いていたけれど一旦は退職して現在は専業主婦、また未経験の女性というのは、企業が一番敬遠しがちなゾーン。 でも、そこを解決しなければ、本当の意味で日本の女性活躍は進まないと考えています。
ー求職者の皆さんはどんな悩みを抱えて相談に来られるの?
「結婚や出産で会社を退職し、その後就職先を探しているが見つからない」というお悩みが大変多いですね。また、以前はアパレル業や接客業をしていたが、体力的にきつくなり事務職に転職したいけれど、事務経験がないため就職先がないという方々も多いです。大半は20代半ば~後半の女性で、世間的には結婚適齢期と言われる世代。「未経験なので教えるのに時間がかかる上、仕事を覚えた頃に出産で退職するリスクがある」といった点で、企業はその層の女性を積極的に採用したがらない傾向にあります。
ーではそういった女性を採用したい会社とは、一体どんな会社?
「未経験の女性を積極的に採用したい」という企業は少ないですね。人材不足が叫ばれている割には、企業が抱いている危機感は薄く、特に中小企業の方が遅れているように感じます。 ですのでまず僕たちは「企業に女性活躍推進の提案する」ところから始めて、企業の土台を整えた上で、人材を紹介するようにしています。 また、通常人材紹介のエージェントフィーは年収の30%〜40%が相場ですが、アウローラは一律50万円です。他社と比べると費用は安いので、「ここのフィを抑えているかわりに、未経験の女性を採用し、どんな人でも長期的に活躍できる環境を作っていきましょう」と伝えています。市場のないところから作っていくのが、僕たちの仕事ですね。
ーアウローラはまさに、世の中の女性の心強い味方!
僕たちの事業で最も重要なのは「企業の受け入れ体制や土台を整えるところ」だと考えています。企業が本気で女性の採用に前向きに取り組んでいくことを確認した上で女性を紹介しなければ、結果的にお互いにとって良い結果にはなりません。 また、RUN-WAYに登録して求人相談に来られる女性のサポートも丁寧に行っています。実際には「こんな仕事がしたい!」「こんな経験を活かしたい」という軸が定まった女性は少なく、「私にどんなことできると思いますか?」「何が向いてるかわからないんです」という段階で相談に来られることが多いんですね。 ですから、いわばその方の人生相談に乗るような気持ちで、寄り添いながら一緒に就職先を紹介するようにしています。「他の人材紹介の会社はどこも相手にしてくれなかった。でもアウローラで紹介してもらって就職先が決まった!」と喜びの連絡を頂く女性も多く、そこから友人の方を紹介して頂き、輪が広がっています。 企業側に対しても、求職者側に対しても、大変手間がかかることをしていると思いますが、手間がかかるということは、他の人材会社はやらない領域でもある。だからこそ、僕たちがやる意味があると思っています。
ーこの仕事のやりがいはどんな部分?
やはりRUN-WAYの求職者の女性からの「就職先が決まった」という喜びの声は、本当に嬉しく、大きなやりがいを感じます。現在は人材業界でもAIマッチングをとりいれている会社が多いですよね。確かに、ある程度までのマッチングはAIで可能ですが「家庭を持たれた方の仕事のバランス」や「本人の置かれた状況」といった部分は、明確な線引ができないので、人の手でサポートしなければならないですよね。 僕たちは育児や両立を本人だけのものにするのではなく、企業と本人の中間におくべきだと常々思っているんです。そうすることで、女性が働きやすい環境整備が進み、女性も会社にもしっかり貢献できて、お互いがHAPPYになっていける。 本気で、そういう世の中を目指し、事業を行っています。
1-3:アウローラの社内の雰囲気や働き方
ーアウローラ社内の雰囲気はどんな感じ?
「自分らしさの最大化」がカンパニーポリシーなので、そこに共感するメンバーが集まっている会社です。社内の働き方も自由度が高く、柔軟ですね。 現在は全ての社員が、月間160時間という労働時間の中で働いています。コアタイムもありませんので、好きな時に働き、好きな時に出社してOK。副業も推奨しているので、アウローラで働きながら他社で働いている社員や、自分で会社を起業しながらアウローラに籍を置いている社員もいます。 これからは1人=1社で働く時代ではありません。人材も、社会全体のコミュイティでシェアリングされていくようになります。その中で、一人ひとりが「自分らしさを最大化」し、自分のやりたいことを叶えていける会社であり続けたいと思っています。
ー柔軟な働き方が成り立つには、社員の自立心が必須では?
はい。おっしゃるように、自由度の高い働き方が成り立つには、社員一人ひとりが自分で自分を律することが大前提です。アウローラでは採用面接の段階でも、そして入社後も、そのあたりについてはしっかり伝えるようにしています。 また、僕たちの会社運営の基本は性善説。「信頼しているから自由が与えられる分、責任を果たしてね」というスタンスで今の働き方を運用し1年半経ちましたが、離職率も大幅に下がり、社員の満足度も上がりました。思い切って取り入れてとても良かったですね。
ーまずはアウローラが背中を見せていくことが大事だと?
はい。僕たちが女性がイキイキ働ける会社でなければ意味がありませんし、自分たちが体現するからこそ、自信を持ってクライアント企業に女性活躍を提案できます。また基本的に「自分たちがやってみて、結果が出たもののみをクライアント企業にシェアしていく」というスタンスなので、社内でも積極的に、未経験の人の採用や、定期的なトライアル採用を実施しています。 もちろん今までにうまくいかない取り組みもありましたが、日々トライアンドエラーしながら、チャレンジを続けています。
→古瀬社長はどんな人?… |
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